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しおりを挟むドレスをどうしようかと悩んでいるところに、ガチャとノックもなしに扉が開かれる音がした。
そちらの方に目を向けると、第二皇子で自分の夫でもある、ルイスだった。
「あ、ルイ.....ど、うしたの?」
入ってきたルイスは普段柔和な微笑みからは想像できないほどごっそりと表情を落としてこちらを見ている。
何かあったのだろうか
まるでーーーーー
思考がある結論に至ると同時に、さぁ、と顔から血の気が引いた。
「....ル、イス...」
まさか、そんな...
「出かけようとしてるんだって?メーヴル。」
ボソリ、と声が聞こえる。
ゆっくりとこちらに近づいてくるルイスに、緊張で体が動かない。
そう、そんな表情は、まるで。
ゲームの中のルイスみたいだと思ったのだ。
「それは許可できないな」
ルイスの大きな手で両頬を包まれる。
ルイスに目線を合わせられると、瞳が恐怖で揺れた。
「ふっ、ふふ。」
途端に恍惚とした表情をしたかと思えば、急に顔を近づけられ、そのまま口付けをされる。
いつの間にか侍女は一人残らず退室していた。
「んっ、ルゥ、ちゅっ、んんんっ」
角度を変えて何度も何度も。
朝の口付けよりも荒々しく、何故かルイスが興奮しているのがわかる。
「っんちゅ、はぁ、メーヴル...」
ようやく口が離れたと思えば、キスで腰が砕けて正常に立てなくなっていた。
腰に手を回したルイスにそのまま横抱きにされ、ベッドへおろされても力が入らずされるがままだった。
「ちゅ、んん、メーヴル。可愛いね、」
そのまま覆い被さられると再度口付けられる。先ほどの表情がなかったのが嘘のように頬を紅潮させ恍惚とした表情でこちらを覗きこむルイスが、すこしどころかだいぶ怖い。
「最近はメーヴルも僕を好きでいてくれて、ちゅ、それはそれで可愛かったけど、ちゅ、ん、はぁ」
いつのまにか手を絡められて物理的にも身動きが取れなくなっている。
目の前のルイスが別人のように思える。
それだけで、幾度となく愛し合った場所であるのに、ここがなんだか違う場所のように感じた。
上でルイスが笑う声が聞こえる。
「はぁ、メーヴル...僕はね、」
そう言ってズイ、と口を私の耳に近づけると、
君の怯えた顔を、瞳を、この世で一番愛してるんだよ。
そう、まるで誰にも聞こえないようにそっと小さな声で囁く。
あとね、とそのまま話を続けられる。
「僕は自分の大切なものが他人の目に触れるのは嫌なんだ」
それは、ゲームで聞いたセリフだった。
「だから、外には出してあげられないよ」
耳から入ってきたその言葉は、まるで鉛のように重く私の体に沈んでいった。
その言葉通り、私がここから出られることはないのだろう。
1ヶ月過ごした、そしてこれから一生を過ごすだろうこの空間が、
急に監獄のように冷えた空間に感じたのだ。
「愛してるよ、メーヴル」
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書ききれなかった補足
・ルイスはヤンデレ、好きな人の怯えた顔が好きな変態属性の他に腹黒属性も兼ね備えているので外堀がばっちり埋まっております。
・自分の監禁願望が露呈したので、この後侍女すらつけなくなります。
・学園時代、密かに自分の未来の夫探しをしていたメーヴルですが夫候補は次々不幸になりました。
どうかお幸せに...
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