その執着は今更です。

ビーバー父さん

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悪いのはチャラ男

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「最近ご活躍の公爵様と争うつもりは毛頭ございませんって」

 ホストの様なギルドマスターはニコニコと笑いながら飛び散った血をクリーン魔法で綺麗にしていった。

「そこの受付がした事を既に理解していると思って良いようだな」

 モンブラン公爵は先ほどのあからさまな会話を再度確認して、処罰の方法を考慮すべきだと言った。

「手っ取り早い方が良くないですか?
 そこのルイでしたっけ、とても誰かを処罰できるような方には見受けられませんし、代行したと思っていただければ」

「僕は謝罪だけで構いませんでした。
 ロイズの事なんかなんとも思ってませんでしたし、嫌がらせするくらい好きならその気持ちをロイズにぶつければいいって思いましたし。
 そりゃ、僕も好きなら話は別でしたけど、まったく、なんとも、これっぽっちも! 好きではないので正直自分に悪意を向けられてもどうにもならないと言うか、解決はしないのでは? と思うんです」

 僕がいなくたって、今までがチャラく色んな人に良い顔をしてるみたいだから、争いは絶えないだろうしね。

「ぐぅ、うう~」
 
 血が止まらず、顔と言うか頬を抑えて呻いている受付の人に、僕はもっと残酷な事を提案した。

「僕を再起不能にするより、ロイズを再起不能にしてあげて、貴方が面倒を見てあげれば良いんじゃない?
 そうしたら他の人の所へなんかいけないでしょ?」

 僕の言葉の意味に気づいた二人は、少し驚いて見せた後息を吐いて肩をすくめて見せた。

「やれやれ、意外と酷な環境を経験してる人なんですね」

 人を不倫した相手の修羅場みたいな状態にしといて、何言ってるんだか。

「モンブラン公爵も、先ほどおっしゃったように、これは僕の問題なので取り敢えずここまでにして下さいね」

 釘を刺すように言うと、少し不満げな顔をしながらも了解してもらえた。
 そして、ギルドマスターは他の索敵依頼が出てるから、そっちを受けるかどうか聞いてきた。
 僕としてはここで受注をして実績を作りたいだけだから、ランクに見合った依頼であれば受けると答え、モンブラン公爵はくれぐれも今回の様な事が無いようにと苦言を呈して終わらせた。

「あ、モンブラン公爵様はお待ちいただけますか?」

 ギルドマスターが呼び止めるのを無視して僕と出て行こうとした。

「待って、待ってくださいよ」

「時間を無駄にしたくない。
 用事があるならこの場で言え」

 目くらまし魔法が解かれた廊下はそれほど長くもなく、確かに奥まってはいたけどさっきみたいな感じではなかった。

「えー、では。
 祖国の方よりお見合いのお話しが来ております。
 我が国の伯爵令嬢が候補に挙がっておりますが、日程はいつにいたしましょう?」

 独身になった公爵がいつまでもフラフラしてるわけにはいかないか。

「なに?」

 モンブラン公爵はひと際低い声で聞き返した。

「ですから、残って下さいって言ったじゃないですか」

 あっけらかんと笑って、言ったよね? と同意を求めて来た。








 やだ、ここ無人島じゃない!!
 あいつ等、次に会ったらただじゃ置かないんだから。

 取り敢えず簡単な地図を片手に島を探索してみた。

「ふ~ん、一応魔獣の生息地は合ってるのね」

 そこまで強そうな魔獣がいる島では無かったから、腰に巻いてある鞭を取り出すとワンちゃんっぽい魔獣の躾から始めてみましょう。

 ピシ―! ピシ―!

「ㇵッ!! ほらほらどうしたの?」

 グルルルル!
 
 うなり声を上げても襲い掛かれないみたいで、私の鞭捌きから逃れるだけのワンちゃん達のリーダーと思しき毛艶の良い大きなグレーの子を追い詰めてみた。
 
 足元を鞭で叩くと、まるでダンスを踊るように必死で避ける。

「あら、上手ねぇ」

 そうやって数時間攻防を続けていたら、いつの間にか意思疎通が出来るようになっていた。
 やっぱり、ゲーム設定は聖女だもんね。

 こういう時はムツ〇ロウさんの気持ちになって、遊んであげればいいのよ!

 リーダーが頭を垂れれば、群れは皆それに従う。
 
「おーっほっほっほ!!! 良いわね、最高よ!」

 この島の魔獣を従える準備も出来たし、今日の寝床は彼らに準備してもらいましょう。
 
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