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第二部
発端 ③
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「勝野」
クラスメートとともに校門を出たところで声がかかった。声の主は藤原だった。彼は校門付近の壁に背を預けて立っていた。
小百合はクラスメートに、少し待つよう言葉をかけてから、藤原のもとに歩み寄っていく。しかし、声をかけられたことを内心うれしく思いながらも、あえて迷惑そうな態度を装った。
「なに?」
「そう構えるなよ」
相手は、壁に寄り掛かったままリラックスした態度を崩さない。
「友だち待たせてるから早くして」
「なあ、話したいことあるから少し時間つくれないか?」
小百合は突然の誘いに一瞬固まってしまう。
「え、今?」
「ああ」
「無理。今日は忙しいから」
小百合は即答したが、本心では誘いに応じたかった。恋人の田島以上にオスを意識させる目の前の男と時間を共有してみたかった。だからこそ、こちらが断りにくくなるくらい、もっと強引に誘ってくれないかと願った。
「田島のことで話があるんだ」
「え!?」
田島の名前が出で驚く。だが、これなら無理に断る理由はないと思った。誘いに応じる口実としては、もっともらしく聞こえた。
「T——駅はわかるよな? 北口のファーストキッチンで待ってるから、時間あったら来いよ」
藤原はそう言い残すと、こちらの回答も聞かずに歩き去っていった。
待たせていた友人に軽く詫びてから、小百合は二人して駅に向かって歩き出した。
「藤原君、何だったの?」
「お茶を誘われたんだけど、もちろん断ったよ」
「もう、小百合ったら、モテすぎなんだからぁ」
友人の言葉を笑って受け流すが、小百合の心はすでに藤原から指定された場所へ向かっていた。
◈
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クラスメートとともに校門を出たところで声がかかった。声の主は藤原だった。彼は校門付近の壁に背を預けて立っていた。
小百合はクラスメートに、少し待つよう言葉をかけてから、藤原のもとに歩み寄っていく。しかし、声をかけられたことを内心うれしく思いながらも、あえて迷惑そうな態度を装った。
「なに?」
「そう構えるなよ」
相手は、壁に寄り掛かったままリラックスした態度を崩さない。
「友だち待たせてるから早くして」
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「え、今?」
「ああ」
「無理。今日は忙しいから」
小百合は即答したが、本心では誘いに応じたかった。恋人の田島以上にオスを意識させる目の前の男と時間を共有してみたかった。だからこそ、こちらが断りにくくなるくらい、もっと強引に誘ってくれないかと願った。
「田島のことで話があるんだ」
「え!?」
田島の名前が出で驚く。だが、これなら無理に断る理由はないと思った。誘いに応じる口実としては、もっともらしく聞こえた。
「T——駅はわかるよな? 北口のファーストキッチンで待ってるから、時間あったら来いよ」
藤原はそう言い残すと、こちらの回答も聞かずに歩き去っていった。
待たせていた友人に軽く詫びてから、小百合は二人して駅に向かって歩き出した。
「藤原君、何だったの?」
「お茶を誘われたんだけど、もちろん断ったよ」
「もう、小百合ったら、モテすぎなんだからぁ」
友人の言葉を笑って受け流すが、小百合の心はすでに藤原から指定された場所へ向かっていた。
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