残念異能生活日記

紡未夏樹

文字の大きさ
27 / 43
三章

27.ハーフ?の(性格が)残念な能力者が現れた

しおりを挟む
「決闘······?」
部室へ侵入してきた少女が口にした言葉に全員がキョトンとする。
もちろん俺も意味が分からない。
「そうよ! 決闘よ! 聞けば貴方、大勢の能力者を従えてるらしいじゃない」
少女はそう言うと部屋をぐるりと見回した。
いや、さっきも言ったが従ってはないぞ?
「どうやらその話は本当だったみたいね」
まぁ、他と比べたらそりゃ能力者の数は多いだろうな。一ヶ所に四人も集まるなんてそうあることではない。
「少し聞いて良いかしら?」
神流先輩が動く。
「貴女は何者? どうやってここまで来たの? 決闘を申し込む理由は?」
矢継ぎ早に質問をぶつける先輩。
「私は火高ひだかエミリア。一度見たものを複製する能力を持っているわ」
おぉ、良いな、その能力。俺もそういうのが欲しかった。
「ここには真正面から入ったわよ? わりと警備はザルなのね」
堂々としてると逆に疑われないとかいうあれか。もしくは話しかけたら面倒になりそうな雰囲気でもあったか。
「そして決闘の理由だけど、私は自分の能力に誇りを持っているわ。しかし、噂では何人もの能力者を従えた、魔王のようなやつが居ると聞いたの。だから、私の栄光の為に平塚健に決闘を挑んで、勝つわ」
いつの間にか健が魔王扱いされていた。
ってか、良く聞いたら決闘の理由が恐ろしく個人的なんだが、それは良いのか?
「平塚健!」
ビシッと健を指差すエミリア。
「な、なんだ?」
急に話を振られた健は動揺している。
「貴方、これだけの能力者を従えてるということは、さぞかし強力な異能力を持っているのでしょうね?」
「グハァ! そ、そうきたか······」
急所に当たった!
そ、そういう勘違いが起こるのか······噂って恐ろしいな。
健が再起不能なため、俺が応対する。
「あー、別にこいつは能力なんて持っちゃいないぞ? あくまで異能力が好きな一般人だ」
「な······そんなことが······」
エミリアが予想外の事実に愕然としている。
まぁ、仕方ないと言えば仕方ないんだろうな。能力者を従えてる一般人、なんて聞こえが悪いもんな。
まぁ、従えてるという時点で間違いなんだが。
「こ、こうなったら、ここのナンバー2を出しなさい!」
相手は魔王じゃなくて良いのか。
「ほら、誰なの!? 早くしなさい!?」
いや、ナンバー2も何も、副部長すら決めてないんだよな。
「祐希、行くべき」
歩香が俺を出しやがった。
「いや、俺むしろ一番弱くないか!?」
絶対影に潜った方が強いって!
「貴方がナンバー2ね? 良いわ、勝負よ」
「いや、だから何で俺!? 話聞いてた!?」
絶対こいつ早とちりとか多い性格してるだろ。
「そうね、ここは貴方が行くべきね」
神流先輩まで推してきた。
俺に逃げ場はないのか。
「ほら、やっぱり貴方ね。勝負の日程は今週の日曜日、この学校よ」
何か勝手に決められた。けど、
「日曜日はこの学校開いてないぞ? 不法侵入でもするつもりか?」
というか開いてても不法侵入だよな。
「そ、そうなの。······でも土曜日だと······予定を······」
何かブツブツ言っている。
「本当に決闘するんですか?」
「ん、あぁ、やるらしい。俺はもう諦めた。こういうのは断るよりも、さっさと終わらせた方が早いやつだしな」
断るのに時間がものすごいかかったりするしな。
「面白そうだからお姉ちゃん呼んでもいいですか?」
「それは構わないが、日程は決まって──」
「来週の土曜日よ! 来週の土曜日にしましょう! その日なら予定が空いてるわ!」
何やら決まったらしい。
今完全に予定って言ったよな。
「場所は変わらずこの学校よ! じゃあ、来週の土曜日また会いましょう!」
それだけ言うとまたドタドタと走り去って行った。
これはまた面倒なことになりそうだ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

処理中です...