極上Dr.の甘美な誘惑―罪深き深愛の果てに-(旧題:sinful relations)

雛瀬智美

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第41話「あなたと生きる道が私の夢」(3)

  大学時代の二年間、家庭教師をしていた。
 好かれることをした記憶は一切ないので、面食らうばかりだ。
 適当に愛想をよくしただけだ。
 態度が悪ければかなり厳しく接したし、
 そのたびに笑ったり泣いたり振り回された。
 天真爛漫と言えば聞こえがいいが、
 要するにお子様だった。
 横尾麻衣香が中学生の頃の記憶を辿っても
 今とそんなに変わらない。
 母親が飲み物とお菓子を持ってくるのを口実に
 部屋へ来ることは頻繁にあった。
『藤城先生、私の所以外にも家庭教師行ってるんだっけ?』
『ああ……』
『性別どっちでも先生はモテそう』
『しょうもないことばっか言ってないで教科書開け」
『はーい。帰りにバレンタインチョコ受け取って』
 受け取ったバレンタインチョコは母親を通じて返した覚えがある。
 中学の頃はたくさんもらった分を家族に分けたりしていたが、
 それ以降は事情が変わり受け取ることはなくなった。
 頻繁に遭遇するようになったのは、思い出したせいなのか。
 横尾麻衣香は目の前にいる。
 俺の患者として診察室を訪れたからだ。
「お大事にしてくださいね」
「……うん」
 横尾麻衣香は、俺に会いに来たわけではない。
 診察をして薬を処方して、それでおしまいだ。
「先生、白衣めっちゃ似合うね」
「……診察は終わりました」
 すげなく告げる。
「次も一か月後な。俺が診るとも限らないのは承知しておけ」
 一気にまくし立ててやる。
 頬を膨らませて肯いた横尾麻衣香と
 次の診察日を予約した。
「主治医が決まってなくて先生が変わるのかー」
 ぶつくさ言われても仕方がないことだ。
「あの頃みたいに頭撫でてくれる?
 体調良くなる気がするの」
 頭を撫でる……。
 去年の夏頃も女性患者にしたことがあるのを思い出す。
(俺はそんなことを過去にもしてたのか!?)
 消毒をする。
 そろりと手を伸ばし頭を撫でたら、目を細めてうっとりした表情になった。
「これでいいか」
「うん。沙矢ちゃんには内緒にしてね」
 看護師が近くにいるのは分かっているが、
 半眼で睨んでしまった。
 マスクをしていても俺だと気づかれたのは、
 髪色のせいだとは思うが、なんとも言えない気持ちにはなった。
(大学時代に髪を染めなくなったからな)
「お大事に」
 手で追い払う仕草は、かろうじて出なかった。
 昼休憩でカフェで食事する時間は、あまりない。
 ひとりで車の中で沙矢の弁当を食べた方が、
 時間のロスにもならず有意義な時間だ。
 だが、運が悪く今日は弁当が休みの日。
 沙矢も弁当を持参せず食堂で食べている。
「最近モテモテですね」
「……いや、単に懐かれているだけですよ」 
 看護師にからかわれたのは初めてだった。
 ある意味、よいことなのか?
 結婚を祝ってもらった時から、同僚との距離は縮まっている。
 俺は椅子の背もたれに白衣をかけて、
 診察室を出た。
 カフェに行くと、わかりやすい場所に横尾麻衣香がいた。
 笑顔でこちらに手を振ってくる。
 カウンターで注文し、席に向かう。
 テーブルに番号札を置いた。
「カフェって患者さんも病院関係者も関係なく利用できるのよね」
 さらっと流し問いかける。
「土曜日より平日の方が
「……今日の講義は午後からなんだな?」
 さらっと流し問いかける。
「土曜日より平日の方が
 先生に診てもらえるチャンスあるかもって思ったの」
 横尾麻衣香は得意げに口にした。
「まるで子供だな」 
 あの頃の記憶を呼び戻して接することにした。
 要するに子供扱いだ。
「しつこくしてごめんなさい。再会できたの嬉しくて」
「……そうか」
 注文したサンドイッチを嬉々として食べる様子は
 無邪気だ。害がなさそうに見える。
 何口か食べ咀嚼した相手は、
 バツが悪そうにもう一度謝罪を口にした。
「沙矢さんにも酷いことしてごめんなさい。
 スーパーで会ったときにも謝らずに嫌な態度取っちゃった」
「彼女は怒ったりしてないよ。
 頭を撫でたと話しても気にしないだろう」
 横尾麻衣香は、声を潜めた。
「先生も好きだし、沙矢ちゃんも好きなのよ。
 二人は超お似合いで私が、割って入る隙はないってのも分かる」
 複雑な気持ちになった。
「大学の頃の俺はどんな風だった? 5年も経って変わっただろ」
 店員が、サンドイッチとコーヒーを持ってきて机の札を持って下がった。
 手を合わせて食べ始める。
「雰囲気はそんなに変わってないよ。
 本質的な何かが違うかな」
 コーヒーカップを傾ける。
「あの頃、なんか苦しそうだったわ。
 今はとっても幸せそうだけどね」
「……週一しか会ってないのによくそこまで分かるな」
「印象的だったから覚えてるだけ。
 プライベートを教えてくれないのは、徹底してたね」
「勉強を教えに行ってただけだから」 
 サンドイッチを貪る。
 食べ終えた相手がこっちを見ているなんて気にせずに。
「あの頃だって大好きって言ってたのに、
 本気にはしてくれなかった」
 ボソッとささやく。
 こんな場所で深く話しこむのでななかった。
 幸い、誰もこちらを気に留めることはないが。
    大好きと伝えられて俺はその時どう返したのだろう。
(恋する意味での好きはあの時も今も
 受け入れられなかったのだが)
「迷惑なことはしないわ。
 沙矢ちゃんとは仲良くなりたい」
 捨て台詞のようにつぶやく。
「伝えといてやる。
 無理せず過ごせよ」
 藤城青と医師、両方で応えた。
 食べ終わり、席を立つ。
 せめて時は落ち着いた気分で食べたかった。

