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48話 大賢者である私はダンジョンの不思議に戸惑うのであったのであった。
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子鬼じゃ。小鬼がおる!
なんて冗談はさておき、怯えるこの子達はリッキーの財布をスろうとした子達だ。
きっと、モンスターの湧きが少ないと聞いて忍び込んだのだろう。
そして私達と同じく、怪しさ大爆発の宝箱を開けようとしたに違いない。
「や!奇遇だね。君たちとは昨日会ったよね」
取り敢えず、怖がらせないように話しかけてみた。
大人としてはこの子達を保護しないとならないだろう。
「ミリー。知り合いかい?」
「リッキーも会ったじゃないの。ま、この場は私に任せてよ」
覚えて無いんだね。リッキー。
皆を見たけど、私に一任してくれるようだ。
「あ!、あの時の!こんなところまで追ってきたのか!」
私達の事を思い出したのだろう。
そして変な勘違いをしておる。
「別に君達からは何も盗られてないからね、わざわざ会いにはこないよ。ここにいるのは……ま、君たちと同じかな」
「なんだよ! 驚かせやがって!じゃあアンタらも戻り方を知ってる訳じゃないんだな」
「ツンケンしない。仲良くしようよ。お互い協力して脱出するしかないんだからさ」
「ま、そうだけどよ……」
「私はミリー。こっちは私のパーティーメンバーだよ。君たちの名前は?」
「……」
二人は名乗らない。警戒しているね。
ふ、みんなのマドンナ、ミリーさんは孤児院で鍛えられてるからね。
この様な捻くれ共の扱いは慣れているさー。
私はポーチから取り出す様に見せかけて、『エルオスの無限バッグ』から携帯食料を2つ取り出す。
「取り敢えず、コレでも食べなよ。お腹空いてるでしょ」
「わぁ、ありがとう。お姉さん」
今まで男の子の後ろに隠れていた女の子が撒き餌にかかった。
「ミリーでいいよ。彼にも渡してあげて。あと喉が乾いているなら水もあるから」
そう言って、水筒も差し出した。
「うん。ありがとう。ミリー。私はミウリ、こっちはワトルーだよ。よろしくね」
「うん、宜しくー」
「ちょ!ミウリ!」
名前をバラされ非難の声を上げるワトルー。
「ワトルー、ミウリを守ってたんだね。カッコよかったゾ!」
ニヤリと笑う私にワトルーは顔を赤くして、そっぽ向いた。
ヌフフ。その反応、わたくし大好物ですよ。
チョロい!爆チョロだぞ、チミタチー!
まあ、ろくな準備もせず忍び込んだから朝ごはんは食べていないようだね。
直ぐに私達に遭遇できて運が良いのだぞ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「ミリーはビフテの孤児院にいたんだ!じゃあ、お姉ちゃんだね」
「で、ウノユは初めてだろ!昨日見かけた時はお上りさん丸出しだったからな!爆笑ー!」
お子様たちとはだいぶ打ち解けた。
イヤ、打ち解け過ぎである。
もうちょっと節度と敬意もって接してくれ給えよ。
リッキーが恥ずかしがっているじゃないか。
「いやー、こんな人の多い所は初めてだよ」
そんな会話をしつつもダンジョンの構造を探っていた。
(オトプレちゃんが)
探り終えたオトプレちゃんが光の精霊の姿で私の前に現れた。
<ワザと姿見せたな>
「光の精霊!」
と反応したのはレトリーでは無くムッツだった。
「何故ムッツ!」
思わず声に出た。
「俺様は博学なんだよ!」
「へー、ス・ゴ・イ・ネ」
などとムッツを誂う。
「この子はオトプレって言うんだよー。よろしくね」
他の皆は驚いている。
「きれい!」と、ミウリは素直に目を輝かせている。
良い子じゃ。
唯一セバっちゃんだけは表情を読み取れない。
いつものことだけどね。
ふぅ、オトプレの事もリリーに報告されてしまうだろう。
また、聖女っぽくなってしまった私。
ま、いいけどね。
例の件が上手くいけば聖女自体が無意味になるのさ。
故に自由。
ふはははは そう、自由の身だ!
『無敵モードの所わるいんだけど報告いいかしら?』
オトプレちゃんが念話で話しかけてきた。
オトプレちゃんの話から、ここはウノユのダンジョンでは無いことを知る。
いえ厳密には何処でもない場所だ。
あり得ない話では無い。
なんせダンジョンに不思議やミラクルはつきものだから。
しかし、そんな事はここにいる皆には伝えられない。
そういった事は何度も経験しているし、ダンジョン経験豊富な私が皆を導くしかないよね。
私は密かに決意するのだった。
「ミリーには光の精霊の加護が在るのですね」
レトリーはしきりに光の精霊っぽいオトプレちゃんを観察している。
「うん、ヒーラーだからね」
『なんなのこの男は!』
ジロジロ見られ、怒るオトプレちゃん。
『我慢してね。不用意に出てくるからだよ(ぷ!ざまぁ!)』
『失敗したわ』
「ミリーは相変わらず凄いなあ!」
「そう?でもリッキーありがと」
「ミリーって、ヒーラーだったのか!ありえねー、意外すぎ!」
ワトルーめ!後でタンスの角に足の小指をぶつけるといい!
