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第二章
3.旅立ち
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春になると、ペネツェラッテ領とその付近の領ではネイ・シツアアビネという紅く綺麗な花が咲くのだが、その種子から取れる油分は美肌効果、疲労回復、魔力回復の効果が認められているので、多くの農家がこの花を栽培し、この領の特産品として世界に売り出している。
芳しいその花の香りを楽しみつつ、僕らは馬車に揺られてペネツェラッテ領の中心都市『グーテン』へ向かう。
隣に座っていた僕の妹、ルルシャが少しだけ残念そうに遠くを見つめる。
「兄さん、行っちゃうんだね…」
「妹よ...僕が戦争に逝くみたいな感じでフラグ立てるよやめようか!」
「兄さんはしぶといから死なずに逃げ帰ってくるだろうね。」
「辛辣ぅ...」
心にダメージを受けた僕は、真っ紅に咲く花畑を見ながら、大丈夫だと言う。
「まあ学院首席入学者が死んだら、その学院も世紀末だってことだから。あの学院長に限ってそんなことは無いだろうけど。」
「そういえば、入学式の打ち合わせだか何とかで、転移魔法で呼ばれてたね。」
そこに父さんが割り込んできて、
「ありゃすげぇよ...紙に通常の50分の1の大きさで転移魔法陣が書かれていたんだもんな...そんなこと出来るやつが学院長なんだから、魔獣の千匹や二千匹なんて余裕で対処できるだろうなぁ...」
住んでいる世界が違う学院長に対して畏怖を覚える父さん。
まあ、あれだけ細かい魔法陣を手紙1枚に刻印してくる輩はそう言われてもしょうがない。
実際は簡単にその魔法陣量産できるんだけどね。
そんな話をしていたら、『グーテン』の街並みが遠くに
見えてくる。
僕は、新しい生活と環境に胸を踊らせるのであった。
街の入口の門を越え、街に馬車が入った瞬間、どっ、と大きな喝采が街を埋め尽くす。
「うぉっっ、な、なんだ一体??!」
驚きのあまり固まっている僕に母さんは言う。
「あらあらー、こうなるのは目に見えていたでしょう?だって貴方は72年ぶりの、貴族出身の学院首席入学者なんだもの~。」
にっこにっこしながら母さんは外に向かって手を振る。
「それにしたってこの騒ぎは、おかしくないか...??」
まるで収穫祭の騒ぎっぷりだ。
「アーク、細かいことは気にするなよ!」
そう笑顔の父さん。
「もうちょっと歓声が大きくても不思議じゃないのに...」
そう呟く妹。
あれか...?これが...貴族なのか...??(違う)
「ほら、兄さん仕事だよ!笑顔で手を振って!」
仕事なのか...
僕は仕方なしに、ある場所に到着するまで手を振り続けたのであった──
僕らは永遠にも感じた大喝采の嵐を抜け、やっとのことで転移門に到着した。
そこにはやはり新入生なのか、数人ばかり僕と同い年の獣人がいた。
父「さあ、アーク。元気でやるんだぞ!」
母「女遊びは程々にしなさいねー」
妹「あ、お土産は兄さんの彼女ね。」
女性陣が意味不明なことを言っているが取り敢えずスルーする。
「父さん母さん、行ってくるよ!」
僕を、愛情持って育ててくれた両親に、そして、どんな時も味方でい続けてくれた妹に──
──一時の別れを告げる
「それじゃあ、行ってきます!」
転移門が光を帯び、術式が展開される。
そうして僕は、学院へと転移されたのだった。
芳しいその花の香りを楽しみつつ、僕らは馬車に揺られてペネツェラッテ領の中心都市『グーテン』へ向かう。
隣に座っていた僕の妹、ルルシャが少しだけ残念そうに遠くを見つめる。
「兄さん、行っちゃうんだね…」
「妹よ...僕が戦争に逝くみたいな感じでフラグ立てるよやめようか!」
「兄さんはしぶといから死なずに逃げ帰ってくるだろうね。」
「辛辣ぅ...」
心にダメージを受けた僕は、真っ紅に咲く花畑を見ながら、大丈夫だと言う。
「まあ学院首席入学者が死んだら、その学院も世紀末だってことだから。あの学院長に限ってそんなことは無いだろうけど。」
「そういえば、入学式の打ち合わせだか何とかで、転移魔法で呼ばれてたね。」
そこに父さんが割り込んできて、
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住んでいる世界が違う学院長に対して畏怖を覚える父さん。
まあ、あれだけ細かい魔法陣を手紙1枚に刻印してくる輩はそう言われてもしょうがない。
実際は簡単にその魔法陣量産できるんだけどね。
そんな話をしていたら、『グーテン』の街並みが遠くに
見えてくる。
僕は、新しい生活と環境に胸を踊らせるのであった。
街の入口の門を越え、街に馬車が入った瞬間、どっ、と大きな喝采が街を埋め尽くす。
「うぉっっ、な、なんだ一体??!」
驚きのあまり固まっている僕に母さんは言う。
「あらあらー、こうなるのは目に見えていたでしょう?だって貴方は72年ぶりの、貴族出身の学院首席入学者なんだもの~。」
にっこにっこしながら母さんは外に向かって手を振る。
「それにしたってこの騒ぎは、おかしくないか...??」
まるで収穫祭の騒ぎっぷりだ。
「アーク、細かいことは気にするなよ!」
そう笑顔の父さん。
「もうちょっと歓声が大きくても不思議じゃないのに...」
そう呟く妹。
あれか...?これが...貴族なのか...??(違う)
「ほら、兄さん仕事だよ!笑顔で手を振って!」
仕事なのか...
僕は仕方なしに、ある場所に到着するまで手を振り続けたのであった──
僕らは永遠にも感じた大喝采の嵐を抜け、やっとのことで転移門に到着した。
そこにはやはり新入生なのか、数人ばかり僕と同い年の獣人がいた。
父「さあ、アーク。元気でやるんだぞ!」
母「女遊びは程々にしなさいねー」
妹「あ、お土産は兄さんの彼女ね。」
女性陣が意味不明なことを言っているが取り敢えずスルーする。
「父さん母さん、行ってくるよ!」
僕を、愛情持って育ててくれた両親に、そして、どんな時も味方でい続けてくれた妹に──
──一時の別れを告げる
「それじゃあ、行ってきます!」
転移門が光を帯び、術式が展開される。
そうして僕は、学院へと転移されたのだった。
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