僕の妄想日記

天音 零採

文字の大きさ
7 / 10
短編ストーリー 

1.俺が探していた人は、今ここに。

しおりを挟む
大学でよく見かける人がいる。多分、男だと思う。なぜか目に付く。気が付くといつも目で追っていた。
講義が一緒じゃないか探してみてがいなかった。別棟の学生らしい。だからか、いつも走っている。
背丈は男にしては小さめ。肩までの黒髪が、遠くでもわかるほど綺麗だった。顔はわからない…。
まぁ、俺にとってはよく見かける人。それだけだ。

今日は街に出て野郎どもと買い物。何が楽しくて男だけで…。でも、助かってるのは確かな事実だ。
俺はいわゆる残念男子らしい。顔はそこそこ、性格も悪くない。まぁまぁモテるのだが長くは続かない。
理由は、私服がダサいから。俺的に決めてみるといい感だが、周りはダサいという。なぜ…。
それで、友人たちが俺のために服を選んでくれるらしい。毎度思う、友人になってくれてありがとうと。
今も選んでくれた服を着ているのだが、あいつ等は疲れたと言って自販に買いに行った。
ベンチで一人、座って待っていると誰かに声をかけられた。
「こんにちは、お兄さん。お一人なんですか?」
が声をかけてきた。逆ナンは久しぶりにされた。その子はとても可憐で清楚な印象を持っていた。
肩までの黒髪はハーフアップでまとめリボンで飾っている。耳飾りはしていない。
白のシースルーシャツ、水色のフレアスカート、淡い色のパンプス。おとなしそうな子だ、驚いた。
「いいえ、友人と遊びに…あの、よかったらー」

あれから数週間とデートを繰り返してわかったことがある。ちなみに付き合ってない。
そして、気づいたことがある。彼女は、彼女ではなくだったのだ。俺と同じ男。妙に男の趣味が似ていると思った。
最初に気づいたとき、だましてお金でも取るのかと思ったが違ったらしい。彼…もとい彼女はそんなことはしなかった。
彼女は俺と純粋に遊びたいだけだった。ショッピングや遊園地もお金はきっちり払っている。じゃあなんで?
彼女を観察すればすぐに分かった。この子は俺に恋をしている。
やはり、そうゆうものなのかと思ったら違った。人に声をかけたのは俺が初めてらしい。不思議な感覚だ。
でも、嫌ではなかった。いつしか、彼女の想いに答えられたらいいなと思った。


実はもう一つ、気になっていることがある。大学のあいつだ。
友人に聞いた話によれば、まぁあまり人付き合いが苦手らしい。サークルにも入っていない。
講義が終わると、遠くのバイト先に急いで通ってるとか。一人が好きなタイプで図書館にいることが多い。
あまり、確定した情報は少なく…彼は俺にとって不思議君だ。課題を終わらせるのに図書館に行った。
本好きの俺にとって、図書館は最高の楽園。どこに何が置いてるかは把握している。
課題の資料を集め終わって、久々に何冊か借りたいと思って散策していた。そして、俺たちは出会ってしまった。
彼女によく似た顔立ち、同じキーホルダー、そして俺が勧めた本を抱えていた。数秒か、動けなかった。
俺の中で叫んでいた。彼女によく似たあいつは走知り去っていた。一人残され呟いた。
「小春…?」

あれから彼女に連絡しても返信はなかった。大学でもあいつを見かけることがなかった。
休んでいるのか聞いてみれば、普通に来ているとのことだ。俺が見つけられなくなった。なんで、こんなことに。
俺が君を見つけてしまったから?そう考えていると、スマホがなった。メールが届きましたと表示された。
『遅くなってごめんなさい。忙しい日が続いて返信できなかったの。』
やっと返信が来たことに心底ホッとした。でも、なんだかぎこちない気がした。俺はすぐに返信した。
『心配したよ。何事もなくて安心したよ。明日、会えないか?もし時間があればー」
俺はさ、気の利いた発言はできないし、服だってセンスは皆無だ。
だけど、だけどさ、俺は君と話していたいよ。一緒にいたいよ。それじゃ駄目かな。俺は君が好きだよ。
何度も告白のチャンスはあった。なのに、ごまかすように笑っていた理由…今ならわかるよ。


『-俺の大学を見に来ないか?一度来てみたいと話していたこと覚えてるか?…10時××大学の門で待ってる。』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】恋した君は別の誰かが好きだから

海月 ぴけ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。 青春BLカップ31位。 BETありがとうございました。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 二つの視点から見た、片思い恋愛模様。 じれきゅん ギャップ攻め

熱中症

こじらせた処女
BL
会社で熱中症になってしまった木野瀬 遼(きのせ りょう)(26)は、同居人で恋人でもある八瀬希一(やせ きいち)(29)に迎えに来てもらおうと電話するが…?

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

息の仕方を教えてよ。

15
BL
コポコポ、コポコポ。 海の中から空を見上げる。 ああ、やっと終わるんだと思っていた。 人間は酸素がないと生きていけないのに、どうしてか僕はこの海の中にいる方が苦しくない。 そうか、もしかしたら僕は人魚だったのかもしれない。 いや、人魚なんて大それたものではなくただの魚? そんなことを沈みながら考えていた。 そしてそのまま目を閉じる。 次に目が覚めた時、そこはふわふわのベッドの上だった。 話自体は書き終えています。 12日まで一日一話短いですが更新されます。 ぎゅっと詰め込んでしまったので駆け足です。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

『定時後の偶然が多すぎる』

こさ
BL
定時後に残業をするたび、 なぜか必ず同じ上司が、同じフロアに残っている。 仕事ができて、無口で、社内でも一目置かれている存在。 必要以上に踏み込まず、距離を保つ人―― それが、彼の上司だった。 ただの偶然。 そう思っていたはずなのに、 声をかけられる回数が増え、 視線が重なる時間が長くなっていく。 「無理はするな」 それだけの言葉に、胸がざわつく理由を、 彼自身はまだ知らない。 これは、 気づかないふりをする上司と、 勘違いだと思い込もうとする部下が、 少しずつ“偶然”を積み重ねていく話。 静かで、逃げ場のない溺愛が、 定時後から始まる。

逃げるが勝ち

うりぼう
BL
美形強面×眼鏡地味 ひょんなことがきっかけで知り合った二人。 全力で追いかける強面春日と全力で逃げる地味眼鏡秋吉の攻防。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

処理中です...