「ミリーって凄いんだね。昨日は何処かのお嬢様かと思ってた」
「ミウリ、ありがと!」
ワトルーに比べてミウリのカワユイことよ。
因みに今日の私は流石にロングスカートではなく、冒険者風にロングパンツさ。
多少機動性が落ちるけど、冒険者として違和感がない様にする事も大事なのさ。
「皆様、そろそろ先に進みませんか?」
わちゃわちゃして動こうとしない私達にセバっちゃんが提案してきた。
その提案にミウリの表情が曇るのを私は見逃さなかった。
「そうえば、ワトルーとミウリはこの部屋からは出てないの?」
「ああ、この部屋は明るいけど扉の向こうは真っ暗だし、それに……」
「それに?」
「ミウリが出ない方がいいって言うんだよ。ミウリの勘は絶対なんだ」
「うん、出ないほうがいい気がする。だから誰か来ないかここで待ってたんだ」
ほう、珍しい。この子は『絶対勘』の持ち主か。
絶対勘の持ち主、いや思い出したくない。思考停止っと。
どうやら異次元にいるんで私の転移魔法も使えないんだよねー。
試してみても転移魔法陣が起動しない。
このパターンの場合、ここの主を倒す、又は認められないと
出ることは叶わないんだよね。
「まあ、こんだけ人数もいるし、オトプレちゃんもいるから部屋の外も暗くならないよ。先に進んでみない?」
絶対勘が悪い予感を告げている。
絶対何かが起こる。
よろしい、では大賢者たるこのミリー様がその予感を覆そうじゃありませんか。
ーーーーーーーーーーーーーーー
三時間後。
ミウリの勘は当たった。
私達は一応皆無事だ。
だが、しかし、足が、足が痺れてきた。
このままでは、いずれ脱落者が出るだろう。
私達は今、正座している。
いや、正座させられている。
そして、お説教を食らっている。
もし、脱落者がでれば、お説教はさらに続くだろう。
それは勘弁してほしい。
一から説教のやり直しになったら地獄である。
誰にって?
それは、ここの主、牛男にである。
なんて冗談はさておき、怯えるこの子達はリッキーの財布をスろうとした子達だ。
きっと、モンスターの湧きが少ないと聞いて忍び込んだのだろう。
そして私達と同じく、怪しさ大爆発の宝箱を開けようとしたに違いない。
「や!奇遇だね。君たちとは昨日会ったよね」
取り敢えず、怖がらせないように話しかけてみた。
大人としてはこの子達を保護しないとならないだろう。
「ミリー。知り合いかい?」
「リッキーも会ったじゃないの。ま、この場は私に任せてよ」
覚えて無いんだね。リッキー。
皆を見たけど、私に一任してくれるようだ。
「あ!、あの時の!こんなところまで追ってきたのか!」
私達の事を思い出したのだろう。
そして変な勘違いをしておる。
「別に君達からは何も盗られてないからね、わざわざ会いにはこないよ。ここにいるのは……ま、君たちと同じかな」
「なんだよ! 驚かせやがって!じゃあアンタらも戻り方を知ってる訳じゃないんだな」
「ツンケンしない。仲良くしようよ。お互い協力して脱出するしかないんだからさ」
「ま、そうだけどよ……」
「私はミリー。こっちは私のパーティーメンバーだよ。君たちの名前は?」
「……」
二人は名乗らない。警戒しているね。
ふ、みんなのマドンナ、ミリーさんは孤児院で鍛えられてるからね。
この様な捻くれ共の扱いは慣れているさー。
私はポーチから取り出す様に見せかけて、『エルオスの無限バッグ』から携帯食料を2つ取り出す。
「取り敢えず、コレでも食べなよ。お腹空いてるでしょ」
「わぁ、ありがとう。お姉さん」
今まで男の子の後ろに隠れていた女の子が撒き餌にかかった。
「ミリーでいいよ。彼にも渡してあげて。あと喉が乾いているなら水もあるから」
そう言って、水筒も差し出した。
「うん。ありがとう。ミリー。私はミウリ、こっちはワトルーだよ。よろしくね」
「うん、宜しくー」
「ちょ!ミウリ!」
名前をバラされ非難の声を上げるワトルー。
「ワトルー、ミウリを守ってたんだね。カッコよかったゾ!」
ニヤリと笑う私にワトルーは顔を赤くして、そっぽ向いた。
ヌフフ。その反応、わたくし大好物ですよ。
チョロい!爆チョロだぞ、チミタチー!
