62 / 84
61話 大賢者である私の配属先
しおりを挟む
プレゼは驚いていた。
ミリーが抜けて、さぞかしションボリしたツラを見せられる事になると思っていた。
姉としては無言で酒を差し出すつもりだったのだが、予想に反しリッキーの表情は決意に満ちていた。
<へぇ、男のツラじゃないか>
「行くのかい?」
「うん」
その返事だけで十分だ。
ミリーは何か事情があってパーティーを抜けた。
弟達を巻き込まない為に。
よほど危険なのだろう。
それを知った上で弟は行こうとしている。
「じゃ、私も一時的に現役復帰するか。これでも元Aランク、まだまだ行ける」
「ブレイドさんもすぐ出立するって、皆に緊急招集を掛けた。強制は出来ないからね」
「ブレイドが…そんな事態になってるのか」
多額の予算を投じ、ミリーの動向を監視する為の作られたG様ネット。
実際の所、G様ことミリーはビフテにいることが多かったので、あまり役に立っていなかったがここに来てようやく役に立った。
108名の同志で結成されるG様親衛隊は高ランクの強者揃いだ。
彼らは自発的にG様ネットを活用するので現在G様がウノユに居る事と、ウノユに緊急招集が掛かっている事。
それらが数時間の内に全員に伝えられたのだ。
そしてG様親衛隊の面々は即日ウノユに旅立った。G様を文字通り守るためだ。
冒険者ギルド各支部も冒険者の派遣に全力を上げてた。
ビフテの星メンバーもウノユ行きに反対しなかった
リッキーからスタンピードの話を聞いた上での決断だ。
「ミリーのやつ、深刻が似合う柄かよ!」
「ええ、全くです」
ムッツとレトリーが憤りをあらわにする。
「ミリーは抜けてしまったけど、僕らは僕らで出来ることをする!」
その日、リッキー、ムッツ、レトリー、プレゼはウノユに向けて出発した
===============
私達がウノユに着いた翌日。
ウノユ都市長により緊急事態を発令させたウノユは現在慌ただしい状況真っ只中。
(ダンジョンのある都市は王家直轄につき領主がいない)
セバっちゃんもギルドの取り仕切りでとても忙しそうだ。
まだスタンピードは起こっていない。
そう考えると、案外ウノユのダンジョンのキャパは大きのかもしれないね。
現在市民の都市外への外出は原則禁止。
防壁門もダンジョン側の門は閉じられている。
そんな中、王様一行がウノユに到着した。
アレク王太子の話だと到着は明日のはずだけど
王太子の早馬の知らせを受け、急ぎ駆けてきた様だ。
出迎えたリリー王女や都市長に
「やれやれ老骨には堪えるわい」
と言いながらもこれから起こる事態に胸を高鳴らせているようだった。
ほんっと戦闘バカだね。
「聖女様もいらっしゃるとは心強いですな」
宰相さんもいた。
暇人なのかな?この二人。
私の事ももう完全に聖女扱いだし。
「王よ!緊急事態に付き、急ぎ軍議を」
私の知らない厳つい騎士が王に進言した。
んー、まぁ、一冒険者の私には関係ないか。
「まあ、軍議と指揮は将軍のお主に任せるわ。ワシは前線に出る」
やっぱりこのジジイはそうだろうね。
「承りました。リリー様、都市長お願いします」
将軍さんはそう言って、リリー達と都市長さんを連れて行った。
王様には何を言っても聞かないのを判ってるようだね。
私はさり気なく王様達の側に位置を移し、リリー達青薔薇の戦乙女の面々と、サファたんと団長ペアを見送った。
それはもう誰も気づかない様に、こっそりとさり気なくである。
「お主は行かんのか?」
王様が話しかけてくる。
「私はただのEランク冒険者だしー」
「まだそんな事を言っとるのか?」
「王様に言われなくないよ」
「わっはっは、こりゃ一本取られたワイ」
自分のことを棚に上げておいて、よくも言ったものだ。
その時、悪寒が走った。
私は自然に体をしゃがませ前方に転がった。
「ほう!やりますな」
私のいた所の背後にヤツがいた。
「私の首根っこ何時までも容易く取れると思わないでね」
「逃げのランクBに認定しましょう。しかし詰めが少々お甘い」
ナヌ?
