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【第一話】
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優弥Side
駅まであと少しのところで、チャリンと、何かが落ちる音がした。何を落としたのだろう…?
そう思いポケットを探ると鈴付きの「和製」オリジナルキーホルダーがついた家の鍵がないことに気が付く。和製では、各メンバーカラーに色づいた鞠をかたどったキーホルダーがある。
鞠の中には鈴が入っていて、鍵などの無くしちゃいけないものにつけるのがオススメ…って商品紹介している場合ではない!コロコロと路地裏に転がっていく鍵を捕まえようと俺は走った。
「おい!待て!転がるなぁー!!」
俺は思わず叫んでしまったが辺りはまだ仕事前の時間。人は居てもこんなガラの悪いバンドマンにつるむような酔狂な大人は居ない。俺の声は水の泡となって消えていったのだ。
ドタドタと走りやっと転がっていた鞠のキーホルダーについた鍵は止まったが、何やら禍々しい雰囲気の小さな神社に着いてしまった。
「何だ、見たことない神社だな…」
禍々しい雰囲気で、朝だからかもしれないが、どうも暗い。朝にしては暗すぎるくらいだ。
でも鍵は神社の中に落ちてる。そう思ってスマホのライトをオンにして鍵を探そうと足を踏み入れようとしたら___突っぱねられた。
どういう事だ?神社の鳥居には別に何も張っていない。しかし、踏み越えようとすると跳ね返されてしまうのだ。
そうすると、一人の老人が神社の向こうから声を掛けてきた。杖をついて、俺達が着てるような華やかさは無いが、着物を身に着けていた。
たくみに生やした髭を撫でながら老人は手招きしている。
「坊主や。正装していかんと、この先には進めんよ。怪しまれて、一瞬にして殺されてしまうよ。」
「こ、殺される?!」
俺は思わず息を呑んだ。ここの神社にはまさか、悪霊などが居て、人間が入って来ないように細工してあるというのだろうか…。
しかし、正装…?自分の格好を見る限り、パーカーにジーンズといかにもバイトまで行くぐらいの格好。何も可笑しくない。でも、あの老人は人間なのに何故鳥居の向こうに?
俺は老人の服を見て思った。「和服」である。
老人は浅い緑の着物を身に着けているでは無いか。
「そうか、大抵お祭りとかでもそうだけど、和服着て神社入るもんな!」
「そうじゃよ(暴論)」
俺が話をすると、老人もそう頷いてくれた。
お互いに理解してしまった結果、俺は自分の鞄に入っていたライブ衣装を神社前の公園トイレの中で着替える。ライブ用の為、俺のカラーである紫で纏められ、蝶の模様が大きく描かれている。普段の着物よりも軽くなっているので着替えもしやすかった。
全く、リハーサルには大遅刻だが家の鍵が無くなるよりかはまし。これくらいは仕方のない事にしておこう…。
「じいさん?これでいいか?」
俺がそう微笑むと、老人は、ゆっくり首を縦に振った。
「美しや…コイツで間違いないようじゃな…」
美しいと俺を褒めてくれたのには嬉しいのだか、コイ…からは聞こえなかった。俺は今日使うつもりだった三味線と頭に被る笠をカッコつけるために持って、鳥居の方へ向かう。あわよくば老人にも俺の弦楽器テクを披露して「和製」の知名度を老人にも広げようと考えた。俺って流石に天才かな?と自画自賛し始める。
老人は、俺が鳥居を越えようとした瞬間、そそくさと足早に奥の方へ去ってしまった。
「あ、待って!『和製』ってバンドのメンバーなんだけど、聞いてほしいんだよね?!じいさーーーん!」
まるで音速をも超えるんじゃないかバリの走りを見せた老人を鍵を拾ってから追いかけようと、足を踏み入れた瞬間。
足場がふわついて風景が変わった。
駅まであと少しのところで、チャリンと、何かが落ちる音がした。何を落としたのだろう…?
そう思いポケットを探ると鈴付きの「和製」オリジナルキーホルダーがついた家の鍵がないことに気が付く。和製では、各メンバーカラーに色づいた鞠をかたどったキーホルダーがある。
鞠の中には鈴が入っていて、鍵などの無くしちゃいけないものにつけるのがオススメ…って商品紹介している場合ではない!コロコロと路地裏に転がっていく鍵を捕まえようと俺は走った。
「おい!待て!転がるなぁー!!」
俺は思わず叫んでしまったが辺りはまだ仕事前の時間。人は居てもこんなガラの悪いバンドマンにつるむような酔狂な大人は居ない。俺の声は水の泡となって消えていったのだ。
ドタドタと走りやっと転がっていた鞠のキーホルダーについた鍵は止まったが、何やら禍々しい雰囲気の小さな神社に着いてしまった。
「何だ、見たことない神社だな…」
禍々しい雰囲気で、朝だからかもしれないが、どうも暗い。朝にしては暗すぎるくらいだ。
でも鍵は神社の中に落ちてる。そう思ってスマホのライトをオンにして鍵を探そうと足を踏み入れようとしたら___突っぱねられた。
どういう事だ?神社の鳥居には別に何も張っていない。しかし、踏み越えようとすると跳ね返されてしまうのだ。
そうすると、一人の老人が神社の向こうから声を掛けてきた。杖をついて、俺達が着てるような華やかさは無いが、着物を身に着けていた。
たくみに生やした髭を撫でながら老人は手招きしている。
「坊主や。正装していかんと、この先には進めんよ。怪しまれて、一瞬にして殺されてしまうよ。」
「こ、殺される?!」
俺は思わず息を呑んだ。ここの神社にはまさか、悪霊などが居て、人間が入って来ないように細工してあるというのだろうか…。
しかし、正装…?自分の格好を見る限り、パーカーにジーンズといかにもバイトまで行くぐらいの格好。何も可笑しくない。でも、あの老人は人間なのに何故鳥居の向こうに?
俺は老人の服を見て思った。「和服」である。
老人は浅い緑の着物を身に着けているでは無いか。
「そうか、大抵お祭りとかでもそうだけど、和服着て神社入るもんな!」
「そうじゃよ(暴論)」
俺が話をすると、老人もそう頷いてくれた。
お互いに理解してしまった結果、俺は自分の鞄に入っていたライブ衣装を神社前の公園トイレの中で着替える。ライブ用の為、俺のカラーである紫で纏められ、蝶の模様が大きく描かれている。普段の着物よりも軽くなっているので着替えもしやすかった。
全く、リハーサルには大遅刻だが家の鍵が無くなるよりかはまし。これくらいは仕方のない事にしておこう…。
「じいさん?これでいいか?」
俺がそう微笑むと、老人は、ゆっくり首を縦に振った。
「美しや…コイツで間違いないようじゃな…」
美しいと俺を褒めてくれたのには嬉しいのだか、コイ…からは聞こえなかった。俺は今日使うつもりだった三味線と頭に被る笠をカッコつけるために持って、鳥居の方へ向かう。あわよくば老人にも俺の弦楽器テクを披露して「和製」の知名度を老人にも広げようと考えた。俺って流石に天才かな?と自画自賛し始める。
老人は、俺が鳥居を越えようとした瞬間、そそくさと足早に奥の方へ去ってしまった。
「あ、待って!『和製』ってバンドのメンバーなんだけど、聞いてほしいんだよね?!じいさーーーん!」
まるで音速をも超えるんじゃないかバリの走りを見せた老人を鍵を拾ってから追いかけようと、足を踏み入れた瞬間。
足場がふわついて風景が変わった。
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