まあ、ろくな準備もせず忍び込んだから朝ごはんは食べていないようだね。
直ぐに私達に遭遇できて運が良いのだぞ。
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「ミリーはビフテの孤児院にいたんだ!じゃあ、お姉ちゃんだね」
「で、ウノユは初めてだろ!昨日見かけた時はお上りさん丸出しだったからな!爆笑ー!」
お子様たちとはだいぶ打ち解けた。
イヤ、打ち解け過ぎである。
もうちょっと節度と敬意もって接してくれ給えよ。
リッキーが恥ずかしがっているじゃないか。
「いやー、こんな人の多い所は初めてだよ」
そんな会話をしつつもダンジョンの構造を探っていた。
(オトプレちゃんが)
探り終えたオトプレちゃんが光の精霊の姿で私の前に現れた。
<ワザと姿見せたな>
「光の精霊!」
と反応したのはレトリーでは無くムッツだった。
「何故ムッツ!」
思わず声に出た。
「俺様は博学なんだよ!」
「へー、ス・ゴ・イ・ネ」
などとムッツを誂う。
「この子はオトプレって言うんだよー。よろしくね」
他の皆は驚いている。
「きれい!」と、ミウリは素直に目を輝かせている。
良い子じゃ。
唯一セバっちゃんだけは表情を読み取れない。
いつものことだけどね。
ふぅ、オトプレの事もリリーに報告されてしまうだろう。
また、聖女っぽくなってしまった私。
ま、いいけどね。
例の件が上手くいけば聖女自体が無意味になるのさ。
故に自由。
ふはははは そう、自由の身だ!
『無敵モードの所わるいんだけど報告いいかしら?』
オトプレちゃんが念話で話しかけてきた。
オトプレちゃんの話から、ここはウノユのダンジョンでは無いことを知る。
いえ厳密には何処でもない場所だ。
あり得ない話では無い。
なんせダンジョンに不思議やミラクルはつきものだから。
しかし、そんな事はここにいる皆には伝えられない。
そういった事は何度も経験しているし、ダンジョン経験豊富な私が皆を導くしかないよね。
私は密かに決意するのだった。
「ミリーには光の精霊の加護が在るのですね」
レトリーはしきりに光の精霊っぽいオトプレちゃんを観察している。
「うん、ヒーラーだからね」
『なんなのこの男は!』
ジロジロ見られ、怒るオトプレちゃん。
『我慢してね。不用意に出てくるからだよ(ぷ!ざまぁ!)』
『失敗したわ』
「ミリーは相変わらず凄いなあ!」
「そう?でもリッキーありがと」
「ミリーって、ヒーラーだったのか!ありえねー、意外すぎ!」
ワトルーめ!後でタンスの角に足の小指をぶつけるといい!
「ミリーって凄いんだね。昨日は何処かのお嬢様かと思ってた」
「ミウリ、ありがと!」
ワトルーに比べてミウリのカワユイことよ。
因みに今日の私は流石にロングスカートではなく、冒険者風にロングパンツさ。
多少機動性が落ちるけど、冒険者として違和感がない様にする事も大事なのさ。
「皆様、そろそろ先に進みませんか?」
わちゃわちゃして動こうとしない私達にセバっちゃんが提案してきた。
その提案にミウリの表情が曇るのを私は見逃さなかった。
「そうえば、ワトルーとミウリはこの部屋からは出てないの?」
「ああ、この部屋は明るいけど扉の向こうは真っ暗だし、それに……」
「それに?」
「ミウリが出ない方がいいって言うんだよ。ミウリの勘は絶対なんだ」
「うん、出ないほうがいい気がする。だから誰か来ないかここで待ってたんだ」
ほう、珍しい。この子は『絶対勘』の持ち主か。
絶対勘の持ち主、いや思い出したくない。思考停止っと。
どうやら異次元にいるんで私の転移魔法も使えないんだよねー。
試してみても転移魔法陣が起動しない。
このパターンの場合、ここの主を倒す、又は認められないと
出ることは叶わないんだよね。
「まあ、こんだけ人数もいるし、オトプレちゃんもいるから部屋の外も暗くならないよ。先に進んでみない?」
絶対勘が悪い予感を告げている。
絶対何かが起こる。
よろしい、では大賢者たるこのミリー様がその予感を覆そうじゃありませんか。
ーーーーーーーーーーーーーーー
三時間後。
ミウリの勘は当たった。
私達は一応皆無事だ。
だが、しかし、足が、足が痺れてきた。
このままでは、いずれ脱落者が出るだろう。
私達は今、正座している。
いや、正座させられている。
そして、お説教を食らっている。
もし、脱落者がでれば、お説教はさらに続くだろう。
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