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魔法管理部
しおりを挟む「先生、こちらの方が?」
「えぇ、計測結果は金色です」
管理部の一人であろう長身の男性が先生に確認を取ると、僕をしっかりと見据えて挨拶をして来た。
魔法管理って言うから、ローブを着込んだ魔法使いぽいのかと思ってたら、その姿はまるっきり軍服だった。
ただ、色が白い。
「シアン・トロワです」
「私は帝国魔法管理部の検査部室長、ギルバルディ・ド・ローカンだ。
シアン君を新たな魔法使いとして登録する」
長身のギルバルディを名乗った彼は三十代前半と言った風貌で、クリーム色に近い茶色の髪を綺麗に整え撫でつけた精悍な男性で、魔法と言うより騎士とか軍部に近い人間な感じがした。
「室長、彼って確か魔力が無いのに帝都経理部に配属された新人と違います?」
室長と呼ばれた人のすぐ後ろにいた若い次席の男性がそう言うと、さらに後ろにいた人達がざわついた。
「カサル、帝都経理部に連絡して彼の配属先を魔法管理部へ異動させるように」
カサルと呼ばれた次席が、すぐに経理部へ連絡を取ろうとした。
「あの! 僕は今初めて魔力があるって知ったので、魔法なんか何も勉強してないので使えません!!」
魔法なんか使った事も無いのに、職場が変わるのは避けたかった。
「トロワさん落ち着いて、君の体の事もあるし魔法管理部への異動を受けた方が良いと思うよ」
「ん? 体の事とは?」
「彼、妊娠初期だから、」
「あの!、その、えっと、あくまで僕のプライベートな事なので」
ギルバルディ室長は短く息を吐くと、厄介だなと言う呟きが聞こえて来た。
「や、厄介だと思うなら、異動はさせないで下さい!」
必死で入った部署なのに!
「あぁ、厄介だ。
君の相手は誰であれ、私としては厄介だとしか思えんからな。
その魔力に目を付けないとも限らないだろう?」
ベオクはもう、僕をいらないと言ってるのに。
「この子は僕だけの子です。
相手なんていません!」
「いやいや、相手もおらんのに妊娠はできへんやろ?」
さっきのカサルと呼ばれた次席が突っ込みをして来たけど、この子の存在をベオクに知らせる気は毛頭なかった。
「もう、別れたんです!
それに僕の事は魔力無しだと思ってますから、異動になったら知られることになります!」
そうだ、いくら何でも経理部はベオクの実家とも繋がりがある。
「魔法管理部で君を保護するんだから、情報が洩れる事は無い。
表向きの配属は経理部にしてやろう。
だが、相手がこの事実を全く知らないと言うのは幸いだ」
プライベートだと言いながら盛大に自分で暴露してしまった。
「シアン君、相手がどんな奴でどんな事情があったか分らへんけど、こんな事になってんのに別れたって事は相手からやろ?
それなら尚更これからの生活とか仕事とか、特に出産の為の準備とかしっかり考えなあかんよ。
親になるんやから。
ちゃんと子供の事考えてやり? な?」
そうだ、この体がどうなっていくのか分からないけど、仕事が続けられるとは思えない。
「シアン・トロワは魔法管理部の所属となり、名前も全て変わり帝国の爵位が与えられ報奨として邸宅と生活費が出る。
子供を育てる環境も整う事になる」
「で、も、両親が」
親がやってる代筆屋だってある。
「ではここへ呼び、今の状況を私達から説明しよう」
「そうですね。
お母様が同じ男性妊娠体なら、事の重大さはご理解いただけると思いますよ」
ギルバルディと医者が一緒になって説得をし始め、後ろに控えていた魔法管理部の人達でゲートを開くと、両親を招喚した。
何から何まで、事が進むのが早すぎてついて行けなかった。
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