上 下
38 / 186

王都からの旅立ち

しおりを挟む
エルビオン前国王のイザベル乗っ取り計画を阻止して数日後、私は王都を発つことにした。ラケシスさんによるとこの王都に髪の毛を回収していない転生者はもうおらず、ここに留まっていても成果は余り見込めないとのことなので、別の街に移動することにしたのだ。

ということで

「お世話になりました。」

「もう行っちまうのかい?気をつけるんだよ。」

まず始めに2週間ほどお世話になった宿屋の女将さんに挨拶をして宿を引き払い

「なんだ小娘、王都を発つというのか。ふん、精々道中山賊に襲われないよう気をつけるのだな。」

「望結様、お気をつけて。三女神の加護があらんことを。」

「ありがとうございます。」

次に迷惑を掛けてしまったアウディベル子爵とスベルニールさんに挨拶。
子爵、言葉はとげとげしいですがいい人オーラ隠せていませんよ。

最後に私はケラノスさんに別れを告げるために、王様から教えて貰った駐在所に行った。運良くケラノスさんはそこにいたので、王都から発ち、旅に出ることを伝えると

「そっかー寂しくなるな。あ、旅に出るんだったらこれ持ってけ」

そういって方位磁針と四つ折りにされた大きな茶色い紙をくれた。広げてみると

「これは・・・方位磁針と・・・地図ですか?」

「おう、それは何処にでも売ってる東大陸の地図だ。そんでそっちの方位磁針は俺のお下がりだが、問題なく使えるはずだ。良かったら貰ってくれ。」

「あ、ありがとうございます!」

これはありがたい!これがあれば旅も大分楽に進められるはずだ!私はケラノスさんにお礼を言って王都の門をくぐった。

・・・・・

・・・

さて、少し寂しい気もするけど行かないと。私は王都の門から少し離れたところで地図を開いた。

地図を見てみると、王都イザベラから東に60キロのあたりに街があるが、これは私が最初に行っただから除外。となると後は南か北か、もしくは西か。

南と西には大きな街があってその道中に小さな町や村がパラパラとある感じだ。でも北にはいくつかの小さな村はあるみたいだけど地図を見る限り大きな街はなさそうだ。

よし、南の方の大きな街に行ってみよう。道中の村や町の数も多いし、休憩を入れながら・・・

ん?何ライド?俺が本気を出せばすぐに着く?いやだめだめ。私の寿命が持たない。ゆっくり走って?ね?後でお肉買ってあげるから。

ライドはちょっと不満そうだが頷いてくれた。よしよし、良い子だから良いお肉買ってあげよう。

ライドは私が乗ると、一吠えして南の方角へと走り出した。


しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【完結】ミックス・ブラッド ~異種族間の混血児は魔力が多め?~

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:397pt お気に入り:65

中途半端なソウルスティール受けたけど質問ある?

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:560pt お気に入り:14

最強の赤ん坊決定戦

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:1,086pt お気に入り:4

まともに推理する気はないんです

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:639pt お気に入り:3

カフェへの依頼

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:468pt お気に入り:11

婚約する前から、貴方に恋人がいる事は存じておりました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,256pt お気に入り:576

私はアナタが死んでも泣かない

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

邪神が願いを叶えます(嫌がらせで)

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:1,235pt お気に入り:5

鈍い男子を振り向かせたい女子

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:852pt お気に入り:5

座敷童と貧乏神

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:532pt お気に入り:9

処理中です...