立ち上がった時、脚にロープ巻きつけられている事に気づく。
しまった! いつの間に!
「それはフェイクで御座います」
私が脚のロープに気を取られた一瞬。
その一瞬で私はセバにロープでぐるぐる巻にされていた。
「くそう! 図ったな」
「Bランク程度ではまだまだ私から逃げられませんぞ」
「人さらい反対!王様ここに悪逆非道な人さらいがいますよー!助けてー!」
「はっはっは、何を仰る。以前この移動方法を気に入っていらしたはずですな」(無表情で)
そういってセバは王様に一礼した跡私を担いで歩きだした。
「お主ら、楽しそうじゃのう」
呆れたようにヒゲを撫でながら王様は呟きやがった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「遅れて申し訳ございません」
私はロープでぐるぐる巻にされたまま担がれて会議室に登場。
「おつかれ様セバ。ミリーなんか懐かしい光景ね」
「これが最先端のファッションらしいよ。リリー先輩もどう?」
「私には似合わないわね。それが似合うのは貴女だけよ」
このやり取りを都市長、サファたん、団長、将軍さんは目を点にして見ていた。
例えぐるぐる巻にされていようとも私の美貌は隠しきれないもの。
少々刺激が強かったかしらん。
「相変わらず羨ましい思考をしますな。そのままでいいと言うことでしょうか?」
「いいよー。そちらがこのセクシーさに耐えられるなら」
「はぁ。解いてやって頂戴」
リリー先輩が呆れたようにため息をつきながらセバっちゃんに言った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「ごほん、では改めて」
こうして退屈な会議が始まった。
はぁ、強制参加させられる羽目になった。
現在の戦力は冒険者400(Cのランク以上)
そして都市の衛士100
そして精鋭騎士300だ。
他の都市から増援や冒険者が間に合えば、もっと増えるだろう。
食料に関しては短期決戦になるだろうから都市の備蓄で何とかなりそうだった。
幸い今は季節もよく宿が足りなくても何とかなる。
特に冒険者は野宿慣れしている。
本当は決戦前に英気を養わせてあげたいが、そんな余裕は無いようだ。
私はただ黙って会議の行方を見守っていた。
私から指摘することは何も無い。
魔王に関しては、都市長さんがいるので秘密にした上でスタンピードに関してのみ説明をセバっちゃんとリリー先輩、クーンが行ってくれ、私は聞いているだけで良かった。
楽ちんだね。
「聖女様方に置かれましては、そうですな」
聖女様方ってサファたんと 私の事だよね。
やれやれ、将軍さんにも話してあるのか。
「都市内で治療班を受け持って頂きます」
やっぱぴ。
ま、サファたんは本来ここにいちゃダメだし、それでいいだろうけどね。
「待って、ミリーは私達と一緒に戦って貰いたいわ!」
将軍さんに反対したのはリリー先輩だ。
ま、私の戦闘力知ってるからそうなるわな。
「姫様の意見は尊重したいですが、アレク様より聖女様方に万が一の事が無い様、早馬にて申し使っております故」
将軍さんはそう言って、懐から紙を1枚取り出した。
早馬で伝えられた指示書かな。
リリー先輩はその指示書(仮)を受け取り目を通す。
「確かに、お兄様の字ね」
「お判り頂けたでしょうか?」
「頂ける訳ないじゃない。この子の凄さは回復の凄さじゃない、殲滅力の凄まじさよ!」
むむ、その点に気づいてしまったか!
ま、中級デビルを瞬殺したのを見られてるし、そりゃそうか。
魔王め!
