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17話 私とアイリの学園初日
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公爵令嬢シャーロット様との面会は昼食の時間に適った。
と言ってもこの学園は1学年1クラスでなので既に会っている可能性はある。
毎年1クラスは100人程度、今年は少し多めで123名が入学している。
123名いるとはいえ、公爵令嬢を見分けるのは難しくは無いとおもうけど、やはり、引っ込み思案のアイリが自分から話しかける事は無かった様だ。
私はアイリに先程の話を聞かせ、シャーロット様がティータイムに入るのタイミングを見計らってアイリと共に挨拶にでる。
「初めまして、アイリス・ユニスリーと申します」
「タイミングがいいわね。エマから聞いてるわ。私はシャーロット・ラーゼフォンよ宜しくね」
予想外だった。
私の予想では既に取り巻きがいるだろうと思っていた。
しかし、シャーロット様はお付きのエマ譲と2人でいるだけだった。
アイリと会うために敢えて人払いしているのだろうか?
私の疑問を見抜いていたのかシャーロット様側から話し出す。
「アイリと呼んでいいかしら。私の事はシャルと呼んでくれると嬉しいわ」
「はいアイリって呼んで下さい。シャルさん」
アイリは素直である。
そんなアイリが可愛い。
「同級生よ『さん』はいらないわ。対等でお願い」
「えーっと、シャル宜しくね」
「アイリ宜しく。嬉しいわ。ふふ、お付きの方、疑問に思ったでしょ。私って取り巻き作るの嫌なのよ。少し前まで友達だと思っていた娘達の態度が急によそよそしく変わって、私を上に扱うのよ。立場が変わったのはわかるけど。私はせめて学園にいる間は対等の立場で付き合いたい」
なるほど、多感な少女時代に急に王太子との婚約が決まり、対等に話し合える友達がいなくなって寂しくなってしまった。
そこに今まで親交がないユニスリー令嬢が挨拶に来た。
というところか。
私は恭しく一礼をした。
「ところでアイリ。すごく気になっているのだけど、いいかしら?」
「えっと、何でしょう?」
「貴女のお付きの方、エマが名のある家の者ではないかと言ってね。よかったら教えてもらえない?」
「えーと、お付きの者というか、私のお姉様です。って、話しちゃダメだった?」
口を手で隠し、私を見るアイリ。
<可愛い!可愛いすぎる!アイリ最高!>
この世界に写真があったなら、連写しているだろう。
残念ながらその様な便利なものは、魔道具にも無かった。
せめてマイメモリーにしっかりと焼き付けておこう。
ちなみに私はアイリのベストシーンアルバムを頭の中に作ってあり、0.1秒で完璧に思い浮かべることができる。
たまに絵に直して、秘密のアルバムに秘蔵する。
そのために、写実デッサンはもう完全に習得し、写真と同レベルの絵を私は描ける様なっている。
写真が無い以上こうする以外ないのだ。
それにしてもアイリは素直だ。
お姉ちゃんもう感動!
できれば黙っているつもりだったけど、アイリが可愛すぎるからお姉ちゃん許しちゃう!!
にっこり笑ってアイリを安心させる。
シャーロット様は目が点だ。
私はメイド服のままカーテシーをする。
周囲の目をひいてしまうが致し方ない。
「リリエナスタ・ユニスリーと申します。名乗らなかったご無礼をお許し下さい。メイドとしてこの学園に来ておりましたので無用なご配慮を頂かない様にしておりました」
「無礼だなんて思って無いから気になさらないで。寮長からユニスリー家のお付きの者は変わってるからって言われていたけど、なるほどね」
「お姉様は変わり者ではないですよ?」
「そう? 10才で高等位まで修了した才女。その後辺境伯領にとどまって、この学園からの誘いも断ったと聞いているけど。アイリの家庭教師をしていたのでしょう?」
「はい、お姉様にお勉強は教わりました」
「十分変わっていると思うけど」
私は、ルーミラお姉様がなんと周囲に伝えたのか気になったので聞いてみる。
「ルーミラ様は他に何かおっしゃっていましたか?」
「貴女を敵に回さないように言われているわ」
「敵だなんて、お姉様はとっても優しいです」
「そのようね(アイリを敵にしなければだけどね)」
「できれば皆様と友好的にやって行きたいですわ」
「アイリとはもう友達だから。リリーさんとも仲良く行きましょう。ユニスリー家と仲良くするのは王家のためでもありますし」
「こちらこそ宜しくお願いしますね」
流石に公爵令嬢様。
ただ友情が欲しいだけでなく公爵家、王家の為になる事も考えているわね。
私としてはアイリと対等に接してくれるなら問題ない。
「ただリリーさんが心配しているようなことは無いでしょうね。貴女がたのお兄様が大人気ですから」
「お兄様、すごくモテてて驚きました」
「あら、ユニスリー領にいた頃はモテなかったの?」
あ、ダン兄様が重度のシスコンとバレるとマズイな。
一気に周囲を敵にしかねない。
兄様がシスコンで変態なのは せめてアイリが学園を卒業し、聖女になるまでは隠しておかなければならない。
そのためには、兄様にも釘を刺さねばならないだろう。
場合によっては以前の様に妹分の補給もしてあげる必要があるかもしれない。
しかも、それを周囲に知られてはいけない。
難易度が高いミッションかつ途轍もない苦行となるだろう。
しかしこれもアイリの為。お姉ちゃん頑張るわ!
