お隣りのJKさんと料理下手くされ大学生のお裾分け晩御飯

muku

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025 お泊りの定番~JK達とのホラー映画鑑賞会~

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「いやーひどいめにあったね。」

沙織はシャワーを浴びて、ショートパンツにTシャツというラフな姿で愚痴をこぼした。

「全くだよ。シャコが可哀そうだよ。カッペリーニは、もはやきし麺だったし、白みそ風味って、風味どころか白みその味しかしないし!」

そう憤りながらも、栞はどこか楽しそうだ。

「ふふっ、そうだね。すごい濃い味だったね。」

風呂上がりで濡れた髪をタオルで拭きながら、ピンクのもこもこしたパジャマに身を包んだ桃花は笑った。

「栞ちゃんもお風呂入っておいでよ。」

桃花の言葉に、栞は「はーい!」と返事をし、くるっと回りながら立ち上がった。沙織からお出かけバスセットを受け取り浴室へと向かった。

栞がシャワーを浴びてあがった時、時刻は午後9時を回っていた。

「っじゃあそろそろ…。お待ちかねの時間がやって来ましたね!」

少し珍しい浴衣型のパジャマに身を包んだ栞は、カバンからTSUTAYAのDVDを取り出した。

「えっ、何が始まるの?」

きょとんとした表情で尋ねる桃花に、栞は嬉しそうに答えた。

「チキチキ!めっちゃ怖いホラーDVD鑑賞会っ!!」

嬉しそうに「いえーいっ!」と一人盛り上がる栞に、沙織は「聞いてないぞっ!?」と驚くような表情を示した。

「いやー、やっぱりお泊り会は、こういうのが盛り上がるかなって。」

栞が取り出したパッケージには、髪の長い白装束の女性が写っている。

「いやいやいや、うちがこんなん苦手なんしってるやろ!?」

「私も怖いの苦手だよっ!」

桃花と沙織の非難の声に、栞は条件を出した。

「仕方ないなぁ。っじゃあ私とジャンケンして、もしどっちかでも私に勝ったら、もう一枚借りた別のDVDにしてあげるよ。」

「…わかったよ。勝負だっ!栞っ!」

沙織はあっけなく栞に敗れた。

「あとは…頼んだ。桃花っ…!」

「そんな、沙織ちゃんっ!?」

「さて残りは桃花だね。」

ジャンケンの結果は、こちらもあっけなく栞が勝利した。

「残念でした~。というわけで、これから上映会を開始します!っあ、そうだ。面白そうだから、翔さんも呼んじゃおう!」

怖い映画をこれから観るという恐怖から、少しでも多い人数で観ることに異論はなく、桃花と沙織はその提案に賛成した。

“これから沙織ちゃんと栞ちゃんと一緒に、ホラー映画みるんですけど、よかったら来ませんか?”

桃花が翔のラインに連絡を入れて5分ほど経過したが、翔からの返事は来なかった。

「もしかしたら、自分が作った料理にお腹下して寝てるんじゃね?」

沙織がからかうように言う。用意周到に小型のDVDプレーヤーまで持ってきた栞は、それをテレビに接続しながら、「桃花、翔さん呼んできてくれる?」と頼んだ。

桃花は隣の翔の部屋のインターホンを押した。しかし、部屋の中からは何も反応がない。もしかして寝ているのだろうか。

ドアノブを回すと鍵は開いており、勝手に入っていいものかと悩みつつも、桃花は「…失礼します。」と遠慮がちに翔の部屋に入った。

リビングへの扉を開けると、ベッドからかすかな寝息が聞こえた。

翔は電気をつけたまま、Tシャツと紺色の長ズボンのジャージを履いて、ベッドの上で布団を被らずに寝ていた。

「翔さん、風邪ひいちゃいますよ。」

そう小声でつぶやきながら、桃花は部屋にあったブランケットを翔に被せてあげた。

5月も折り返したというのに、未だ出しっぱなしのこたつの上には、先ほど彼が作った“シャコとカッペリーニの白みそ風味”がまだ少し残っている。

「頑張って、残さず食べようとしてたんですね。」

自信満々で作った自分の料理を、翔が一人で顔をしかめながら食べていたと思うと、桃花は笑みがこぼれた。

「…長いまつ毛だなぁ。」

翔が寝ているところを見るのは初めてだった。桃花は普段よりも、さらにいっそう隙だらけの彼の寝顔をまじまじと観察した。すると、ガチャッと玄関の扉が開く音が鳴り、双子が部屋に乱入してきた。

「おっと!何ぐっすり寝てるんだ!」

「上映会が始まりますよー。起きてください!」

沙織はせっかく桃花がかけてあげたブランケットを引っぺがした。

「うぉお!?なんだお前たち、なんで僕の部屋に!?」

いいから、いいからと沙織と栞に手を取られ、翔は隣室の桃花の部屋に拉致された。

「…そうなんだ。ホラー映画鑑賞会ね…。楽しそうなこと思いつくなぁ。わざわざ起こしてくれてこんなんこと言うのも悪いけれども、そっと寝かせといてくれてもよかったんだよ。」

あくびをかみ殺しながら、翔がつぶやく。

「まあまあ、一人だけ誘われないなんてかわいそうじゃないですか。」

栞はほらほらとせかすように、翔をテレビの真ん前の特等席に座らせた。

「一人が寂しいなんて時期はもう過ぎ去ったよ。誰かと一緒に過ごすのも大事だが、一人でいる時間も同じほど大切なんだよ。」

「まぁまぁ、桃花も沙織もホラー苦手らしいですから。男として付き合ってあげてくださいよ。」

「そうなんだ。二人ともホラー苦手なの?」

沙織は「別に…、苦手とかちゃうわ!」っと強がりを見せた。

一方で、桃花は「ごめんなさい。」と申し訳なさそうに謝った。先ほどから少し元気がなさそうに見える。よっぽどホラーが苦手なのだろうか…。

「えっ、どうして謝るの?」

翔の問いに、桃花はその心中を話した。

「だって…、お休みのところを起こしてしまったし、それ以前に…勝手に部屋に入ってしまって、すみませんでした。」

深々と頭を下げる桃花に、翔は「なんだ、そんなことか。」と笑った。

「全然そんなこと気にしなくていいよ。鍵を開けたまま寝ちゃってた僕が悪いし、桃花ちゃんは様子を見に来てくれただけじゃないか。それに、多分だけど…、桃花ちゃんは僕が風邪をひかないようにブランケットかけてくれたんじゃない?自分でそんなことした覚えないからさ。沙織に引っぺがされたけれどね。」

「あっ、気づいてたんですね…。すみません。」

「だから謝る必要はないさ。なんだかんだ言ってるけれど、こう見えてホラー映画結構好きだし、みんなで見るのも楽しいと思うし。」

「そうですよ!栞ちゃんにもっと感謝してくれてもいいんですよ。」

こういうのはムードが大事だと、栞は沙織の反対を押し切って部屋の電気を消した。
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