 昼休憩の時間は陽香と食堂で食べお茶を飲んでいた。
 今日はお弁当がお休みの日だ。
「……青さまは家庭教師バイトで懐かれちゃってたのか」
「横浜出身だから地元も一緒なの。私のことを先輩だって。
 悪い子じゃない気がするのよね。
 青は旦那様だから恋してても諦めてもらわなくちゃ」
「もしかしたら憧れのお兄ちゃんを取られちゃった感覚なのかもね」
「そうなのかな。家庭教師してた時は彼女も中学生だったし」
「……青さまがどんな風に家庭教師してたのか気になるわ」
 陽香の意見に想像してしまう。
 私の知らない頃の青。
 家庭教師のバイトと大学以外のプライベートは、
 探ろうとしてはいけない。
「青がさまづけは陽香だけにされたいって」
「人たらしの青さま、さいこー!」
 陽香は、お腹を押さえて笑っている。
 確かに人たらしだとは思う。
「きっと無意識でやってたのよ。
 頭撫でたりくらいは平気でできるはず」 
「何となくイメージできるわ」
 私に接する時とは違い、恋愛の意識ではないのはわかっている。
(甥っ子やその恋人にもするのと同じ感覚……)
「新婚早々、騒がしいわね」
 陽香とお菓子を交換する。
 私は、キャラメル、彼女はアルファベットチョコ。
 口の中に残りそうなものを選択してしまった。
 笑いながら口の放り込み咀嚼する。
 念の為に二人とも歯磨きをした。
 鏡に写った彼女の笑みが気になっていた私は次の発言にきょとんとする。
「推しと好きな人は別だからね」
 今日は正社員になって初めて残業をした。
 一時間の残業を終え帰宅すると、
 二人分の夕食を作る。
 玄関の扉が開く音がして、早足で向かった。
「おかえりなさい!」
 少し強めに抱きついたら、驚いたようだった。
「沙矢……ただいま。お互いお疲れ様だな」
 勢いがあったがしっかりと背中を支えてくれ、
 私を抱きしめ返している。
(怒られたりしたらできないな)
「とりあえずご飯にしましょう」
 夕食を終えると、青は髪をかき上げ息を吐いた。
 こちらを真剣な眼差しで見つめていてドキッとする。
「そんな目は他の人にしないでね」
「するわけないだろ……」
 くすっと笑う。
「今日も美味しい夕食をありがとう」
「ご飯作るの楽しいの。もっと上手になりたいわ」
「愛する存在の作るものがどれだけ癒しをくれるか……」
 夕食を食べ終えた青は、くつろいだ表情をしていた。
 入浴をしベッドに入ったのは22時。
 寄り添いながらピロートークをする時間だ。
「青、今日も何かあったのね」
「あの元教え子が来て俺が診察したんだが……
 いちいち邪険にするのも馬鹿らしいと思った。
 沙矢も気にするだけ疲れるぞ。あれは子供だ」
「麻衣香さんは可愛いわよね。
 実は恋のライバルって感じはしなくて……」
 陽香の想いを聞いた時は、動揺したが
 あの子はまた別だと思った。
「お前は随分と余裕そうだ」
「油断はできないわ。でも彼女はもしかしたら、
 憧れのお兄さんを取られた感覚なのかなって」
「刷り込みというのは恐ろしい。
 俺以外、いくらでも異性はいただろ。
 五年の間、他の相手が気にならなかったんだろうか」
「……なーんにも分かってないのね。
 青は、特別な人なのよ」
(中学生の時に青と出逢ったなんて)
 自分で納得してどや顔をしたが、
 青は次の発言で私を驚かせた。
「沙矢も好きだって言ってた。
 仲良くなりたいんだそうだ」
「……会うことがあったら」
 邪険にする必要がないと言った意味を深く理解した。
 彼を恋い慕うライバルが何人現れても仕方がない。
 近しい位置にいた子だから、
 羨ましくてやきもちをやいてしまった。
「頭撫でろと要求されて答えたが、
 動物を愛でるのと同じ感覚だから心配しなくていい」
 青は、大きな手で私の頭を撫でて頬を摺り寄せた。
 腕の中で目を閉じる。胸元に頭をくっつけた。
(この人は情がある。ちゃんと報告してくれるあたり正直だ。
 あくまで診察時のできごとよ。私が気にすることではないのに)
「うん。青を信じてる」
「沙矢が受診する時に遭遇したら、
 かまってやったらいいんじゃないか」
「上から目線のつもりはないわよ」
「そういうお前が好きだよ」
 深く唇を重ねる。
 脳裏が濁るどころか覚醒させられた。
 シャンプーの匂いを嗅いでいると、
 いつだってドキドキするから添い寝の日も危険だ。
 意識してしまう私はとっくに染められている。
「青、おやすみ!
 妹は何人いてもいいわ。
 パートナーは私なんだもの」
 青にぎゅっとしがみつく。
「……それは当然だ」
 穏やかな眠りに落ちていった。
 
