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033 くされ大学生の雑談
しおりを挟む翌日の水曜日、翔は午前中の授業を終えて、トミーと共に食堂にやってきた。
桃花が次から次へとお盆を持って流れていく人の波に、負けじとご飯と味噌汁をよそって奮闘している。
券売機で食券を買い、薄緑のプレートを腕に抱えて列に並ぶ。メインとなるおかずを受け取り、ご飯と味噌汁を受け取るコーナーに近づくと、翔は桃花に声をかけた。
「一生懸命に頑張ってるね!」
聞きなれた低めの声に、桃花はぱっと顔をあげた。
「あっ、翔さん!それにトミーさんも!」
トミーは「やっほー。大盛りでお願いします。」と軽い挨拶を返し、桃花から多めに盛られたご飯を受け取った。
「特に困ったことはないかい?」という翔の問いかけに、「はい。少しずつ手際もよくなってるかと思うので、大丈夫です!」と桃花はこたえた。
「また午後の講義が終わったら顔を出すよ。」
「ありがとうございます!」
後ろがつかえてしまうので、手短に二人は会話を済ませた。
翔とトミーは二人掛けのテーブルに腰を下ろし、翔は焼き魚定食、トミーはチキン南蛮定食に箸をつけた。
「それにしても、翔君はあれかい?桃花ちゃんの保護者か何かかい?いや、お兄ちゃんというべきかな。」
タルタルソースと南蛮ソースがたっぷりついた鶏肉を口に頬張りながら、トミーは翔に言った。
「いや、せっかく知り合いがすぐ近くで働いてるんだ。様子を気にかけて顔を出すのは普通じゃないか?」
「まぁ基本、翔君は面倒見がいいからね。私が一時期、大学の講義をさぼり出した時も、わざわざ私の下宿先の部屋にまで迎えに来て、ひっぱりだしてくれたからね。なかなかできることじゃないよ。」
「うーん、そうかな…。大事な誰かのことを思ったら、その人のために自分に何ができるか考えて、それをやろうってのは…普通のことだと思うけれど。」
翔は別に特別なことじゃないと、サバの切り身を箸でつつきながら言った。
「君はさらっとなかなか気恥ずかしいことをいうね。でも、私は翔君のそういうとこ、大好きだよっ!」
トミーはわざとらしくバチンとウインクをしながら言った。
「あぁ、僕もトミーのことは、日曜洋画劇場のジュラシックパークくらいは好きだよ。」
「おっ、それはなかなかポイント高いんじゃないの?でも私としては金曜ロードショーのジブリの映画の放映くらいであって欲しかったな。」
「それはちょっと難しいな。よく言っても、ルパンの映画の放映くらいかな。」
「おっ、カリオストロかい?」
「いやいや、マモーが出てくるクローンのやつだよ。カリオストロはもっとはるか上だ。」
翔とトミーはよく話が脱線しながら、お互い少しひねくれたような、何かよくわからない会話をすることを好んだ。
午後から翔は一コマだけ、トミーは二コマの講義をかかえていた。面倒くさいなぁ、行きたくないなぁとぶちぶち言うトミーを引きずって、二人は教育課程の授業を受けた。
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