兎も角、今は話に割って入る。
「お兄様が騎士養成学校に入ったのが8年前、その後は実家に帰って来ることがありませんでしたから私達もお兄様に会ったのは実に8年ぶりでした」
「そうですのね。それはそうと、アイリは何が得意なの?」
お兄様の話はその一言で終わった。
まあ興味は無いのだろう。
「私はお歌です」
「あら、私もよ!」
「シャルも? 嬉しいです」
「といっても私の場合はこの学園に来たのは泊付けですけどね。でもこの学園、何か課外活動しないとならないでしょう?だから一緒に歌わない?」
「うん、一緒にお歌うたいましょう」
こうしてシャーロット様とアイリは無事仲良くなった。
まずは一安心である。
ーーーーーーーーーーーーーーー
放課後。
シャーロット様とエマ嬢、アイリと私は学園内の聖堂に来ていた。
パイプオルガンがあるからである。
使用許可はエマ嬢が取ってくれていた。
流石、お付きに選ばれている事はあり有能だ。
ちなみにこんな事もあろうかと私はパイプオルガンを演奏できる。
アイリが歌の道に進むなら、
私はありとあらゆる楽器をマスターするのはお姉ちゃんとして当然の事だから。
二人が歌ったのは賛美歌。
私は二人が歌うのを聞いた瞬間、ある閃きがあった。
<これはイケる!>
それを実現させるためには まずは本人達をその気にさせなければならない。
「アイリ、貴女凄いよ!」
シャーロット様は人目の無い4人きりになった途端に砕けた口調になっている。
「シャルもすごかったよ!」
アイリも打ち解けてきて、硬さが無くなってきている。
見れば エマ嬢は感動のあまり泣いていた。
「リリー、貴女、何でもできるのね」
ちなみに私のことは「さん」をつけない様お願いした。
目立つのを避けるためである。
「お姉様は何でも弾けるよ」
「何でもではないわ。嗜み程度にいくつかの楽器は使えるだけよ」
私も、4人の時は親しい口調にした。
シャーロット様、いえシャルがそれを望んでいるから。
思い切って先程の閃きを提案してみる。
「とても嗜みで済むレベルではないと思うけど」
「ふふふ。ありがとう。ところで私から提案があるのだけどいいかしら?」
「提案?何?」
「何? お姉様」
「先程、一緒に歌うと約束してたでしょう? いっそ、完全にペアを組んで2人だけで色々な歌を歌ったって踊ったら楽しくないかしら?」
「お姉様! それ楽しそう!」
途端にアイリは目を輝かせた。
シャルは鳩が豆鉄砲食らったような表情をしていたが、やがて目が輝き出した。
「た、楽しそうね。それ!」
そう! この世界には歌姫はいても かつての世界の様な歌って踊るアイドルはいない。
私の閃きとは、アイリ1人のアイドルデビュー計画をユニットでデビューさせること。
1人より2人のほうが人気が出るだろう。
貴族界の抵抗があるだろうけどお姉ちゃんやり遂げるわ。
===============
「ミッチェル先輩」
「ルコー皆まで言わなくてもいいっスよ」
「はぁ、何か思いついちゃったみたいね」
「ルコーもキャペンも今の内に英気を養っておくっス」
「らじゃー」「はーい。」
3人の天使達はリリーの頭の上や肩の上でデベーと寝転がりながら、忙しくなる前の平和なひと時をまったりと過ごすのだった。
と言ってもこの学園は1学年1クラスでなので既に会っている可能性はある。
毎年1クラスは100人程度、今年は少し多めで123名が入学している。
123名いるとはいえ、公爵令嬢を見分けるのは難しくは無いとおもうけど、やはり、引っ込み思案のアイリが自分から話しかける事は無かった様だ。
私はアイリに先程の話を聞かせ、シャーロット様がティータイムに入るのタイミングを見計らってアイリと共に挨拶にでる。
「初めまして、アイリス・ユニスリーと申します」
「タイミングがいいわね。エマから聞いてるわ。私はシャーロット・ラーゼフォンよ宜しくね」
予想外だった。
私の予想では既に取り巻きがいるだろうと思っていた。
しかし、シャーロット様はお付きのエマ譲と2人でいるだけだった。
アイリと会うために敢えて人払いしているのだろうか?
