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〜悪魔は潜み、カードは食事〜3日目
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リンリンと鐘の音がする…。
私は、あぁ…悪魔の館に閉じ込められてるんだ。と、確信しながら、上半身だけ起こす。冬菜(ふゆな)はちゃんと学校に行く支度をしてるのか…なんて考えて、いや私よりしっかりしてる冬菜なら、大丈夫か…と呑気に考えてると、コンコンと乾いた音と共に白いメイドさんの声がした。
「鈴(りん)様、起きられましたか?お支度をしますので、こちらにお座り下さい。」
ドレッサーに誘導されながらも、私はまだ慣れなくて緊張しながら白いメイドさん達にされるがままになっている。
「鈴様、今日のお召し物はこちらになっております。」
そう言われて、服を見ると何処かのお嬢様学校の制服みたいな、ワンピースの服に十字架が控え目に入っていて、The清楚!って言ってもいいくらいの服だった。
いや、私としたら別にいいんだよ?!いいんだけど、昨日の大胆な服とのギャップに追いつけないというか、なんだか教会のシスターみたいな服を私が着ていいものか…
「あ、あの…その服、本当に着なきゃダメですか…?
わ、私が着ていいものか…」
恐る恐る聞いてみると、メイドさん達は花が咲いたみたいに微笑むと、「大丈夫です!」なんて言うと、続けて
「主様が、修道服などの教会の方々が着る服をと、仰っていたのでこの服になりました。
他の方もこういった服ですので、ご安心を」
そう言うと、また微笑みながら着させられてメイクも髪も完璧に整えられて、いつの間にか私はドレッサーの前に1人ポツンと呆然と立っていた。
─────小一時間─────
私は、部屋から出て皆を探しに行くと一際目立つ女の人が居た。まぁ、淑(しと)さんだったけどね!
「淑さん!相変わらず似合ってます!
淑さんみたいなシスターなら、浄化されそう…」
私が目をキラキラさせながら言うと、淑さんはクスクスと口元に右手をグーにして笑う。うん、その仕草も上品で似合ってる。
「皆さんは、何処にいるんですかね?探してみませんか?」
そう言えば、淑さんの妹の荊(けい)さんが見当たらない…。まぁ、会う前から2人は別行動してたし不思議な事でもないか。それに、荊さんは敬語を話すけど話しやすくて、私のイメージだとクラスの中の人気者みたいな人だし他の人達と喋ってたり、ご飯を食べてたりするんだと思う。
「いいですね!
あ、忘れてた。鈴宮(すずみや)さんっていう人を紹介したいんだ、皆が集まったら紹介するね。
いい人と言えるのか分かんないけど、私達と協力してくれるみたいだから」
私は昨日の夜の事を思い出して、少し嫌な顔をする。それを見て、淑さんはクスッと笑いながら「陽向(ひなた)さんとは違った意味で嫌な人なんですね」そんな事を言うから、「どういう事だよ~」なんて言い返す。
私達は朝ご飯を終えると、会場から出て私は鈴宮さんを紹介しに鈴宮さんを探していると、急に背中をつつかれて、「ひゃ?!」と後ろを向くと神父姿の鈴宮さんが居た。
「僕を探してるんですよね?
ずっと、僕は貴女の後ろにいましたよ?」
そう言う鈴宮さんは、意地悪そうな顔で微笑むとあいつを少し睨んだ。
「おい!お前の知ってる奴か?」
あいつは嫌な顔をしてそうな声で私に言う。洋仁(ひろと)は、鈴宮さんに「おはよ!鈴、この人誰?」と私の隣で言っている。
「この人は、鈴宮…」
「僕は、鈴宮 海斗(すずみや かいと)18歳。」
私の言葉の上に被せて、鈴宮さんはそう言うとスタスタと部屋に向かって行く。
「ちょ、ちょっと待って!
