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たまにある意味わからないチートスキルは大体本人が望んだもの

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とりあえず、そろそろ日も傾いてきたし、今日の宿を探したいところなんだけど、タマミが私にくっついたまま寝てしまった。仕方ないからタマミを抱きかかえながら宿を探すことにする。・・・ライドがうらやましそうな目で見てくるけど、君は抱っこできないから我慢してね。

で、一時間程ぶらぶらしながら宿屋を探していると、中々良さげな宿屋があった。なんとなくほかの宿屋よりは新しそうだし、なにより女性は本日割引という文字に惹かれた。ということで、宿屋の中に入ってみたんだけど

「「「「いらっしゃいませー」」」」」

スタッフが女性だらけだった。男性スタッフはいないのかと思って見渡してみたけど全員女性。まあ、細かいことを気にしても仕方ない。私はしばらくこの宿にお世話になることにした。

・・・・・

・・・

とりあえず宿屋を見つけて落ち着いたので、もらった醤油とマヨネーズの味見をしてみる。そのまま食べるのもアレなので、とりあえず宿を探す道中で買ったゆで卵につけて食べてみる。

・・・うん、いつも食べているような醤油とマヨネーズの味だ。

とりあえず、あのスバルって人が転生者かどうか調べてみよう。そう思ってベッドに寝転がろうとしたらライドとタマミが先にベッドで丸くなって寝ていた。起こすのもかわいそうなので、仕方なく私はライドたちにベッドを譲ることにした。

で、早速スマホの転生者ファイルで調べてみると・・・いた。

“名前;スバル・レッサー
与えた能力は調味料精製能力。本人が見たこと、食べたことのある調味料の精製を一瞬にして行うことのできるスキル。“

・・・なんだこのスキル。

神様は何を考えてこんなスキルを与えたんだろうと思っていたら、最後のほうにこう書いてあった。

“このスキルは本人の意向により付与”

えーと・・・つまりスバルさん本人が望んだスキルなんだ。なんでこんなスキルを望んだんだろう?でもこれで、スバルさんがとこからともなく醤油やマヨネーズを創り出した原理がわかった。

あとはどうやってスバルさんから髪の毛を取るか・・・

素直に言ってもくれるかな?いや、食品を売っている人だから、髪の毛下さいって言って、はいどうぞってくれる可能性は低い。

・・・駄目だ、いい考えが浮かばない。仕方ないから考えるのはここまでにしてご飯を食べに行くことにしよう。

この宿にはサラちゃんの宿屋のように食堂が備え付けられている。夕飯のたびにいちいちどこかへ食べに行くのはめんどくさいから正直ありがたい。

ここでは何が食べられるのかな、と考えながら食堂へ行くと私は驚愕した。

「あれ・・・君は・・・」

そこにはあの屋台でマヨネーズと醤油を売っていたスバルさんがいたからだ。

なんで?
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