私の疑問を見抜いていたのかシャーロット様側から話し出す。
「アイリと呼んでいいかしら。私の事はシャルと呼んでくれると嬉しいわ」
「はいアイリって呼んで下さい。シャルさん」
アイリは素直である。
そんなアイリが可愛い。
「同級生よ『さん』はいらないわ。対等でお願い」
「えーっと、シャル宜しくね」
「アイリ宜しく。嬉しいわ。ふふ、お付きの方、疑問に思ったでしょ。私って取り巻き作るの嫌なのよ。少し前まで友達だと思っていた娘達の態度が急によそよそしく変わって、私を上に扱うのよ。立場が変わったのはわかるけど。私はせめて学園にいる間は対等の立場で付き合いたい」
なるほど、多感な少女時代に急に王太子との婚約が決まり、対等に話し合える友達がいなくなって寂しくなってしまった。
そこに今まで親交がないユニスリー令嬢が挨拶に来た。
というところか。
私は恭しく一礼をした。
「ところでアイリ。すごく気になっているのだけど、いいかしら?」
「えっと、何でしょう?」
「貴女のお付きの方、エマが名のある家の者ではないかと言ってね。よかったら教えてもらえない?」
「えーと、お付きの者というか、私のお姉様です。って、話しちゃダメだった?」
口を手で隠し、私を見るアイリ。
<可愛い!可愛いすぎる!アイリ最高!>
この世界に写真があったなら、連写しているだろう。
残念ながらその様な便利なものは、魔道具にも無かった。
せめてマイメモリーにしっかりと焼き付けておこう。
ちなみに私はアイリのベストシーンアルバムを頭の中に作ってあり、0.1秒で完璧に思い浮かべることができる。
たまに絵に直して、秘密のアルバムに秘蔵する。
そのために、写実デッサンはもう完全に習得し、写真と同レベルの絵を私は描ける様なっている。
写真が無い以上こうする以外ないのだ。
それにしてもアイリは素直だ。
お姉ちゃんもう感動!
できれば黙っているつもりだったけど、アイリが可愛すぎるからお姉ちゃん許しちゃう!!
にっこり笑ってアイリを安心させる。
シャーロット様は目が点だ。
私はメイド服のままカーテシーをする。
周囲の目をひいてしまうが致し方ない。
「リリエナスタ・ユニスリーと申します。名乗らなかったご無礼をお許し下さい。メイドとしてこの学園に来ておりましたので無用なご配慮を頂かない様にしておりました」
「無礼だなんて思って無いから気になさらないで。寮長からユニスリー家のお付きの者は変わってるからって言われていたけど、なるほどね」
「お姉様は変わり者ではないですよ?」
「そう? 10才で高等位まで修了した才女。その後辺境伯領にとどまって、この学園からの誘いも断ったと聞いているけど。アイリの家庭教師をしていたのでしょう?」
「はい、お姉様にお勉強は教わりました」
「十分変わっていると思うけど」
私は、ルーミラお姉様がなんと周囲に伝えたのか気になったので聞いてみる。
「ルーミラ様は他に何かおっしゃっていましたか?」
「貴女を敵に回さないように言われているわ」
「敵だなんて、お姉様はとっても優しいです」
「そのようね(アイリを敵にしなければだけどね)」
「できれば皆様と友好的にやって行きたいですわ」
「アイリとはもう友達だから。リリーさんとも仲良く行きましょう。ユニスリー家と仲良くするのは王家のためでもありますし」
「こちらこそ宜しくお願いしますね」
流石に公爵令嬢様。
ただ友情が欲しいだけでなく公爵家、王家の為になる事も考えているわね。
私としてはアイリと対等に接してくれるなら問題ない。
「ただリリーさんが心配しているようなことは無いでしょうね。貴女がたのお兄様が大人気ですから」
「お兄様、すごくモテてて驚きました」
「あら、ユニスリー領にいた頃はモテなかったの?」
あ、ダン兄様が重度のシスコンとバレるとマズイな。
一気に周囲を敵にしかねない。
兄様がシスコンで変態なのは せめてアイリが学園を卒業し、聖女になるまでは隠しておかなければならない。
そのためには、兄様にも釘を刺さねばならないだろう。
場合によっては以前の様に妹分の補給もしてあげる必要があるかもしれない。
しかも、それを周囲に知られてはいけない。
難易度が高いミッションかつ途轍もない苦行となるだろう。
しかしこれもアイリの為。お姉ちゃん頑張るわ!
