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戦の始まり
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「よし皆の者、準備は良いか?」
幼女(妖精)が私達に聞いてくる。兵士、ファリン族の人たち、そしてルミナークさんとヘルゼさん、あの五月蠅い3人組も神妙な顔で頷く。
「では皆の者、作戦通りに・・・」
「ちょっと良いか?」
幼女(妖精)の言葉を遮ると、エリックさんは皆の目の前に行き、大きな声でこう言った。
「皆!決着の時だ!相手は学術都市エルビス!当初、我々だけでは勝ち目がない戦であった。強力な力を持つ20人もの戦士達。あまつさえ冥府より蘇った500人の戦士達。我々だけでは負けていただろう。しかし、そんな我らに協力してくれた者たちがいた!
困窮していた我らに一番始めに手を差し伸べてくれたルミナーク達。秘密裏に救援を出してくれたイザベルの国王と、兵団。我々に戦う手段を用意してくれた妖精様。そして天啓を授けてくださった女神に感謝を!」
エリックさんの演説で空気がびりびりと震える。聞いている水面、口々に感謝の言葉を述べている。
「待ちなさい!」
ルミナークさんがエリックさんの演説に待ったを掛けた。
「どうした?」
「一人忘れているんじゃない?イザベルの国王、そして妖精と縁をつないでくれた一番の功労者のこと。」
ヘルゼさんに背中を押され、私はエリックさんの元へと連れて行かされた。
「すまない、忘れていた。許してくれ。」
「い、いえ・・・」
エリックさんに謝られ、謙遜する私。エリックさんは皆の方に向き直ると、演説を差異化した。
「皆の者!ここにいるのはイザベルの国王と妖精様との縁を結んでくれた、影の功労者だ!この者、ミユに最大限の感謝を!」
多くの人が私に対して感謝の意を述べてくれている。戦いが始まる前だというのに、人生初の出来事に私は胸がこそばゆくなった。
「行くぞ!我らの故郷を守るために!いざ出陣!!」
そう言ってエリックさんは先陣を切り、森の中へと消えていった。他の皆もそんなエリックさんへと続いていく。
皆。どうか死なないで・・・
・・・・・
・・・
「司令!最高指導者より賜った死者の軍勢到着いたしました!」
兵士の一人がエリスガル伯爵の付き人の敬礼をする。兵士の後ろには色を失ったかのような、人間が大勢いた。彼らの瞳に光は無く、肌の色は灰色。本当に死者のような出で立ちをしている。
「ご苦労様です。では指示を出すまで待機を。」
司令である付き人の言葉にも何一つ反応しない。まるで抜け殻のようだ。
「司令!ファリン族は森から出る気配がありません。やはり、あの少年の言うとおり森の中でのゲリラ戦を企んでいるようです。」
エルビスの兵士の一人が司令であるエリスガル伯爵の付き人に報告する。付き人は満足そうに頷き、兵士に指示を出す。
「分かりました。では炎魔法を森に向って放つよう、異界の戦士達に伝えなさい。」
「よろしいのですか?あの森には魔力石以外にも貴重な資源が・・・」
「良いからやるのです。これは命令です。」
「っ!は!」
顔を青くしながら兵士はテントからでた。
その時、エルビス側の陣地にある変化が現れた。辺り一面がふっと暗くなったのだ。陣地を守っていた兵士達は響めき出す。
「え?・・・・っ!あ、ああああ」
兵士の一人は上を見上げた瞬間恐慌状態に陥った。
なぜならば・・・
エルビスの作戦本部のあるテントに顔が真っ青になった兵士が一人飛び込んでくる。
「て、敵襲です!上空に超巨大なドラゴンが!」
「・・・なに?」
エリスガル伯爵の付き人はその報告に剣呑な表情を浮かべる。
「目測にして500m級!過去に例を見ない大きさです!ファリン族との間に挟まれました!」
「なんだと・・・!」
幼女(妖精)が私達に聞いてくる。兵士、ファリン族の人たち、そしてルミナークさんとヘルゼさん、あの五月蠅い3人組も神妙な顔で頷く。
「では皆の者、作戦通りに・・・」
「ちょっと良いか?」
幼女(妖精)の言葉を遮ると、エリックさんは皆の目の前に行き、大きな声でこう言った。
「皆!決着の時だ!相手は学術都市エルビス!当初、我々だけでは勝ち目がない戦であった。強力な力を持つ20人もの戦士達。あまつさえ冥府より蘇った500人の戦士達。我々だけでは負けていただろう。しかし、そんな我らに協力してくれた者たちがいた!
困窮していた我らに一番始めに手を差し伸べてくれたルミナーク達。秘密裏に救援を出してくれたイザベルの国王と、兵団。我々に戦う手段を用意してくれた妖精様。そして天啓を授けてくださった女神に感謝を!」
エリックさんの演説で空気がびりびりと震える。聞いている水面、口々に感謝の言葉を述べている。
「待ちなさい!」
ルミナークさんがエリックさんの演説に待ったを掛けた。
「どうした?」
「一人忘れているんじゃない?イザベルの国王、そして妖精と縁をつないでくれた一番の功労者のこと。」
ヘルゼさんに背中を押され、私はエリックさんの元へと連れて行かされた。
「すまない、忘れていた。許してくれ。」
「い、いえ・・・」
エリックさんに謝られ、謙遜する私。エリックさんは皆の方に向き直ると、演説を差異化した。
「皆の者!ここにいるのはイザベルの国王と妖精様との縁を結んでくれた、影の功労者だ!この者、ミユに最大限の感謝を!」
多くの人が私に対して感謝の意を述べてくれている。戦いが始まる前だというのに、人生初の出来事に私は胸がこそばゆくなった。
「行くぞ!我らの故郷を守るために!いざ出陣!!」
そう言ってエリックさんは先陣を切り、森の中へと消えていった。他の皆もそんなエリックさんへと続いていく。
皆。どうか死なないで・・・
・・・・・
・・・
「司令!最高指導者より賜った死者の軍勢到着いたしました!」
兵士の一人がエリスガル伯爵の付き人の敬礼をする。兵士の後ろには色を失ったかのような、人間が大勢いた。彼らの瞳に光は無く、肌の色は灰色。本当に死者のような出で立ちをしている。
「ご苦労様です。では指示を出すまで待機を。」
司令である付き人の言葉にも何一つ反応しない。まるで抜け殻のようだ。
「司令!ファリン族は森から出る気配がありません。やはり、あの少年の言うとおり森の中でのゲリラ戦を企んでいるようです。」
エルビスの兵士の一人が司令であるエリスガル伯爵の付き人に報告する。付き人は満足そうに頷き、兵士に指示を出す。
「分かりました。では炎魔法を森に向って放つよう、異界の戦士達に伝えなさい。」
「よろしいのですか?あの森には魔力石以外にも貴重な資源が・・・」
「良いからやるのです。これは命令です。」
「っ!は!」
顔を青くしながら兵士はテントからでた。
その時、エルビス側の陣地にある変化が現れた。辺り一面がふっと暗くなったのだ。陣地を守っていた兵士達は響めき出す。
「え?・・・・っ!あ、ああああ」
兵士の一人は上を見上げた瞬間恐慌状態に陥った。
なぜならば・・・
エルビスの作戦本部のあるテントに顔が真っ青になった兵士が一人飛び込んでくる。
「て、敵襲です!上空に超巨大なドラゴンが!」
「・・・なに?」
エリスガル伯爵の付き人はその報告に剣呑な表情を浮かべる。
「目測にして500m級!過去に例を見ない大きさです!ファリン族との間に挟まれました!」
「なんだと・・・!」
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