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104話 大人の戦い方とは……?
しおりを挟む「サバイバルセットっていうのはあの大きなカバンか?」
凄いです、ナイフやフライパンなどいろいろな場面で使えそうなものがたくさん入ってます。
「レティねえ、どくきのこみつけた!」
パクっと口に入れました………。土ちゃんと落としましたか?…あ、苦そうです。
「ぺっ、ぺっ、つちのあじ……」
スモールウルフ達は追いかけっこして遊んでます。
「うーん?武器の携帯を認めるだけで武器はくれないんだな………」
「ナイフつかいます?」
「いや、私はあの胡散臭い団長みたいに使うの得意ではないからな………あいつ無駄に器用だし」
確かにゆったりした態度とは別に器用そうには見えます。
ふと後ろの木々を見ます。なんだか視線を感じた気がするんですが多分気の所為ですね。
「ふぁぁ………とりあえず動くか」
てくてくと歩いていたら音が聞こえました。
「みず!!」
「おぉ…水じゃん。しかも結構きれいな湖」
3人でごくごくと飲んでるときゃんきゃんウルフ達が吠え始めました。
「どした?…ブフォ、おもしろーい」
ミウ様が凄い笑い方しました!気になって後ろを抜けば男性が横たわっており戯れるようにスモールウルフ達がいます。男性の目凄い嫌そうです。
「どうしてこいつら俺だけ襲うんだ…やめろハゲる」
大福ちゃんが男性の髪の毛を毟ろうとしてます。ミウ様も一緒になって毟りに行ってます……。
「おい?!人間が毟りに行くのかよ…。2歩下がれ、じゃねぇと殴り殺すぞ」
ミウ様は即私の後ろに隠れました。
「……ったく後ろから湖に落とそうとしたんだがなぁ。失敗した」
立ち上がるとどこからか自身と同じくらいの禍々しい大剣を片手に持ち、こう言いました。
「遊ぼうや」
ニヤリとしたと同時に剣を軽く横に振ります。ゼルフォードさんが抱えて飛び上がってくれたおかげで無事でした。ふと後ろを向けばたくさんの木々が倒れてます。
「おいおい……こりゃあ遊ぶってレベルじゃないだろ……。確実にヤりに来てるよな?!」
「あ、わりぃな。武器渡すの忘れてた」
「!!」
薄紫のふわふわ髪に紫の暗い瞳………。どうでもいいやつをみるような、そこら辺の虫を見てるようなそんな目です。
「おい、こいつの愛用鞭用意しろ!ついでにそこの破天荒聖女もどきに使えそうな杖。あと…あー……木剣?」
なんか馬鹿にされた気がします。なんで私だけ木剣なんですか?!かっこいい剣か杖がいいです!そもそも木剣じゃまともに戦えない気がします。
―マスターによるリクエストを受理。
………………成功しました。
丁度私たちの真ん中あたりに武器が落とされました。マスターさんって言うんですね、あの人。
むっ……やっぱり馬鹿にされてます。ミウ様の杖大きなキャンディ型ですし、私のは……装飾がたくさん付いてる所謂お飾り剣です。勿論木製のです。ミウ様嬉しそうです。けどパクっと先端を口に入れ美味しくなかったのか微妙な表情です。
「馬鹿か?ただの杖だ。キャンディのわけねぇだろが」
「けんがよかったです」
「お前には扱えないだろ。武器は繊細だからな、まぁガキはそれでじゅうぶんっておい!破天荒聖女もどき、今、何した?!」
「あたまチリチリしよおもった!」
小さな炎が横から飛んだような気がしましたが……見間違えではなかったようです。距離がありすぎるせいか凄いぶれてましたが、明らかに頭を狙ったようです。
「ハゲるわ、ボケ!」
「あくやくはハゲてるもの………ドンマイ。眼鏡あればもっといい」
「オメェの悪役理想きいてねぇだろが!つーか悪役なら俺くらいナイスガイじゃねぇーとつとまんねぇだろ」
「何処がナイスガイなんだ…………女子供に手をあげるやつは違うと思うぞ…おーよよよ」
泣き真似ですか?お上手です!
