モブな令嬢は第二皇子の溺愛から逃れたい

エヌ

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おまけの5(変態注意)

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僕には最愛の人がいる。

優しくて、聡明で、それで、



怯えた顔が、この世で一番可愛い女性だ。






「帰ろうとした時、忘れ物に気づいたカミーラは来た道を戻ってもう一度その屋敷へ向かったんだよ。」


あまりに可愛いから、誰かに攫われてしまいそうで、心配で心配で、彼女をこの部屋に閉じ込めて誰の目にも触れないようにした。

そうしたら一時期僕への恐怖心が無くなって好きになってくれた彼女が、また僕に怯え始めて、それが可愛くて可愛くて、彼女がさらに愛おしくて。
涙で濡れた彼女の頬にキスを落としながらたくさん愛して、僕は満たされていた。

「でもその屋敷には先ほどまでの喧騒が嘘のように静かだったんだ。」

だけど半年もすると彼女は適応したのか徐々に僕への恐怖心がなくなって今では普通に接してくれるようになっていた。

目を見ても、キスをするときも、怯えることはない。

それはそれで可愛いんだけど....


「少し不気味に思ったけど、勝手に屋敷に入るわけにもいかないし、仕方なしにその日は帰ることにした。」


今は最愛の人、メーヴルを後ろから抱きしめながら、ベッドの上でとある女性のお話しを聞かせていた。

ぎゅ、と自分を抱きしめている僕の腕を小さな手で掴んでいるのが凄く良い。
とっても可愛い。


ボソボソとメーヴルの耳元で物語を紡ぐ。
その度にビクリ、と反応をするのも可愛い。

あぁ、最高---


「そうしたら村の住民が言ったんだ。お嬢ちゃん、あそこの屋敷は誰も住んじゃいないよ、って」


「ひぃぃぃぃっ!!!」


ホラー話のオチを伝えると、メーヴルはわかりやすく震えて怖がっている。
何がそんなに怖いのかは知らないけど、メーヴルはとにかく怖い話が苦手だった。

「あぁ!メーヴル、怖かったね?お顔見せて?」


未だ弱い力で僕の腕に縋り付くメーヴルの顔を覗きこむ。
目元は潤んで、眉毛は怖さで垂れ下がっている。

「はぁ、もう凄く可愛いね。」

最近はあまり見せてくれなくなった
世界で一番愛してるその表情に堪らずキスを落とす。


「も、やぁ!は、離してぇ...」

「離していいの?」

「や、は、離さないでぇ...」

弱々しい声が部屋に響く。
ギュッと腕に縋りついている手の力が強まった。
あぁ、なんて可愛いんだろう。

また怖い話、仕入れてきてあげるからね。

そんな意味でちゅ、とまたキスを落とすと、伝わったのか恨みがましそうな顔をしながら、体をよじり真正面から抱きついてきた。

「今夜は絶対にどこにも行かないでそばにいて」

たまに夜、仕事をしに抜け出しているのはバレているらしい。

可愛いお願いに破顔して、もちろんだよ、と返事をした。





-------------------------
嫌がるメーヴルを後ろから抱き込んで動きを封じ、無理やり怖い話を聞かせているの図です。



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