鈴宮さん、まだ自己紹介終わってない…です。」
私がそう言うと、鈴宮さんの部屋で話す事になった。あいつは、礼儀がなってない!とか不満を言ってたけど、私はお前も礼儀がなってないから!!なんて、心の中で言う。
一通り私達は自己紹介を終えると、鈴宮さんは紙を取り出した。
「僕は、皆さんの事を見ていました。
別に好きで見ていた訳ではありません。ただ、調べているとよく見かけるので、観察させてもらいました。」
鈴宮さんはそう言いながら、図を書き始めて恐らくこの館のマップみたいなのを書いてるんだと思う。
「あと、僕を鈴宮さんと呼ばないでもらっていいですか?
特に、青葉さん。貴女は、僕よりも年齢が上であるのに、さん付けは辞めてもらっていいですか?
せめて君や、呼び捨てで」
鈴宮さ…いや、鈴宮君は私にキッと一瞬睨んで視線を戻すと、これを見てください。と言う。
「……これは、1階の?
なんで、こんなに歪な形をしてるの?」
私は、呟く感じで言うと荊さんもそう思ったらしく、頭を悩ませていた。
「これは、今分かっている部屋全てを書きました。
普通は、歪な形をしてないはずです。ですが、1階と2階の部屋の大きさや広さなど照らし合わせても館の面積が等しくない。」
そう言って、2枚目には2階のマップを重ねると鈴宮君の言う通りだった。
「お前さ、何様なんだよ。年下は年下らしくしろよ」
あいつは、鈴宮君に睨みをきかせて言うと、あいつと鈴宮君は言い争いをしていた。これはアレだ。猿と犬とかのやつだ。
洋仁は、アワアワしていたから「大丈夫だよ」って言っておいた。私は1階のマップを見ながら、料理を作る場所を探した。
ゴーンと鐘の音がして、私達は悪魔の時間が始まるんだ。と、感じながら部屋から出た。
私は、最後に見たマップに可笑しい所がある事に気がついた。
マップを折りたたんで、ポケットに入れた。私達が知らない部屋を鈴宮君は知ってる…。そう感じながら皆の後を追った。
私は、あぁ…悪魔の館に閉じ込められてるんだ。と、確信しながら、上半身だけ起こす。冬菜(ふゆな)はちゃんと学校に行く支度をしてるのか…なんて考えて、いや私よりしっかりしてる冬菜なら、大丈夫か…と呑気に考えてると、コンコンと乾いた音と共に白いメイドさんの声がした。
「鈴(りん)様、起きられましたか?お支度をしますので、こちらにお座り下さい。」
ドレッサーに誘導されながらも、私はまだ慣れなくて緊張しながら白いメイドさん達にされるがままになっている。
「鈴様、今日のお召し物はこちらになっております。」
そう言われて、服を見ると何処かのお嬢様学校の制服みたいな、ワンピースの服に十字架が控え目に入っていて、The清楚!って言ってもいいくらいの服だった。
いや、私としたら別にいいんだよ?!いいんだけど、昨日の大胆な服とのギャップに追いつけないというか、なんだか教会のシスターみたいな服を私が着ていいものか…
「あ、あの…その服、本当に着なきゃダメですか…?
わ、私が着ていいものか…」
恐る恐る聞いてみると、メイドさん達は花が咲いたみたいに微笑むと、「大丈夫です!」なんて言うと、続けて
「主様が、修道服などの教会の方々が着る服をと、仰っていたのでこの服になりました。
他の方もこういった服ですので、ご安心を」
そう言うと、また微笑みながら着させられてメイクも髪も完璧に整えられて、いつの間にか私はドレッサーの前に1人ポツンと呆然と立っていた。
─────小一時間─────
私は、部屋から出て皆を探しに行くと一際目立つ女の人が居た。まぁ、淑(しと)さんだったけどね!
「淑さん!相変わらず似合ってます!
