私。

すみれ

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退学後

夜の街

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「おねぇさーん??大学生??」


いきなり駅前でスーツの男が追いかけ回してくる。
「今バイトしてる??てか社会人?学生??稼げる仕事しない??」
口を揃えてこんなような事言ってくる。その時は『どうせやくざもんに売り飛ばされるだけでしょ、アホくさ』とまで思っていた。



そして待ち合わせしていた高校の同級生。その子は唯一違う部活で仲の良かった子。いつもクラスで一緒にいた。久しぶりに会い、私が学校をやめたことや奨学金を使い込まれていたこと、それと同時に子供の名義で父親が借金を作っていたことなど話のネタはたくさんあった。



そしてそのあと彼女に言われた一言
「ねぇ、もし良かったら一緒にキャバクラで働かない??」



私は自分の思ってる疑問や夜のお店の不審点などを上げたか尽く論破されたのを覚えてる。ここまではっきり答えてくれるなら私も学費を払いたいし、母親にお金を少しでも渡せる尚且つ欲しいものを買ったり余裕もできるかもしれないという期待すら抱いてしまった。



そしてその日から夜の街に染まる。今思えば私の水商売人生、この街で終わらせられてたら今の私はこうなってなかったのかもしれない。



それなりに稼ぎ、支払いなどにも余裕が出来て、欲しいものも買えるようになり私の生活は180度変わった。支払いとは別でお金も貯めてお店の近くにワンルームマンションも借りれた。19で夢の一人暮らしを果たした。



そんな中、今でも忘れない1本の電話。
「最近どう?学校やめたみたいだね。いい生活もしてるみたいだけど、なんか変な仕事やってるの?それと黙って見てるのも限界だから取り乱さないで聞いてね。彼、今もう新しい彼女がいてその子を妊娠させたの.........。知ってるのに黙っててごめんね。」



そしてその子とは後日ファミレスで会うことになった。そして詳しい話を聞いた。彼は私が学生生活で浮かれていたことにイライラしていたらしい。そして同じ職場の子と仲良くなりその子と親しい中になっていった為、こちらは自然消滅のようになったと。



笑うしかなかった。ことの時から全てが狂い始めたと思う。最寄り駅についた私は音が流れないイヤホンを耳につけて雑音を聞きながらぼーっと、半ばフラフラしてたんじゃないかなと思うくらい心ここに在らずという状態だった。



そして掴まれた腕。恐らく私は相手をにらみつけてたと思う。そこには見慣れない格好をしたお兄さんがいた。そして心配そうな顔で



「お姉さん大丈夫?顔色悪いよ!」



私とさほど変わらないくらいの年齢。きっちりセットしてある髪の毛におしゃれな格好。美容師かとも思ったけど発してるオーラはそれとは別のものだった。



男友達でそんな女の子扱いしてくれる人はいないし、女友達だってそんなにいないのに、家族以外のましてはじめて会った人に心配されたのは初めてだった。



そして何故かその顔を見て今まで張りつめてた糸が一気に切れてその場で泣き崩れる。そんなマンガみたいな話が彼との出会いだった。
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