折角の聖女の価値半減作戦が台無しじゃないか。
「私はどちらでもいいよ?」
リリー王女と将軍さんの議論は平行線をたどった。
あまり悠長なことしてられないんだけどね。
こうしてる間にも事は起こるかもしれないのだ。
「あの、ミリー様が討って出られるなら、同じ聖女の私もそうしたいのですが」
サファたんが決定的な一言を言った。
その一言でリリーは折れざるを得なくなった。
こうして私の受け持ちは回復班に決まった。
ミリーが抜けて、さぞかしションボリしたツラを見せられる事になると思っていた。
姉としては無言で酒を差し出すつもりだったのだが、予想に反しリッキーの表情は決意に満ちていた。
<へぇ、男のツラじゃないか>
「行くのかい?」
「うん」
その返事だけで十分だ。
ミリーは何か事情があってパーティーを抜けた。
弟達を巻き込まない為に。
よほど危険なのだろう。
それを知った上で弟は行こうとしている。
「じゃ、私も一時的に現役復帰するか。これでも元Aランク、まだまだ行ける」
「ブレイドさんもすぐ出立するって、皆に緊急招集を掛けた。強制は出来ないからね」
「ブレイドが…そんな事態になってるのか」
多額の予算を投じ、ミリーの動向を監視する為の作られたG様ネット。
実際の所、G様ことミリーはビフテにいることが多かったので、あまり役に立っていなかったがここに来てようやく役に立った。
108名の同志で結成されるG様親衛隊は高ランクの強者揃いだ。
彼らは自発的にG様ネットを活用するので現在G様がウノユに居る事と、ウノユに緊急招集が掛かっている事。
それらが数時間の内に全員に伝えられたのだ。
そしてG様親衛隊の面々は即日ウノユに旅立った。G様を文字通り守るためだ。
冒険者ギルド各支部も冒険者の派遣に全力を上げてた。
ビフテの星メンバーもウノユ行きに反対しなかった
リッキーからスタンピードの話を聞いた上での決断だ。
「ミリーのやつ、深刻が似合う柄かよ!」
「ええ、全くです」
ムッツとレトリーが憤りをあらわにする。
「ミリーは抜けてしまったけど、僕らは僕らで出来ることをする!」
その日、リッキー、ムッツ、レトリー、プレゼはウノユに向けて出発した
===============
私達がウノユに着いた翌日。
ウノユ都市長により緊急事態を発令させたウノユは現在慌ただしい状況真っ只中。
(ダンジョンのある都市は王家直轄につき領主がいない)
セバっちゃんもギルドの取り仕切りでとても忙しそうだ。
まだスタンピードは起こっていない。
そう考えると、案外ウノユのダンジョンのキャパは大きのかもしれないね。
現在市民の都市外への外出は原則禁止。
防壁門もダンジョン側の門は閉じられている。
そんな中、王様一行がウノユに到着した。
アレク王太子の話だと到着は明日のはずだけど
王太子の早馬の知らせを受け、急ぎ駆けてきた様だ。
出迎えたリリー王女や都市長に
「やれやれ老骨には堪えるわい」
と言いながらもこれから起こる事態に胸を高鳴らせているようだった。
ほんっと戦闘バカだね。
「聖女様もいらっしゃるとは心強いですな」
宰相さんもいた。
暇人なのかな?この二人。
私の事ももう完全に聖女扱いだし。
「王よ!緊急事態に付き、急ぎ軍議を」
私の知らない厳つい騎士が王に進言した。
んー、まぁ、一冒険者の私には関係ないか。
「まあ、軍議と指揮は将軍のお主に任せるわ。ワシは前線に出る」
やっぱりこのジジイはそうだろうね。
「承りました。リリー様、都市長お願いします」
将軍さんはそう言って、リリー達と都市長さんを連れて行った。
王様には何を言っても聞かないのを判ってるようだね。
私はさり気なく王様達の側に位置を移し、リリー達青薔薇の戦乙女の面々と、サファたんと団長ペアを見送った。
それはもう誰も気づかない様に、こっそりとさり気なくである。
「お主は行かんのか?」
王様が話しかけてくる。
「私はただのEランク冒険者だしー」
「まだそんな事を言っとるのか?」
「王様に言われなくないよ」
「わっはっは、こりゃ一本取られたワイ」
自分のことを棚に上げておいて、よくも言ったものだ。
その時、悪寒が走った。
私は自然に体をしゃがませ前方に転がった。
「ほう!やりますな」
私のいた所の背後にヤツがいた。
「私の首根っこ何時までも容易く取れると思わないでね」
「逃げのランクBに認定しましょう。しかし詰めが少々お甘い」
ナヌ?