「下手すぎる…演技下手すぎるだろ……なんだ、この妙に疲れる組み合わせは」
「つかれたならいえにかえってやすんだほうがいいですよ?」
家に帰ってジュース飲んでお風呂にたっぷり浸かって読書してねんねしましょう!それがいいです!
「どさくさに紛れて戦闘回避しようとしてんじゃねぇぞ、クソガキ。苛つくピンク髪だな」
むっ……何故か私へのあたり強くないですか?!生のお魚さん食べた方がいいかもです、それでお腹でもくだしてくださいね。
「なんか寒気がした…くそ、ルール変更なんぞしなきゃ良かった……精神的ダメージがでかすぎるだろ…」
バチンと大きな音が鳴り驚きながら隣を見るとゼルフォードさんが鞭で何度か地面を叩いてました。
草が抜けて茶色い土見えてます。なんだかえぐれてるようにも見えます。
「ふむ、まさしく愛用の鞭だな。いい音だ」
「…巨大迷路をクリアしただけじゃこの世界から出ることは出来ねぇ。ルール変更したからな」
「ほぅ、ならばどうすればいいんだ?」
「いい質問だ。俺を倒せ、迷路をクリアしろ、3つ目は俺も知らん」
「「「?!」」」
「……しらないんですか?マスターさんなのに」
「いや……俺が参加者になってるのに答えをすべて知ってしまってるなぞ面白くないだろ?ゲームは俺に有利であるくらいが丁度いい」
捻くれてます……。全てを知らずとも何かしらは知っているようです。
「遊ぼうぜ、朽ち果てるまで」
なんだか嫌な予感がします!!そう感じた瞬間ゼルフォードさんが私たちに走るよう促し、手に持つ鞭で大剣を弾き返しました。
………………それ、本当に鞭なんですか?
「子供を狙うとは卑劣じゃないか!それに大人ならもっと違う戦い方があるだろう?まさかだと思うが知らないってことないよなぁ?」
「……………いいだろう。賭けろ」
そう言い、ポケットからトランプを取り出しま……え?トランプですか??
「協力しここからでる手助けをしろ」
「…………強気だな。俺相手にそれを言うとはな。いいだろう、なら俺はお前の心臓を」
「……分かった」
何故心臓が欲しいかは分かりませんが本当にトランプゲーム始めてます。
「お前達は何かあった時のために遠くに行くんだ、出来るな?」
負けた時のことですね?置いて行きたくないです………。
ふとミウ様を見ると小さな虫を見つけて突いてます。ミウ様はまだ小さいですし未来の聖女様という大事な立場です。私が守ります!!
「なぜかレティねえもえてる?だいふくむにむにする?」
大福ちゃんを抱え私に渡します。なかなかに、むにむにでふわふわですね?!なんというか癖になりそうです!
「ミウさま、こっちたんけんしませんか?」
「たんけん!いくー」
…………………ミウ様、探検とか好きそうですね……。ってミウ様!!その杖で木に穴を開けようとしてるんですか?!
「あとちょっとー………えいっ!」
…………………え?その木偽物だったんですか?!杖が貫通したと思ったらそのまま横に動かし木を倒してしまいました。……あれ?触ってみたら柔らかいです。残った切り株のようなものは木の感じがします。ただ穴が空いてます。
中身は空洞で風が吹いてます。くらいですがずーーと奥に続いてるようです。
「たのしそう……」
え……待って下さい!!あ、滑り台くらいの感覚で中に滑り入っちゃいました……。
「どうくつはっけん!レティねぇ!きてきて!」
なんたいうかミウ様の異常な行動力は突拍子もなく来るのでびっくりしますね……。ウルフ達も続くように入って行きます。ひぇ………お、おいてかないで下さい!!
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