 正社員になってからの方が残業の機会は多くなった気はする。
 仕事で頼りにされていると思えばありがたい。
 青は以前より忙しくなったため、一緒にいられる時間も減った。
 仕事をしていたほうが、気はまぎれるし余計なことを考えずにすむ。
 入籍を急いだ理由も察した。
 青の同僚の斎賀零子さんと話している時も、
 青の話題ばっかりだ。
「たとえ好意を寄せても取り入る隙はなかったのが藤城青。
 プライベートに恋愛はなかった彼が結婚までこぎつけたのは奇跡なのよ。
 天地がひっくり返るかと思ったわ」
「……斎賀先生が迫っても駄目だったんですよね」
 彼女とは電話をする仲になっていた。
 夕食後に青もやりたいことをし、
 私も自分の部屋に戻ることがある。
 その時は寝る前にゲームをしたり
 お互いの自由に過ごす。
 たまには別々で過ごすことも必要だ。
「あら。そんな話を聞いちゃった?」
「何となくのイメージです」
 さっきの発言には実感がこもっていたのだ。
「気にするようなことじゃないわ。
 興味なければそっけないんだもの」
 斎賀先生はけらけらと笑った。
「青は患者さんの頭を撫でたりするんですね……」
「あの子に関してはただの子供扱いね。
 小児科の実習してた頃にも、
 子供の頭を撫でてはときめかせてたのよ。
 本人は無自覚だったけどね」
「やっぱりそうなんだ」
「中々すごいわよね。
 沙矢ちゃん、浮気は心配しなくていいけど、
 無自覚でタラすから気をつけるのよ」
「それは言いすぎです」
「本当よ。赤ちゃんさえタラすの」
 そんな青を想像すると微笑ましくて仕方がない。
 産婦人科医は、女性の病気、出産に関わるお仕事。
 彼がその道を選んだのは天職だったのだ。
「すさまじい才能ですね」
「患者さんひとりひとりに寄りそうタイプで、
 感情移入もする。
 周りもみんなクールとは思ってないでしょうね」
 やはり近くで見ている人の言葉は重みが違う。
「裏話ありがとうございました!
 彼が辛い時に察することができる大人の女性になるのが目標です」
「プライベートは沙矢たんを溺愛することで
 癒されてるでしょうし、気にしなくていいのよ。
 今のままで十分」
「はい」
「おやすみなさい」
「零子さん、おやすみなさい」
 私は陽香、青は零子さん。
 職場で頼れる存在がいる。
 青にとって零子さんは戦友で切っても切り離せない存在なのだろう。
 こっそり青のことを教えてくれる口調には、
 親しみがこもっていた。
 私は携帯電話の電源を切ると青が待つ寝室に向かった。
 コンコン、と扉をノックする。
「青、起きてたら扉を開けてくれる?」
「入っておいで」
 青の柔らかな口調に弱い。
 布団を開けて待っている青の隣にもぐりこんだ。
「今日は別々の部屋で過ごすんじゃなかったのか?」
 ぽん、ぽんと背中を撫でられる。
「優しくて素敵なあなたのそばに行きたくなったの」
 四肢を絡めてしがみつく。
「かわいすぎる」
 頬や首筋にキスが降る。
 自然な仕草でパジャマのボタンが外され、
 キスが落とされていく。
 甘く吸われると痕がつく。
 赤い印がライトの光に照らされていた。
「今日は先に言うわ。大好き」
「愛してるよ」
 髪を撫でる手の動きにうっとりと身をゆだねた。
 








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