そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

Open

文字の大きさ
166 / 186

ああ、私も逃げたい

しおりを挟む
「ともかくじゃ。この場所ももう安全とはいえん。奴がここへ来ないうちに非戦闘員は避難させよう。方法は考えておる。お主は避難させるべき者たちの所へ行って説明してこい。」

と、幼女(妖精)に言われたので、私はファリン族の女性や子供、そして大怪我をして戦えなくなった人たちの所へ行き、この場所から避難するようにと伝えに行った。

そして、最後に転生者達の所へ行ったのだけど・・・

「暴走?木崎の奴がか?」

氷室が私にくってかかるように聞いてくる。風間もかなり険しい顔で、腕を組みながら私の話を聞いている。

「うん。魔神の力を手に入れた所為で木崎のからだが耐えられる許容量を超えたらしくて・・・もう暴走の兆しも見えているとか。」

「・・・暴走したらどうなるんだ?」

「よくは分からないけど・・・ただ暴風のように暴れ回る存在になるとしか・・・」

「理性の無い獣という訳か。」

風間が私に確認するように聞いてくる。私は無言で頷いた。

「・・・木崎の奴は今どこに?」

氷室が静かな声で私に聞いてくる。

「ここへ向っているらしいわ。ここも安全とは言えない。だから、君たちは仲間と一緒にサラマンダーさんと一緒に避難を・・・」

私がそう言った瞬間、一陣の風が吹き、気がついたときには目の前から氷室はいなくなっていた。

辺りを見回す私に対して、風間は

「アイツならたぶん木崎の所へ行ったよ。ケジメ付けに行ったんだ。」

け、ケジメって・・・一人で木崎と戦いに行ったの?!

無茶だ!チートスキルを持った転生者の何倍もの力を持っている木崎に一人で立ち向かいに行ったなんて・・・

「まあ、アイツはそんな奴だよ。今から追って、追いついたとしてもアイツは聞かないだろうな」

落ち着き払いながら言う風間。

ああもう仕方ない。

「もう!風間、氷室のことを追って!捕まえなくて良いから!氷室が危なくなったら連れ戻してきて!分かった?!」

「りょーかい!」

そう言い残して風間も忽然と私の前から姿を消した。とりあえずこれでどうにかなるだろう。

私は滝隆二と砂原、そして一樹にサラマンダーの掘った穴を通って仲間全員と脱出するように伝えた。そして

「それじゃあ、あのオカマ(妖精)の所まで皆の護衛よろしく。」

「カロロ・・・」

サラマンダーにもお願いすることも忘れない。

避難はサラマンダーさんがこの森に来るために掘ってきた穴を使ってすることになっている。サラマンダーさんが掘ってきた穴は、ヘル・ウルフ達も通るためか、かなり広く掘られている。

今回の避難は5人乗りのソリをヘル・ウルフ達に引かせ、オカマの妖精が居る森まで行くという手法だ。すでにソリは幼女(妖精)が用意してくれている。

すでに、穴の周辺には非戦闘員が集まってきている。ソリもヘル・ウルフと頭数分そろっている。

よし、じゃあ避難開始!!



・・・・ああ、出来ることなら私も逃げたい。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】

きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。 その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ! 約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。 ――― 当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。 なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

処理中です...