そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

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解決の糸口

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ゼウス……ゼウスってギリシャ神話で一番偉い神様だよね……

その人が作ったものにケチをつけるなんて、落雷が降り注ぎそうだ。

でも、無限の魔力というスキルは確かに争いの火種になりかねない。うーん……何かいい方法は無いものか……

『一応お父様には打診してはみますが、上手くいくかどうか……』

難しいのか……

『はい。タケルさんはゼウスが下界の女に欲情したとして、ヘラ様との夫婦喧嘩に巻き込まれて死んでしまった1人ですので。ヘラ様も申し訳なく思っているようで、異世界でも苦もなく生きていけるようにと、無限の魔力を与えたようです。』

ああ……そういえば大神ゼウスってそういう逸話が多いんだっけ?

っていうか、夫婦喧嘩巻き込まれて死んで異世界転生って……タケルさん死んでも死にきれないでしょ。

私の隣ではタケルさんが死んだ目でアトロポスさんの話を聞いている。

『まあ、という訳でして、無限の魔力については諦めてください。』

そう言って電話を切ろうとするアトロポスさん。

「おいちょっと待ってくれ。これでまた戦いが起きたらどうすんだ!」

『魔法でも何でも使って戦いが起きないような領域を作れば良いのでは?』

「できるけど!そんな事したら各国から目をつけられてしまうじゃないか!俺は孤児院経営しながら普通の人間として静かに暮らしたいんだよ!」

アトロポスさんと言い合うタケルさん。確かにアトロポスさんの言い分もわかるが、圧倒的にタケルさんに同調してしまう。

いきなり知らない世界に飛ばされて、人の身に余るようなスキルを与えられ、そして親友だと思っていた人に利用され。

タケルさんはもうこのようなことは二度と経験したくないのだ。

『全くお父様も……無限の魔力を1人間に与えるくらいなら、この世界の世界エネルギーを何とかして欲しいというのに……』

「だったらその父親説得してこいよ!俺の無限の魔力をそのエネルギーにしていいからさ!」

言い合いをする2人を他所に私の頭の中にある考えが浮かんでいた。

無限の魔力というスキルに手を加えることが不可能なら、その魔力を自動的に何かしらのものに変換するスキルをタケルさんに与えるというのはどうだろう?

それなら魔力は作られた瞬間別のものになって……

例えば、転生者にチートスキルを与えすぎて枯渇してきている世界エネルギーとか……

ああでも1人にふたつのスキルを与えるなんでことは……

『あ』

スマホの向こうからアトロポスさんの間の抜けた声が聞こえた。

どうやら解決の糸口が見えてきたらしい。
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