25 / 84
3章 太陽の輝き…
誕生日おめでとう
しおりを挟む
陽葵の誕生日当日。祝日で学校が休みの僕たちは栞の家で、最高に贅沢なお誕生日会を開くことになった。
栞の両親が事前に家政婦さんに話を通してくれたおかげで、厳しい外出禁止令の中でもこの日だけは特別な時間が許された。
「陽葵さん。お誕生日おめでとうございます」
家政婦さんが腕によりをかけて作った、高級レストランのようなメニューがテーブルを彩っている。色鮮やかなオードブルに、香ばしく焼かれたメインディッシュ。
「すごい……! こんな豪華なご飯、初めて見た!」
陽葵が目を輝かせて歓声を上げる。僕もあまりのクオリティに圧倒され、二人のテンションは最高潮に達した。それを見た栞が、少しだけ得意げに、けれど優しく微笑む。
「ふふ、そんなに喜んでもらえるなら、監視役の家政婦さんがいることも、少しはいいことがあったって思えるわね」
食事の間、陽葵と栞はまるで幼い子供のようにイチャイチャしながら、楽しそうに笑い合っていた。あの日、別荘で感じた重苦しい影はどこにもなく、そこにはただの、幸せな女子高生たちの姿があった。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰り際。栞が玄関で小さな包みを陽葵に手渡した。
「陽葵、お誕生日おめでとう。これ、私とお揃いなの」
陽葵がその場で包みを開け、華奢なネックレスを手に取る。自分と栞が色違いだと知ると、彼女は「ありがとう!」と叫んで栞に思い切り抱きついた。栞も少し照れくさそうに、けれど幸せそうに陽葵の背中に手を回していた。
「また明日な!」と僕が別れを切り出すと栞は表情を一瞬強張ったように見えたが、「また…明日ね」と手を振って別れた。
陽葵を家まで送り届ける帰り道、街灯が優しく照らす夜道を二人で歩く。
「……陽葵。あの、別荘での話、覚えてる?」
僕が切り出すと、陽葵は歩みを止め、僕を真っ直ぐに見つめた。
「結婚しよう、って言ったことでしょ? 忘れるわけないよ。……悠真くん、これからも私を守ってくれるんでしょ?」
屈託のない笑顔。その信頼に胸が熱くなった。僕はポケットから小さな箱を取り出し、陽葵に差し出した。
「これ……ペアリング。サイズが分からなかったから、どこかの指に合えばいいんだけど」
僕が慌てて言い訳をするのをよそに、陽葵はそっと右手を差し出した。けれど、が右のどの指にも合わなかった。悠真は思い切って左手の薬指に指輪を滑らせてみた…。
……驚くほど、ぴったりだった。
「あ……」
二人の顔が瞬時に真っ赤になる。
「ごめん、栞の指を参考にしたんだ。……大人になったら、もっと立派なのを買うから」
僕が絞り出すように伝えると、陽葵は自分の左薬指を愛おしそうに見つめてから、僕の首に腕を回した。
「うん。待ってるね、悠真くん」
二度目のキスは、あの日よりもずっと甘く、そして僕たちの絆を確かなものにする誓いのように感じられた。
「今夜はお母さんと二人でお祝いするんだ。お母さん、ケーキ買って待ってるから早く帰ってきてねって!」
家の前で、陽葵は嬉しそうに語り、何度も手を振って玄関へと消えていった。
僕は一人、舞い上がりながら家に向かって歩き出すした。
…すべてが上手くいっている。そう信じて疑わなかった。
栞の両親が事前に家政婦さんに話を通してくれたおかげで、厳しい外出禁止令の中でもこの日だけは特別な時間が許された。
「陽葵さん。お誕生日おめでとうございます」
家政婦さんが腕によりをかけて作った、高級レストランのようなメニューがテーブルを彩っている。色鮮やかなオードブルに、香ばしく焼かれたメインディッシュ。
「すごい……! こんな豪華なご飯、初めて見た!」
陽葵が目を輝かせて歓声を上げる。僕もあまりのクオリティに圧倒され、二人のテンションは最高潮に達した。それを見た栞が、少しだけ得意げに、けれど優しく微笑む。
「ふふ、そんなに喜んでもらえるなら、監視役の家政婦さんがいることも、少しはいいことがあったって思えるわね」
食事の間、陽葵と栞はまるで幼い子供のようにイチャイチャしながら、楽しそうに笑い合っていた。あの日、別荘で感じた重苦しい影はどこにもなく、そこにはただの、幸せな女子高生たちの姿があった。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰り際。栞が玄関で小さな包みを陽葵に手渡した。
「陽葵、お誕生日おめでとう。これ、私とお揃いなの」
陽葵がその場で包みを開け、華奢なネックレスを手に取る。自分と栞が色違いだと知ると、彼女は「ありがとう!」と叫んで栞に思い切り抱きついた。栞も少し照れくさそうに、けれど幸せそうに陽葵の背中に手を回していた。
「また明日な!」と僕が別れを切り出すと栞は表情を一瞬強張ったように見えたが、「また…明日ね」と手を振って別れた。
陽葵を家まで送り届ける帰り道、街灯が優しく照らす夜道を二人で歩く。
「……陽葵。あの、別荘での話、覚えてる?」
僕が切り出すと、陽葵は歩みを止め、僕を真っ直ぐに見つめた。
「結婚しよう、って言ったことでしょ? 忘れるわけないよ。……悠真くん、これからも私を守ってくれるんでしょ?」
屈託のない笑顔。その信頼に胸が熱くなった。僕はポケットから小さな箱を取り出し、陽葵に差し出した。
「これ……ペアリング。サイズが分からなかったから、どこかの指に合えばいいんだけど」
僕が慌てて言い訳をするのをよそに、陽葵はそっと右手を差し出した。けれど、が右のどの指にも合わなかった。悠真は思い切って左手の薬指に指輪を滑らせてみた…。
……驚くほど、ぴったりだった。
「あ……」
二人の顔が瞬時に真っ赤になる。
「ごめん、栞の指を参考にしたんだ。……大人になったら、もっと立派なのを買うから」
僕が絞り出すように伝えると、陽葵は自分の左薬指を愛おしそうに見つめてから、僕の首に腕を回した。
「うん。待ってるね、悠真くん」
二度目のキスは、あの日よりもずっと甘く、そして僕たちの絆を確かなものにする誓いのように感じられた。
「今夜はお母さんと二人でお祝いするんだ。お母さん、ケーキ買って待ってるから早く帰ってきてねって!」
家の前で、陽葵は嬉しそうに語り、何度も手を振って玄関へと消えていった。
僕は一人、舞い上がりながら家に向かって歩き出すした。
…すべてが上手くいっている。そう信じて疑わなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる