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桜(さくら)
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この季節の頃にはいつも綺麗な桜が咲いていた。僕はどうしても桜を見てもなんの感情も抱かなかった。大勢の人は桜が綺麗だのと言う。だが、僕にはただのお花にしか見えなかった。その頃僕の心がには大きな穴が空いていて、もう毎日が辛くてしょうがなかった。何か訴えたがっていた僕の心はだが、誰にも言わずに息苦しさに耐えてきた。木の枝のようにすぐ折れてしまう心を抱えている自分と桜を見ると羨ましくてたまらなかった。今では桜がとても好きになった。多分桜がなかったとしたら、俺たちは会うことができなかっただろう。だから感謝しているのだ。あの時僕たちがあったのは偶然に過ぎてた。今もその日のことを鮮明に覚えている。4月の8日の午後3時頃だっただろうか。一人の美しい女性が桜の木の下でカメラを構えていた。僕は自転車を乗って彼女の姿を見た。ここで彼女に話しかけるべきだとは思ったが、彼の性格上到底起こせない行動であった。彼は自転車を乗って遠回りして彼女に話しをかけるつもりでいたのだ。自転車に降りて歩いて彼女のところに行ったが、もうすでにその場から離れて行った。彼は周りを見たが、どこにも彼女の姿は見当たらなかった。彼はものすごく落ち込んだ。「あー。縁がないのか。」と彼は口にぼろっとだした。もう彼には慣れていたのだ。彼が運命だと思った人は彼から遠ざかって行ったからだ。でも彼はまだ知っていなかった。彼女は他の人は違う真の運命であったことを。彼は家に帰りずっとぼうっとしていた。彼女の姿を思い出しながら歌を歌っていた。
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