天使過ぎる可愛いクラスメイトと一途過ぎる可愛い後輩、どっちを選べばいいんだ!?

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一学期 一章 後輩からの告白

007 ちょろるんは、きっとDVされても謝って抱きしめられたらすぐに許しちゃう。

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 俺は部活の朝練に向かうため、まだ日が昇りきってない時間に家を出た。

 この朝早い時間の駅のホームは、いつも乗客はまばらである。少し冷たいベンチに腰かけ、ぼんやりと電車が来るのを待っていると、「雪ちゃんせんぱい!」と聞き慣れた声がホームに響いた。

「おはようございます!」

 にこっと笑いながら、ちろるは俺の隣に腰かけた。

 どうやら、昨日のことはそこまで気にかけてはいないようだ。いや、気まずくならないようにそうしているのかもしれない。

「おう、ちろるん。今日は珍しくおはやいな。いつもは朝練ぎりぎりに来るのに。」

 ちろるんは少しもじもじしながら言った。

「だって……先輩は、いつも朝早いから……電車が一緒になるかなって思って……///」

「……おい、そういうのはちょっと反則だ。ついぐっときてしまう。」
「えぇ~?だって昨日、かかって来いって言ったじゃないですか。」

 そうだった……。返り討ちにしてやるとまで言ったのに、なんてざまだ。

「ふふっ!この調子なら、せんぱいの方から告白してきてくれる日も近いですかね?」

 と言いながら、ちろるんは身体をこちらにすり寄せてきた。

「夏でもこの時間は少し、冷えますね?」
「……あぁ、そうだな。」

 やめろ、近い、昨日も超思ったけどなんかいい匂いする。なに女の子ってそんなもんなの?女の子と手繋いだことしかない俺には、その辺の知識はあまり精通していないのですけれど、誰か親切な非童貞の方、教えてもらえませんでしょうか。

「そんな顔しなくても、学校ではこんなことしませんから、心配しないでください。あっ、電車きましたよ。」

 正直、ここまで真っすぐに好意を伝えてくれるのは、すごく嬉しいことだ。

 そして、学校ではぐいぐい来ないというこの空気の読みっぷり、ちろるんひょっとして、まじでいい奴なのでは?お嫁さんにしたいランキング結構上位じゃね?

 おい、誰だよちょろるんとか言った奴、俺の方がちょろくなってるじゃないか。

 そんな考えが頭に浮かびつつ、電車へ乗り込んだ。

 朝早い電車には、二人並んで座れる十分な空席がある。再び俺とちろるは、隣あわせで緑色のクッションシートに座った。

「先輩っていつもこの時間の電車なんですか?」
「うん、基本的に朝練ある日はこの時間だ。俺はルーティーンを大事に生きてるからな。」

「へぇ……スポーツ選手はそんな人が多いって聞きますけど、先輩もそうなんですね。どんなルーティーンしてるんですか?」

「あぁ。色々あるぞ。例えば食事のルーティーン。野菜から食べるとか軟弱なことは言わず、とにかくたんぱく質にむさぼりつくとか、部活終わりにはファミチキ買って食べ歩いて帰るとか、運動後と寝る前には必ず、プロテインを飲むとか。」

「……どんだけたんぱく質を欲してるんですか?」

 と、ちろるは少し呆れたような表情になった。

「でも、先輩って全然太らないですよね。いいな~。」
「まぁその分動いてるからな。」

 実際のところ、体質の部分も多い。脂肪もだけど、残念ながら筋肉もなかなかつきにくい。

「私は逆に野菜から食べたら太らないっていうから、そのへんは意識して続けてますけど。」

「そうなん?ちろるん別に太ってないじゃん。むしろやせ形の方だろ?」
「……え、そうですかね……//」

 あっ、やっぱりちょろるんだった。合コンとかでおだてられて、ころっとお持ち帰りされないか、将来が不安である。

「ち、ちなみに、せんぱいの好きなタイプってどんなですか?やっぱり痩せてる方がいいんじゃないですか。」
「うーん……まぁそうだな……。強いて言うなら……巨乳。」

「……。」

 おい、聞かれたから素直に答えたんだろ。そんな目で俺を見るなよ。こいつ俺のこと本当に好きなのかよ。

「うぅ……私だって……。マッサージしたら大きくなるって言うし……。」

 ちろるは自分の控えめな御胸様に手をあて、きゅっと寄せるようなしぐさをした。

「まぁ、ないよりあった方がいいというだけで、別に巨乳フェチではないんだけど。」

 神崎さんも別に巨乳じゃないしな……。巨乳がタイプなのに、神崎さんが好きというのは、矛盾が生じるのだろうか。ほこたてが始まってしまうのだろうか。

 いや、好きなタイプがあったとしても、実際に好きになるのがそのタイプの人かはわからない。巨乳は好きだが、巨乳だから好きになるというほど俺はおっぱい星人ではないのだ。恋におちるというのは全く不思議なものである。

「ほら、いつまでも胸マッサージしてないで、もうつくぞ。」
「……はぁっ!?してませんよっ!」

 駅を降りると、まばらだがうちの高校の制服を着た生徒たちの姿もあった。

「雪ちゃん先輩……ここからは、離れて歩いた方がいいですか……?」

 ちろるは、少し遠慮がちな表情を見せながら、そう尋ねた。

「……。いや、お前はサッカー部のマネジなんだから、サッカー部の俺の隣歩いてても不思議じゃないだろう。一緒の電車になったのに、離れて歩く方が逆に変じゃね?」
「……ほんとうですか。……うれしいな///」

 やめて、そういうこと言われたらついぐっときちゃうから。俺途中で好きな人ころころ変えるラブコメ主人公嫌いなんだから。

「っじゃあ、私もこれから……この時間の電車に、乗ってもいいですか……?///」
「………………。」

 俺はつい、ちろるんの頭に、ぺしっと軽くチョップをかました。

「いたっ。何するんですか!?」
「いや、ついぐっときてしまったことに腹立ったから。」

「何ですか、その理不尽な理由っ!?そしてすぐ手を出すとか、最低です!きっと雪ちゃんせんぱいは、結婚したらDV男になるんですね。」

 誰だよその最低な奴にほれてるやつは……。話が飛躍しすぎだし……。ちょろるんちょろいから、DVされてもその後謝られて、ギュッとはぐされたらころっと相手を許しそうだな。

「まぁ……なんだ。絶対いつもこの時間ってわけじゃないから、結構朝早いし、無理はすんなよ。」

「はい!好きな人と一緒になるかなってドキドキしながら毎朝通うのも、青春っぽくていいじゃないですか。」
「……そういうもんか。」

 まぁもし神崎さんが電車通学なら、きっと同じような事を思っていたのかもしれない。神崎さん俺の家の隣とかに引っ越してこないかな。
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