40 / 59
第三章 復讐の始まり
動き始めた計画
しおりを挟む
「復讐の本命はこの女だ」
〝本田奈央〟の顔写真を指差して恭弥が言い放つと、マコは神妙な顔で大きくうなずいた。
コルクボードの中央には、〝本田奈央〟と〝川崎数馬〟の顔写真が貼り付けられている。どちらも、姉が所有していた中学時代の卒業アルバムから流用したものだ。その二枚の写真を取り囲むように、五センチ四方のポストイットが何枚も貼られていて、そこには姉に危害を加えた人物の名前が書かれている。
「この女には、まずは姉ちゃんの霊に怯えてもらう」
マコが、うんうんとうなずく。
「本格的な復讐はそれからだ」
マコが小さく手を上げて聞く。
「本格的な復讐って?」
「姉ちゃんと同じ地獄を味わってもらう」
マコが一瞬怯えた表情を浮かべたため、恭弥は意識して声をやわらげた。
「本格的に動き出すのは、雅先輩を仲間に引き込んでからだ。そしたら、いっしょに上京しよう」
「うん、そうしよ」
マコからの提案で、来年の四月から東京の専門学校に通う彼女とルームシェアをする予定だ。資金に限りがあるため、ありがたい提案だった。
恭弥は再びコルクボードに視線を移した。
本田奈央(顔写真)
川崎数馬(顔写真)
川崎数馬の仲間1(黄色いポストイット)
川崎数馬の仲間2(黄色いポストイット)
吉野リサ・同級生(黄色いポストイット)
小島・風俗店店長(黄色いポストイット)
片岡・中学の先輩(黄色いポストイット)
雅達也・協力者候補(青いポストイット)
コルクボードのおかげで、全体像が容易に把握できた。
復讐の対象は、協力者候補の〝雅達也〟を除く全員。期限も決めてあった。自分が成人するまでの三年間だ。人は期限を設けると集中力が高まるというが、実際にその通りだった。今は復讐のことしか頭になかった。まずは地元にいる間に、〝本田奈央〟以外の者たちへの復讐を終わらせるつもりだ。
もともとは大学への進学を考えていたが、復讐を優先するために断念した。放任主義の両親はとくに反対もしなかった。「放任主義」というと聞こえはいいが、要は子どもに関心が薄いだけだ。姉が自死した原因もそんなところにあったのかもしれないと思うと、恭弥は両親へ対する憤りを隠せなかった。
「他はおまけみたいなもんだ。凝った演出は必要ない」
「で、誰からやるの?」
「こいつからだ」
恭弥は〝小島・風俗店店長〟と書かれたポストイットを指差した。
彼を最初の標的に選んだのは、自分との関係性がもっとも薄いためだ。一見して何の接点もないため、うまくやれば警察の捜査が及ぶ可能性はかなり低いと判断した。
「方法はこれから考えるけど、マコの力が必要になったら声をかけるよ」
「うん。何でも言ってね」
◈
ポチッと♡、お願いします(^ ^)v
〝本田奈央〟の顔写真を指差して恭弥が言い放つと、マコは神妙な顔で大きくうなずいた。
コルクボードの中央には、〝本田奈央〟と〝川崎数馬〟の顔写真が貼り付けられている。どちらも、姉が所有していた中学時代の卒業アルバムから流用したものだ。その二枚の写真を取り囲むように、五センチ四方のポストイットが何枚も貼られていて、そこには姉に危害を加えた人物の名前が書かれている。
「この女には、まずは姉ちゃんの霊に怯えてもらう」
マコが、うんうんとうなずく。
「本格的な復讐はそれからだ」
マコが小さく手を上げて聞く。
「本格的な復讐って?」
「姉ちゃんと同じ地獄を味わってもらう」
マコが一瞬怯えた表情を浮かべたため、恭弥は意識して声をやわらげた。
「本格的に動き出すのは、雅先輩を仲間に引き込んでからだ。そしたら、いっしょに上京しよう」
「うん、そうしよ」
マコからの提案で、来年の四月から東京の専門学校に通う彼女とルームシェアをする予定だ。資金に限りがあるため、ありがたい提案だった。
恭弥は再びコルクボードに視線を移した。
本田奈央(顔写真)
川崎数馬(顔写真)
川崎数馬の仲間1(黄色いポストイット)
川崎数馬の仲間2(黄色いポストイット)
吉野リサ・同級生(黄色いポストイット)
小島・風俗店店長(黄色いポストイット)
片岡・中学の先輩(黄色いポストイット)
雅達也・協力者候補(青いポストイット)
コルクボードのおかげで、全体像が容易に把握できた。
復讐の対象は、協力者候補の〝雅達也〟を除く全員。期限も決めてあった。自分が成人するまでの三年間だ。人は期限を設けると集中力が高まるというが、実際にその通りだった。今は復讐のことしか頭になかった。まずは地元にいる間に、〝本田奈央〟以外の者たちへの復讐を終わらせるつもりだ。
もともとは大学への進学を考えていたが、復讐を優先するために断念した。放任主義の両親はとくに反対もしなかった。「放任主義」というと聞こえはいいが、要は子どもに関心が薄いだけだ。姉が自死した原因もそんなところにあったのかもしれないと思うと、恭弥は両親へ対する憤りを隠せなかった。
「他はおまけみたいなもんだ。凝った演出は必要ない」
「で、誰からやるの?」
「こいつからだ」
恭弥は〝小島・風俗店店長〟と書かれたポストイットを指差した。
彼を最初の標的に選んだのは、自分との関係性がもっとも薄いためだ。一見して何の接点もないため、うまくやれば警察の捜査が及ぶ可能性はかなり低いと判断した。
「方法はこれから考えるけど、マコの力が必要になったら声をかけるよ」
「うん。何でも言ってね」
◈
ポチッと♡、お願いします(^ ^)v
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
(ほぼ)1分で読める怖い話
涼宮さん
ホラー
ほぼ1分で読める怖い話!
【ホラー・ミステリーでTOP10入りありがとうございます!】
1分で読めないのもあるけどね
主人公はそれぞれ別という設定です
フィクションの話やノンフィクションの話も…。
サクサク読めて楽しい!(矛盾してる)
⚠︎この物語で出てくる場所は実在する場所とは全く関係御座いません
⚠︎他の人の作品と酷似している場合はお知らせください
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる