上 下
5 / 55
転生直後編

第5話 緑龍

しおりを挟む
第5話 緑龍


始まりは十の龍が世界を統べていた。
そのうち人が生まれ人は十の龍を敬い
十の龍は人々を守るようになった。

しかしある日を境にその平穏は崩れてしまった。

1人の少女が生まれつき顔に小さなアザを持った
育つうちにアザは広がり周りから忌み子と呼ばれ
両親は少女が成人した途端に家から追い出してしまう。

その少女は行く宛てもなく街からただ遠くへ行った。
少女はやがて疲れ果て森の中で倒れてしまう
そこで十の龍の一翼…緑龍と出会った。

緑龍は少女の世話をした。
やがて少女が起き緑龍に助けられたことを悟った。
それからの2人は親友と呼べるまでの仲になるまで
そう長くはかからなかった。

緑龍の背中に乗り空を飛んだり家に居た頃の話をしたり時には森の小動物の怪我を治したりもした。
少女はこの平穏な日々が続くようにと願っていた。
また緑龍もそう思っていた。

ある日、緑龍がこう言った。
ケーキという食べ物を食べてみたいと。
2人の食事はいつも森の中で採れたものばかりだったため人間が住む街へ行かなければならなかった。
少女は二つ返事で街へでかけた。
お金は家から出た時に持ってきて使ってないお金があった。

少女は街の門につき
その時、門番は少女のフードを脱がせ顔のアザに気づいた。
呪い子が来たと言われ連れていかれ
そして…殺された。

少女は知らなかった。
自分が家を出てから数日後に自分の家と両親が火事によって死んだことを
それから呪い子の呪いだと噂が広がり
顔に少しでもアザがある者は一人残らず殺せと…

緑龍は少女を待っていた。
1日…2日…3日と、
少女は2日ばかりで帰ると言っていた。

緑龍はそれでも少女を待った。
4日…5日…6日と、

緑龍は待ちきれずに人化の魔法をかけ街へ向かった。
自分も付いて行けば良かったと緑龍は今更ながら思った。

魔法を駆使しながら街で少女を探す。
そして街の中心の広場の方に向かうと人が群がっているのを見つける。

その視線の先には…緑龍がよく知る
少女の首があった。

見せしめなのだろうか。
少女の首と離された体…兵たちが顔にアザがある者は呪いを運んでくると大きな声で演説している。

緑龍はただただ少女を見つめ絶望に浸った。
そして緑龍は…



次回に続く…







しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

婚約破棄された令嬢は義弟に溺愛される

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:142pt お気に入り:66

転生幼女はお願いしたい~100万年に1人と言われた力で自由気ままな異世界ライフ~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:2,051pt お気に入り:3,688

世界神様、サービスしすぎじゃないですか?

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,393pt お気に入り:2,216

余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:34,264pt お気に入り:29,996

元邪神って本当ですか!? 万能ギルド職員の業務日誌

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,308pt お気に入り:10,926

処理中です...