立ち上がった時、脚にロープ巻きつけられている事に気づく。
しまった! いつの間に!
「それはフェイクで御座います」
私が脚のロープに気を取られた一瞬。
その一瞬で私はセバにロープでぐるぐる巻にされていた。
「くそう! 図ったな」
「Bランク程度ではまだまだ私から逃げられませんぞ」
「人さらい反対!王様ここに悪逆非道な人さらいがいますよー!助けてー!」
「はっはっは、何を仰る。以前この移動方法を気に入っていらしたはずですな」(無表情で)
そういってセバは王様に一礼した跡私を担いで歩きだした。
「お主ら、楽しそうじゃのう」
呆れたようにヒゲを撫でながら王様は呟きやがった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「遅れて申し訳ございません」
私はロープでぐるぐる巻にされたまま担がれて会議室に登場。
「おつかれ様セバ。ミリーなんか懐かしい光景ね」
「これが最先端のファッションらしいよ。リリー先輩もどう?」
「私には似合わないわね。それが似合うのは貴女だけよ」
このやり取りを都市長、サファたん、団長、将軍さんは目を点にして見ていた。
例えぐるぐる巻にされていようとも私の美貌は隠しきれないもの。
少々刺激が強かったかしらん。
「相変わらず羨ましい思考をしますな。そのままでいいと言うことでしょうか?」
「いいよー。そちらがこのセクシーさに耐えられるなら」
「はぁ。解いてやって頂戴」
リリー先輩が呆れたようにため息をつきながらセバっちゃんに言った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「ごほん、では改めて」
こうして退屈な会議が始まった。
はぁ、強制参加させられる羽目になった。
現在の戦力は冒険者400(Cのランク以上)
そして都市の衛士100
そして精鋭騎士300だ。
他の都市から増援や冒険者が間に合えば、もっと増えるだろう。
食料に関しては短期決戦になるだろうから都市の備蓄で何とかなりそうだった。
幸い今は季節もよく宿が足りなくても何とかなる。
特に冒険者は野宿慣れしている。
本当は決戦前に英気を養わせてあげたいが、そんな余裕は無いようだ。
私はただ黙って会議の行方を見守っていた。
私から指摘することは何も無い。
魔王に関しては、都市長さんがいるので秘密にした上でスタンピードに関してのみ説明をセバっちゃんとリリー先輩、クーンが行ってくれ、私は聞いているだけで良かった。
楽ちんだね。
「聖女様方に置かれましては、そうですな」
聖女様方ってサファたんと 私の事だよね。
やれやれ、将軍さんにも話してあるのか。
「都市内で治療班を受け持って頂きます」
やっぱぴ。
ま、サファたんは本来ここにいちゃダメだし、それでいいだろうけどね。
「待って、ミリーは私達と一緒に戦って貰いたいわ!」
将軍さんに反対したのはリリー先輩だ。
ま、私の戦闘力知ってるからそうなるわな。
「姫様の意見は尊重したいですが、アレク様より聖女様方に万が一の事が無い様、早馬にて申し使っております故」
将軍さんはそう言って、懐から紙を1枚取り出した。
早馬で伝えられた指示書かな。
リリー先輩はその指示書(仮)を受け取り目を通す。
「確かに、お兄様の字ね」
「お判り頂けたでしょうか?」
「頂ける訳ないじゃない。この子の凄さは回復の凄さじゃない、殲滅力の凄まじさよ!」
むむ、その点に気づいてしまったか!
ま、中級デビルを瞬殺したのを見られてるし、そりゃそうか。
魔王め!
折角の聖女の価値半減作戦が台無しじゃないか。
「私はどちらでもいいよ?」
リリー王女と将軍さんの議論は平行線をたどった。
あまり悠長なことしてられないんだけどね。
こうしてる間にも事は起こるかもしれないのだ。
「あの、ミリー様が討って出られるなら、同じ聖女の私もそうしたいのですが」
サファたんが決定的な一言を言った。
その一言でリリーは折れざるを得なくなった。
こうして私の受け持ちは回復班に決まった。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる