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短編ストーリー
2.人形になってしまった…
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僕の趣味は女装をすること。別に男を騙したいわけじゃない。
小さいころから可愛いものが好きだったんだ。大きなぬいぐるみもフリフリのスカートも。
しばらくして、おかしいことに気づいた。男の子は可愛いものなんて持たない。髪だって短い。
黒や青色の物ばかり身に着ける。女の子は可愛いものをつけていた。明るい色の髪飾り。可愛いスカートも。
全部女の子が持っていた。ズボンもスカートも、髪形もメイクも、何もかもが違う。
まるで、世界中の人が僕が異常だと嘲笑ってるように思った。いや、知っていた。
僕は異常だ。
誰にもこんなことは話せなかった。家族にも「おかしい」「異常だ」「育て方を間違えたのかしら」と言ってほしくなかった。
でも、姉は気づいてくれた。僕に声をかけてくれた。一つ一つ話すことができた。全部、聞いてくれた。
姉は受け入れてくれた。そして、笑顔で言ったんだ。
「一緒に買い物に行けるね!メイクもお姉ちゃんが教えてあげるよ!」
僕の女装は完璧になりつつあった。前よりも自分に合ったメイクができるようになった。女の子らしい。
可愛いまるで別人だった。髪も校則ギリギリでも伸ばし続けた。美容品もこだわるようになった。
両親が僕の変化に気づいたのは、そう遅くなかった。
「…大変だったわね。話してくれてありがとう。」
「……三人で話がしたい。春は部屋に戻りなさい。」
姉と本当のことを話した。母は大丈夫と笑ってくれたが……父は僕抜きで話したいって不安しかない。
でも、何も言えないままうなずいて部屋に戻った。この時間が何よりも怖い。涙が溢れてきた。
数十分後、下の階から声が響いてきた。やっぱり受け入れてくれない。親不孝者だ。
静かに階段を下りて、リビングの扉を少し開けた。姉と父の言い争いが聞こえた。
「何よそれ!全然わかってない!」(姉さん、父さんには理解しがたいことだってわかってたけど…)
「こっちのほうが春に似合っているだろう!」(……what?)
「いいえ、こっちよ!春には白が似合うのよ!見なさいこれを!」(…ワーーー)
姉が見せつけたのは、白いワンピースを着て姉に笑いかけてる僕の写真だ。なんで保存してんの?!
「な…!!でも、緑や黒だって合うはずだ。」(???さっきから何の話してるの!?)
「二人とも落ち着きなさい。春が不安になるでしょう。」(母さん…)
「あなた達の意見はすべて拒否します。春には私の作った服を着てもらうわ!」(母さん!…そうなるの…)
母は有名な服屋だ。会社を作って、しかもオーダーメイドも受け付けている。社長自ら働きまくる。
「さぁ、いらっしゃい春!お母さんがうんと可愛くしてあげるわ!」
そう言って扉を開き、僕の手をつかんで仕事部屋に向かっていった。戸惑いながらも歩いて、姉たちも来た。
「ぇ、ちょ気づいてたの?」
「もちろん。母を見くびらないで!はやくしないと、来てほしい服が何着もあるんだから。」
部屋に入ってさっそく着付けやデザインなどこなしていく母はまさしく仕事人だ。でも、僕のために。
何着も試着して、僕が疲れ果てるとき母が優しく僕を抱きしめてくれたんだ。僕は泣いてしまった。
「大丈夫。私たちは春の味方よ、貴方は立派で自慢の息子だわ。」
小さいころから可愛いものが好きだったんだ。大きなぬいぐるみもフリフリのスカートも。
しばらくして、おかしいことに気づいた。男の子は可愛いものなんて持たない。髪だって短い。
黒や青色の物ばかり身に着ける。女の子は可愛いものをつけていた。明るい色の髪飾り。可愛いスカートも。
全部女の子が持っていた。ズボンもスカートも、髪形もメイクも、何もかもが違う。
まるで、世界中の人が僕が異常だと嘲笑ってるように思った。いや、知っていた。
僕は異常だ。
誰にもこんなことは話せなかった。家族にも「おかしい」「異常だ」「育て方を間違えたのかしら」と言ってほしくなかった。
でも、姉は気づいてくれた。僕に声をかけてくれた。一つ一つ話すことができた。全部、聞いてくれた。
姉は受け入れてくれた。そして、笑顔で言ったんだ。
「一緒に買い物に行けるね!メイクもお姉ちゃんが教えてあげるよ!」
僕の女装は完璧になりつつあった。前よりも自分に合ったメイクができるようになった。女の子らしい。
可愛いまるで別人だった。髪も校則ギリギリでも伸ばし続けた。美容品もこだわるようになった。
両親が僕の変化に気づいたのは、そう遅くなかった。
「…大変だったわね。話してくれてありがとう。」
「……三人で話がしたい。春は部屋に戻りなさい。」
姉と本当のことを話した。母は大丈夫と笑ってくれたが……父は僕抜きで話したいって不安しかない。
でも、何も言えないままうなずいて部屋に戻った。この時間が何よりも怖い。涙が溢れてきた。
数十分後、下の階から声が響いてきた。やっぱり受け入れてくれない。親不孝者だ。
静かに階段を下りて、リビングの扉を少し開けた。姉と父の言い争いが聞こえた。
「何よそれ!全然わかってない!」(姉さん、父さんには理解しがたいことだってわかってたけど…)
「こっちのほうが春に似合っているだろう!」(……what?)
「いいえ、こっちよ!春には白が似合うのよ!見なさいこれを!」(…ワーーー)
姉が見せつけたのは、白いワンピースを着て姉に笑いかけてる僕の写真だ。なんで保存してんの?!
「な…!!でも、緑や黒だって合うはずだ。」(???さっきから何の話してるの!?)
「二人とも落ち着きなさい。春が不安になるでしょう。」(母さん…)
「あなた達の意見はすべて拒否します。春には私の作った服を着てもらうわ!」(母さん!…そうなるの…)
母は有名な服屋だ。会社を作って、しかもオーダーメイドも受け付けている。社長自ら働きまくる。
「さぁ、いらっしゃい春!お母さんがうんと可愛くしてあげるわ!」
そう言って扉を開き、僕の手をつかんで仕事部屋に向かっていった。戸惑いながらも歩いて、姉たちも来た。
「ぇ、ちょ気づいてたの?」
「もちろん。母を見くびらないで!はやくしないと、来てほしい服が何着もあるんだから。」
部屋に入ってさっそく着付けやデザインなどこなしていく母はまさしく仕事人だ。でも、僕のために。
何着も試着して、僕が疲れ果てるとき母が優しく僕を抱きしめてくれたんだ。僕は泣いてしまった。
「大丈夫。私たちは春の味方よ、貴方は立派で自慢の息子だわ。」
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