ゲームで第二の人生を!~最強?チート?ユニークスキル無双で【最強の相棒】と一緒にのんびりまったりハチャメチャライフ!?~

俊郎

文字の大きさ
181 / 338

174 本当の決着

しおりを挟む

 キモい?
 気持ち悪いモンスターってなんだろう。
 虫系か?

 気になって聞いてみたけど、思い出すのも嫌だと拒否された。

「気になるなら自分の眼で確かめてくれ。ただし、自己責任だ」

 と、物凄く嫌そうに言われた。
 そんなに嫌なのに教えてくれたのか。
 申し訳なさと同時に、有難くも思う。

「分かりました。近いうちに行ってみようと思います」
「ああ」
「おい、なんだその態度は。謝りに来たんなら最後までちゃんとしろ」

 以前と変わらずぶっきらぼうな伊達を、†紅の牙†が嗜めた。
 俺は別に気にしないんだけど。
 決闘に勝って賭け金ももらった。
 謝って貰った上に果物の情報までもらったんだから、前と同じ態度でも別に問題ない。

 ただ、†紅の牙†には納得がいかなかったようだ。
 気のせいかもしれないけど、妙に気を遣われてる気がする?
 怯えられてる、の方が正しいか?

「うるせぇ。もう謝っただろ。それに、確かに俺達は負けたが、俺が負けた訳じゃない」
「俺に負けておいて勝てるわけないだろ……」
「お前のスキルが反則的に相性が悪かっただけだ」
「さっき何度も言っただろ、この人は多分、そういう次元じゃないって」
「俺のスキルはチート級だ。お前以外には負けねぇよ。てか、お前が負けたのはお前が初心者の頃で、相棒にだろ? ビビリすぎだっての」

 伊達は頑なに†紅の牙†の言葉を否定する。
 謝ってはくれたものの、心の底ではまだ負けてないと思っていたようだ。
 果たしてこれは、反省してるんだろうか?
 もし一対一なら勝てると思って、また変なちょっかいを出されても困る。

「それなら、改めて決闘しますか?」
「なに?」
「うわ……。なぁ、悪いことは言わない。やめといた方がいいぞ」
「上等だ。紅、お前にも俺の強さを分からせてやる」
「はぁ、俺は止めたからな」

 決闘を提案してみると、伊達は喜んで受け入れた。
 しつこく止める†紅の牙†の鼻を明かしたいようだ。

 乗り気な伊達を見て、†紅の牙†も諦めた。
 見捨てたとも言える。

 決闘の申請を送る。
 ペインフィルターは勿論全カット。
 痛みを与えないと、反省には繋がらないからな。

 俺達の家を馬鹿にした分もお金や情報でチャラにしようと思ったが、反省してないなら話は別だ。
 きっちり清算してもらう。

 ≪モジャの家≫の前に、決闘特有のバトルフィールドが発生する。
 決闘中のプレイヤーはここから出ることが出来ない。
 設定によっては場外負けにすることも可能だ。

 カウントダウンの数字が頭上に現れる。

『3』

「俺の実力を分からせるいい機会だ」

『2』

「他の連中みたいにいくと思うなよ」

『1』

「負けたらちゃんと反省してくださいね」
「負けたらな」

『GO!!』

 カウントダウンが終了した瞬間にスキルを発動する。
 俺に視線を向けていた伊達が、驚いた表情のまま見えなくなった。
 伊達は、直径3m程の球体に包まれていた。

 ドン、といくつもの音を重ねたような音が鳴った。
 球体が空気に溶けるように消えていく。
 HPが1になった伊達が、奇妙な回転をして地面に倒れた。

 俺の頭上に≪WINNER!!≫の文字が躍る。

「ほらな」
「あんた、今、何をした……?」
「魔法を使っただけだけど?」

 †紅の牙†は呆れたように一言呟いた。
 まるでこうなるのを知ってたと、そう言わんばかりの皮肉がこもっている。
 伊達は倒れたまま俺を見上げてくる。
 痛みでうまく喋れないようだ。
 
「魔法? 魔法だと? 詠唱がないのは、そのアホみたいな補正値で納得できる。だが、何故発声せずに発動を? まさか、そんなスキルがあるのか?」
「あるよ」

 つい当たり前になってたけど、声に出さずにスキルを発動させることは本来出来ない。
 それは無詠唱でも変わらないようだ。

 だけど俺達は、ミルキーのユニークスキル≪思念詠唱≫の効果で口に出す必要がない。
 相棒は元々そういう仕様だから、伊達は気付かなかったようだ。
 それであんなに驚いてたんだな。

 ちなみに、さっき使ったのは≪極・弾属性魔法≫で習得した魔法の一つ、≪無天球≫だ。
 効果は指定した相手を3m程の球で覆う。
 すかさず内側の目標目掛けて四十発の無弾が発射される。
 全方位から、同時にだ。

 威力は通常の無弾と同じで、同時発射数が八倍になっている。
 そして球体が覆うのは一瞬だが、発射されて着弾するまでも一瞬。
 その間は物理的に突破することは出来ない仕様という、回避型を殺す為の魔法だ。

 単体相手にはかなり強力な魔法だと思う。
 ディレイがほとんど無いから連打も効くし。
 しかも、ユニークスキルの相乗効果で威力は1000倍だ。

 集団相手には別の魔法もある。
 そっちも強力だから、その内使う機会もあるだろう。

「確かにとんでもないな……。だが、今のは油断しただけだ。もう一度すれば俺が勝つ」
「いいんですか?」
「怖気づいたのか?」
「俺は構わないですよ」
「かかってこい!」
「こりない奴だ……」

 伊達はまだやる気十分だ。
 よし、じゃあ設定を変えよう。
 ギブアップするか制限時間を過ぎるまで終わらない、地獄の決闘だ。

 伊達の動きが止まった。
 承諾を押してくれないと決闘が始まらない。

「怖気づいたんですか?」
「――まさか。上等だ、ぶっ潰してやる」

 カウントダウンが終わった瞬間に伊達を球体が包み込む。
 着弾する音が聞こえる。
 今回は単発ではなく、ドドドドドドドドという連続する音だ。
 重なり過ぎてドオオオオオオオとしか聞こえない。

 時間は三分に設定してあるから、それまでは延々と≪無天球≫を発動し続ける。
 球体は途切れることなく発生しては≪無弾≫を叩き込む。
 今回は全て威力じゃなく、弾数を1000倍してある。

 何故か。
 理由は簡単だ。
 全方位から大量の≪無弾≫に撃たれている伊達は、ダメージを受けた時の衝撃で空中に浮いたまま身動きが取れなくなっているだろう。

 このゲームではダメージを受けると少し動きが硬直する。
 これをヒットストップと呼ぶんだが、伊達はヒットストップでギブアップが出来ない状態になっている。
 というか、そうする為にスキルを途切れさせずに連打している。
 威力じゃなく数を増やしているのも、そういう理由だ。

 痛めつけるのが好きな訳じゃない。
 俺の第二の人生を邪魔する奴はみんな敵だと、そう決めてあるだけだ。
 謝れたんだからそれで大人しくすればいいのに。

 せっかくだから≪マジカルスラッシュ≫や≪無刀両断≫、≪裂空指弾≫も撃ち込んでいく。
 三分後、決着が付いて≪無天球≫を撃つのを止めた。
 すっかりボロボロになった伊達が地面に転がった。

 よし、勝った!

しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

処理中です...