本当に私でいいんですか?

泡沫 呉羽

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秘密の部屋

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 シェリアはずっと起きていた。

 セルフィーが寝てるのを確かめ、すっとベットからおり、何かがないかと部屋を音を立てないように探った。

「特になにもないですね、綺麗好きなのか結構片付けられてますが不自然に物が最小限です」

 シェリアは1人呟き、また見落としがないか探していた。

 勿論、扉が開くわけもなく何処か見落としをしてるはずとシェリアは端に置かれている勉強用の机に近づいた。

 そこにおいてあるのはなんのことかは分からないが意外と大事そうな書類の束とペンが入ったペン立て、あとは、数冊の本が並んでいるだけだ。

(普通の机ね。あれ、後ろになにか、ある?)

 机を音を立てないよう慎重にどけ壁を見つめた。

 シェリアは壁をじーと一見ただの壁に見える場所を見つめた。

 穴が空いていることにシェリアは気づく。

(何でしょうか、この穴。小さいですが何となく差し込むタイプの鍵穴に見えます。)

 ざっと針穴くらいの大きさだったがただの穴にはシェリアは見えなかった。

 シェリアはセルフィーがまだ寝ているか確認し、セルフィーの魔法鞄マジックバッグを漁った。

 何故か物騒なものばかり出てきて少しばかりシェリアは引いた。

(これ、でしょか?)

 手に持ってるのは針のようなものだが、先っぽが少し鍵のようになっていた。

 早速壁穴に差しこみ、回すと壁があった場所は左右に広がり人が1人入れるくらいの円形の穴となった。

 どうやら続き部屋があるらしい。

 シェリアは迷わずその中に入ったのだった。

 セルフィーが途中で起きていたことに気づかずに。

 中はいろいろなもので埋っている。

 ある一角は宝石などの装飾品で、ある一角は何かしらの難しい設計図やメモ、そして目を引くのは更に奥の1室だ。

 魔晶石で出来た透明な棺に入って横たわっている何処かセルフィーに似ている青髪の短髪の男性。

 セルフィーからは考えられないような雑な並べ方をしている本や書類の束が近くの机に散らばっている。

「これは、一体……?」

 シェリアは気になり一冊の本を手に取った。

『死者の蘇生と万能薬エリクサーについて』

「この人を蘇らそうとしてる?…でも、息してるように見えますね…」

「かろうじて生きてるだけですよ。半分死んでるようなものです」

 シェリアはばっと振り向く寝起きのせいか髪を結んでおらず色気が若干強いセルフィーが欠伸をしながらこちらを見ていた。

 
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