淑さんみたいなシスターなら、浄化されそう…」
私が目をキラキラさせながら言うと、淑さんはクスクスと口元に右手をグーにして笑う。うん、その仕草も上品で似合ってる。
「皆さんは、何処にいるんですかね?探してみませんか?」
そう言えば、淑さんの妹の荊(けい)さんが見当たらない…。まぁ、会う前から2人は別行動してたし不思議な事でもないか。それに、荊さんは敬語を話すけど話しやすくて、私のイメージだとクラスの中の人気者みたいな人だし他の人達と喋ってたり、ご飯を食べてたりするんだと思う。
「いいですね!
あ、忘れてた。鈴宮(すずみや)さんっていう人を紹介したいんだ、皆が集まったら紹介するね。
いい人と言えるのか分かんないけど、私達と協力してくれるみたいだから」
私は昨日の夜の事を思い出して、少し嫌な顔をする。それを見て、淑さんはクスッと笑いながら「陽向(ひなた)さんとは違った意味で嫌な人なんですね」そんな事を言うから、「どういう事だよ~」なんて言い返す。
私達は朝ご飯を終えると、会場から出て私は鈴宮さんを紹介しに鈴宮さんを探していると、急に背中をつつかれて、「ひゃ?!」と後ろを向くと神父姿の鈴宮さんが居た。
「僕を探してるんですよね?
ずっと、僕は貴女の後ろにいましたよ?」
そう言う鈴宮さんは、意地悪そうな顔で微笑むとあいつを少し睨んだ。
「おい!お前の知ってる奴か?」
あいつは嫌な顔をしてそうな声で私に言う。洋仁(ひろと)は、鈴宮さんに「おはよ!鈴、この人誰?」と私の隣で言っている。
「この人は、鈴宮…」
「僕は、鈴宮 海斗(すずみや かいと)18歳。」
私の言葉の上に被せて、鈴宮さんはそう言うとスタスタと部屋に向かって行く。
「ちょ、ちょっと待って!
鈴宮さん、まだ自己紹介終わってない…です。」
私がそう言うと、鈴宮さんの部屋で話す事になった。あいつは、礼儀がなってない!とか不満を言ってたけど、私はお前も礼儀がなってないから!!なんて、心の中で言う。
一通り私達は自己紹介を終えると、鈴宮さんは紙を取り出した。
「僕は、皆さんの事を見ていました。
別に好きで見ていた訳ではありません。ただ、調べているとよく見かけるので、観察させてもらいました。」
鈴宮さんはそう言いながら、図を書き始めて恐らくこの館のマップみたいなのを書いてるんだと思う。
「あと、僕を鈴宮さんと呼ばないでもらっていいですか?
特に、青葉さん。貴女は、僕よりも年齢が上であるのに、さん付けは辞めてもらっていいですか?
せめて君や、呼び捨てで」
鈴宮さ…いや、鈴宮君は私にキッと一瞬睨んで視線を戻すと、これを見てください。と言う。
「……これは、1階の?
なんで、こんなに歪な形をしてるの?」
私は、呟く感じで言うと荊さんもそう思ったらしく、頭を悩ませていた。
「これは、今分かっている部屋全てを書きました。
普通は、歪な形をしてないはずです。ですが、1階と2階の部屋の大きさや広さなど照らし合わせても館の面積が等しくない。」
そう言って、2枚目には2階のマップを重ねると鈴宮君の言う通りだった。
「お前さ、何様なんだよ。年下は年下らしくしろよ」
あいつは、鈴宮君に睨みをきかせて言うと、あいつと鈴宮君は言い争いをしていた。これはアレだ。猿と犬とかのやつだ。
洋仁は、アワアワしていたから「大丈夫だよ」って言っておいた。私は1階のマップを見ながら、料理を作る場所を探した。
ゴーンと鐘の音がして、私達は悪魔の時間が始まるんだ。と、感じながら部屋から出た。
私は、最後に見たマップに可笑しい所がある事に気がついた。
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