そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

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緊急事態発生

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幼女(妖精)の昔話を聞いて、

「じゃあ、私が花畑への道を見つけられたのってこの石のおかげだったんですか?」

「そうじゃ。それがなくてはここへの入り口すら見つけられまい。何せ幾重にも刺客妨害の魔法を掛けておるからな。普通の人間ならまず見つけられまい。」

そうだったのか・・・だからこの石をタマミから貰った瞬間、入り口を見つけることが出来たのか。

「じゃがお主はここの入り口を見つけられたからもう大丈夫じゃ。またいつでもこれる。困ったらここへいつでも来るんじゃぞ?」

幼女(妖精)に見送られ、私はその場を後にした。

・・・・・

・・・

その後、集落に戻る頃にはすっかり日が暮れてしまっていた。

「ああ、ミユ!戻ったのね!」

集落に戻ると、包帯を大量に持ったルミナークさんが出迎えてくれた。なにやらただ事ではないようで、ファリン族の人たちが慌ただしく走り回っていた。

「ちょっと手伝って欲しいのよ!着いてきて!」

そう言われ、ルミナークさんについて行くと、そこには何人もの怪我をしたファリン族の人たちがいた。

「ミユはそっちの人に消毒と包帯を!消毒液はここにあるから!終わったら教えて。どんどん治癒魔法掛けていくから!」

「分かりました!」

ライドにも包帯を運んで貰いながら、私はファリン族の人たちの応急処置を行なった。

タマミにも手伝って貰おうと思っていたけど、タマミは自主的に次から次へと怪我人を治療していた。そういえばタマミって魔法で怪我直せるんだっけ。

と言うことで魔法が使えない私は地道にファリン族の人たちに応急処置を施していった。

・・・・・

・・・

一通り、応急処置が終わり、一息ついたところで私はルミナークさんに何が起こったのかを聞いてみることにした。

「あの、一体何があったんですか?」

「実は、エルビスの軍勢が森の中まで攻めてきたのよ。ミユが連れてきたエルビスの兵士や、ファリン族の戦士達が何とか押さえてくれたから撃退は出来たんだけど・・・」

そうだったのか・・・私のいない間にそんなことが・・・

そういえばエリックさんやヘルゼさん、そしてあの五月蠅い三人がいない。もしかして・・・
いやな考えが頭をよぎる。だが、それをルミナークさんは笑顔で否定してくれた。

「ああ大丈夫よ。5人ならエルビスの軍勢をこの森から引き離す陽動でもうすぐ戻ってくるはずだから。」

ルミナークさんがそう言った矢先、目の前に突然ヘルゼさんとエリックさん、そしてあの五月蠅い三人組が現れた。5人とも体のあちこちに怪我をしていて満身創痍といった風になっている。

慌てて駆け寄ると、エリックさんは駆け寄る私とルミナークさんを押しのけ、ふらふらとおぼつかない足取りで集落の広場へと向う。

そして、こう叫んだ。

「皆の者!早くここから逃げるぞ!連中が来る!この集落に攻めてくるぞ!」
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