異世界にきた俺はガス欠(魔力切れ)ステータスだった

のだ!

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要塞都市セレーネ攻防編Ⅰ

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「全軍止まれ!」

アンラマンユは、大きな声で指示をだす。

「止まれ!!」
「止まれ!!」

総数1万の大軍は、要塞都市セレーネの3キロ手前で停止した。

「ここから、転移を開始する。転移位置は正確ではないが、4つに編成した各部隊は、東西南北の四方の城門のいずれかの正面に出ることになる」
「おお!」
「そこからは、徹底して城門に魔法攻撃を一斉に仕掛けよ。そうすればいかに策を弄していようとも門を打ち破ることは時間の問題だけである」

神魔国軍の魔導士達は、意気高揚し魔法杖を大きく掲げる。

「その後、まず目指すは要塞都市に仕掛けてあるデバフ魔法の解除。防御陣営を組みつつ、予め通知していた場所に向かい術式を解体せよ」
「はっ!」
「その後は、蹂躙せよ!」
「おおっ! おおっ! おおっ!」
「飛行部隊は、上空より正門を防衛する敵の攻撃に専念し、斥候部隊を支援せよ」
「はっ、閣下」
「では、転移前に盛大な花火といこうではないか」

アンラマンユは両腕を掲げると、詠唱を始める。両腕から巨大な魔法陣が展開され魔法陣は幾重にも重なりあうと、天空に向かって伸びていった。

「滅びよ。隕石召喚メテオストライク

要塞都市セレーネの遥か上空から巨大な隕石が大量に降り注いでいく。

「メテオストライク後、転移を開始する。準備せよ」
「おおっ!!!!」

魔王軍は、隕石が要塞都市セレーネに落ちたのを確認すると転移を開始しはじめる。

----------------------------
要塞都市セレーネ城壁前。

「敵の様子がおかしいな」
「土煙が迫ってこないですにゃ」

俺は、敵の地鳴りの様な音が止んだことに胸騒ぎを覚える。

「なにか策を講じてくるか?」
「圧倒的な武力に物をいわせてくるという訳ではなさそうですね」

クレメントさんは、敵の動向を分析している。

「しかし、まだ3キロ近く距離がある。ここからではまだ攻撃する手段がありませんわね」
「ないことはないのだが、まだ、使用すべき局面ではない」
「閣下、いかがしましょうか?」
「まだ、待機で良い」
「はっ」
「我々の数は圧倒的に不利。下手な先制攻撃は相手の作戦に絡めとられる公算が高い。事前の手筈通りの作戦に変更はない」
「閣下、あれを!!!!」

俺達の遥か上空から突然、巨大な隕石群が落ちてくる。

「いきなり超位魔法か。悪くはない戦法だな」
「ええ、そうですね」

俺とクレメントさんは涼しい顔をしている。これは事前に想定していた範囲であるからだ。

「閣下、退避を!!!」
「それには及ばん。対策済だ」
「はっ!?」
「想定の範囲内ということですわよ。慌てる必要はありません」
「し、しかし」

隕石は要塞都市セレーネに降り注いでいく。なにも知らぬ一般兵士達は、自身の都市の崩壊を予想し身をかがめる。
だが、隕石と建物がぶつかる音や人々の悲鳴は一斉聞こえてこない。

「こ、これは!?」

隕石は確かにセレーネに降り注いできたものの、ぶつかる寸前に大規模転移魔法により別の場所(海)に転移させられていたのであった。

「では、手配通りに偽装煙幕をはるように」
「はっ」

衛兵は城塞内に俺の指示を伝達しに駆け出した。

「で、この後の想定だが・・・各城門に転移してくる公算が高いな」
「恐らくは、今の攻撃は揺動でしょうね」
「この東門のみ、防御を頼むな。といっても、私が各門に転移して戻ってくる数分間だけ持ちこたえておけば良い」
「お任せ下さい」

騎士達が手筈を確認していると、大量の敵軍が目の前に転移してきた。

「神明流気功術! 顕現せよ、我が神剣- 天地乖離剣!」

ザイアスの身体はまばゆい光に覆われ、その右手にも神々しい黄金の神剣が握られる。

「奥義、最後の審判ファイナルジャッジメント!」

神剣からすざまじい光が何百ものレーザー光線となり、敵を一線する。
瞬間、敵軍の部隊の影が縦横に分離され崩れ落ちる

「移動だ! カトリーヌ、クレメント! 瞬間転移を」
「はいにゃー!」

カトリーヌは、3人を北門に移動させる。転移した直後、目の前数メートルに魔王軍が迫りきている。

「ファイナルジャッジメント!」

俺は表情ひとつ変えず、先ほど同じく奥義を発動させる。

「次。転移と同時に魔法防御壁を頼む。二人は俺の後ろに待機だ」
「はいにゃー!」

3人は次に西門に転移する。敵のど真ん中に登場する恰好となる。

「カトリーヌ、頼む」
「アンチマジックウォール! 聖なる光爆発ホーリーエクスプロージョン!」

カトリーヌが叫ぶと、3人の周りにいた敵軍は聖なる爆炎により、瞬時に消失しその周りの者達も爆発により吹き飛ばされる。

「ファイナルジャッジメント!」

俺達の周りに空間ができたのを見計らい、続けざまにザイアスは奥義を発動する。

「残りは南門。今と同様だ」
「はいにゃー!」

南門ではすでに門への攻撃が展開されていた。いくつもの魔法攻撃が俺達に降り注いでくる。
が、俺はジャッジメントにより魔法攻撃を消失させていく。

「アンチマジックウォール)! ホーリーエクスプロージョン!」
「ファイナルジャッジメント! カトリーヌ、東門に転移だ」

わずか数分で、最初の場所にザイアス達は戻ってきた。

俺の初撃により甚大なる損失を招いた敵軍は、激しく動揺していた様子で遠方からの魔法攻撃のみ仕掛けてきており、城門前まで近づいている敵兵はほとんどいなかった。

「撤収だ」
「撤収!!!」

俺達は、素早く広げられた城門に撤収する。

「やりましたにゃー」
「ええ、流石は聖騎士様」
「カトリーヌも落ち着いてよくやったぞ」

俺はカトリーヌの魔力残量表示を確認する。全量の90%といった処だ。

「緒戦は想定通り進んでいる。少し休ませてもらう」

神気を解放した俺は、司令部に用意された椅子に座る。

事前に練った作戦通り進んでいる。しかし油断は出来ない。こちらの魔力は心もとない。

作戦の大筋はこうだ。

魔力の無い俺は武技により敵を殲滅する。カトリーヌは最小限の魔法補助と攻撃で魔力の消失を抑える。
魔神は時止め対策を行う必要があるが、基本的に魔法戦は魔力量という観点で分が悪いため、武技を中心に対応する。
消失する体力の回復のみ魔法でカトリーヌに補ってもらう。回復魔法の方が魔力量の消費が抑えられるしな。

しかし、先制攻撃なみの超位魔法を連発されると、結構やばい。

要塞都市セレーネに仕掛けた魔法術式は、魔石による魔力から充当されるが、もともと魔力の補給源としてはたかだか知れている。
数としてはかき集めてはいるが、あと超位魔法数発分だけしか耐えられない。

「それを超える前に決着が必要かぁ。とんだ、ハンディ戦だな」

少しでも体力を回復させるためにゆっくりと目を閉じて休憩をとるのであった。
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