本当に私でいいんですか?

泡沫 呉羽

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王族の道具

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「なんで隣で寝てるんですか?」

 シェリアはセルフィーと一緒に寝る気はなかったためソファーに毛布を持ってきて包まっていたはずだった。

 朝起きてみると何故かベッドに一緒に寝ているという状態だったのだ。

 セルフィーはうつ伏せのまま目を薄っすらと開けシェリアを見つめた。

「いえ、ソファーだと寝づらいでしょうし、体が痛む可能性もあるのでベットに移したんです。」

「え、一緒に寝てるほうが問題なのでは!?」

「大丈夫ですよ。写真とっておいたのでしようと思えば世間に公開して結婚することも可能です。しかも運良く熟睡してたので寝返りでシェリアから抱きついた構図もありますし。」

「もっと問題ですって!え、待って。写真とったんですか?!消してください!」

「嫌です」

「なんでこうゆうときだけ拒否するんですか!?」

 シェリアは朝から問題発言をするセルフィーに頭痛がした。
 セルフィーは起き上がるとそのまま部屋を出て行った。

「ユキ、セルフィーって変なとこだけ意地悪だよね?」

「キュー!」

「あんまりそんな事言うと心が傷つき、間違ってトマトジュース持ってきますよ?」

「!?」

 すぐに戻ってきたセルフィーはわざとシェリアの嫌いなトマトジュースを持ってくると脅した。

「あ、そう言えば王族があなたを探してましたね。血眼になって。いい気味ですよね。器をとられたんですから」

「器……?」

「あなたのことですよ、シェリア。知らないほうがいいかもですね。悲しいお話しですし、私とて知った時は動揺しました」

「セルフィーが動揺?悲しいお話?」

「知りたいなら教えます。あなたにはその権利があるのですから。でも、王族のその時は近いのです。あまりゆうちょうには待てないのであしからず」

 セルフィーは意味ありげに言いシェリアを困惑させたのであった。

 
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