兎も角、今は話に割って入る。
「お兄様が騎士養成学校に入ったのが8年前、その後は実家に帰って来ることがありませんでしたから私達もお兄様に会ったのは実に8年ぶりでした」
「そうですのね。それはそうと、アイリは何が得意なの?」
お兄様の話はその一言で終わった。
まあ興味は無いのだろう。
「私はお歌です」
「あら、私もよ!」
「シャルも? 嬉しいです」
「といっても私の場合はこの学園に来たのは泊付けですけどね。でもこの学園、何か課外活動しないとならないでしょう?だから一緒に歌わない?」
「うん、一緒にお歌うたいましょう」
こうしてシャーロット様とアイリは無事仲良くなった。
まずは一安心である。
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放課後。
シャーロット様とエマ嬢、アイリと私は学園内の聖堂に来ていた。
パイプオルガンがあるからである。
使用許可はエマ嬢が取ってくれていた。
流石、お付きに選ばれている事はあり有能だ。
ちなみにこんな事もあろうかと私はパイプオルガンを演奏できる。
アイリが歌の道に進むなら、
私はありとあらゆる楽器をマスターするのはお姉ちゃんとして当然の事だから。
二人が歌ったのは賛美歌。
私は二人が歌うのを聞いた瞬間、ある閃きがあった。
<これはイケる!>
それを実現させるためには まずは本人達をその気にさせなければならない。
「アイリ、貴女凄いよ!」
シャーロット様は人目の無い4人きりになった途端に砕けた口調になっている。
「シャルもすごかったよ!」
アイリも打ち解けてきて、硬さが無くなってきている。
見れば エマ嬢は感動のあまり泣いていた。
「リリー、貴女、何でもできるのね」
ちなみに私のことは「さん」をつけない様お願いした。
目立つのを避けるためである。
「お姉様は何でも弾けるよ」
「何でもではないわ。嗜み程度にいくつかの楽器は使えるだけよ」
私も、4人の時は親しい口調にした。
シャーロット様、いえシャルがそれを望んでいるから。
思い切って先程の閃きを提案してみる。
「とても嗜みで済むレベルではないと思うけど」
「ふふふ。ありがとう。ところで私から提案があるのだけどいいかしら?」
「提案?何?」
「何? お姉様」
「先程、一緒に歌うと約束してたでしょう? いっそ、完全にペアを組んで2人だけで色々な歌を歌ったって踊ったら楽しくないかしら?」
「お姉様! それ楽しそう!」
途端にアイリは目を輝かせた。
シャルは鳩が豆鉄砲食らったような表情をしていたが、やがて目が輝き出した。
「た、楽しそうね。それ!」
そう! この世界には歌姫はいても かつての世界の様な歌って踊るアイドルはいない。
私の閃きとは、アイリ1人のアイドルデビュー計画をユニットでデビューさせること。
1人より2人のほうが人気が出るだろう。
貴族界の抵抗があるだろうけどお姉ちゃんやり遂げるわ。
===============
「ミッチェル先輩」
「ルコー皆まで言わなくてもいいっスよ」
「はぁ、何か思いついちゃったみたいね」
「ルコーもキャペンも今の内に英気を養っておくっス」
「らじゃー」「はーい。」
3人の天使達はリリーの頭の上や肩の上でデベーと寝転がりながら、忙しくなる前の平和なひと時をまったりと過ごすのだった。
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