【呪い系サイコホラー】こはるちゃん、いっしょに。

てっぺーさま

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第三章 復讐の始まり

動き始めた計画

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「復讐の本命はこの女だ」
〝本田奈央〟の顔写真を指差して恭弥が言い放つと、マコは神妙な顔で大きくうなずいた。
 コルクボードの中央には、〝本田奈央〟と〝川崎数馬〟の顔写真が貼り付けられている。どちらも、姉が所有していた中学時代の卒業アルバムから流用したものだ。その二枚の写真を取り囲むように、五センチ四方のポストイットが何枚も貼られていて、そこには姉に危害を加えた人物の名前が書かれている。
「この女には、まずは姉ちゃんの霊に怯えてもらう」
 マコが、うんうんとうなずく。
「本格的な復讐はそれからだ」
 マコが小さく手を上げて聞く。
「本格的な復讐って?」
「姉ちゃんと同じ地獄を味わってもらう」
 マコが一瞬怯えた表情を浮かべたため、恭弥は意識して声をやわらげた。
「本格的に動き出すのは、雅先輩を仲間に引き込んでからだ。そしたら、いっしょに上京しよう」
「うん、そうしよ」
 マコからの提案で、来年の四月から東京の専門学校に通う彼女とルームシェアをする予定だ。資金に限りがあるため、ありがたい提案だった。
 恭弥は再びコルクボードに視線を移した。

 本田奈央(顔写真)
 川崎数馬(顔写真)
 川崎数馬の仲間1(黄色いポストイット)
 川崎数馬の仲間2(黄色いポストイット)
 吉野リサ・同級生(黄色いポストイット)
 小島・風俗店店長(黄色いポストイット)
 片岡・中学の先輩(黄色いポストイット)
 雅達也・協力者候補(青いポストイット)

 コルクボードのおかげで、全体像が容易に把握できた。
 復讐の対象は、協力者候補の〝雅達也〟を除く全員。期限も決めてあった。自分が成人するまでの三年間だ。人は期限を設けると集中力が高まるというが、実際にその通りだった。今は復讐のことしか頭になかった。まずは地元にいる間に、〝本田奈央〟以外の者たちへの復讐を終わらせるつもりだ。
 もともとは大学への進学を考えていたが、復讐を優先するために断念した。放任主義の両親はとくに反対もしなかった。「放任主義」というと聞こえはいいが、要は子どもに関心が薄いだけだ。姉が自死した原因もそんなところにあったのかもしれないと思うと、恭弥は両親へ対する憤りを隠せなかった。
「他はおまけみたいなもんだ。凝った演出は必要ない」
「で、誰からやるの?」
「こいつからだ」
 恭弥は〝小島・風俗店店長〟と書かれたポストイットを指差した。
 彼を最初の標的に選んだのは、自分との関係性がもっとも薄いためだ。一見して何の接点もないため、うまくやれば警察の捜査が及ぶ可能性はかなり低いと判断した。
「方法はこれから考えるけど、マコの力が必要になったら声をかけるよ」
「うん。何でも言ってね」



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