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「ふ、ふ
 海江田さん、すごいよ」

笑いながら目が覚めた。
笑いながらなんて、どのくらいぶりなんだろう。

「何がすごいのかな?
 ん?」

目が笑ってない、お義父さんと侑士が。

なんで、これ?
何があったの?

「ナニが、凄いのか、教えてくれる?」

夢だよ?
蹴ってお星様にしちゃったって言ったら、侑士はやっと笑ってくれた。

「海江田さんのキック凄かったんだよ
 キラーン⭐︎て感じで消えたんだよ」

ベッドの真ん中に寝たまま、侑士が手を握ってキスをしてくれた。

「まだ、俺のこと好き?」

「ずっと好きだよ」

「きっと、汚い傷とかある醜い体だよ?」

体が綺麗だから好きじゃないよ、って頭を撫でてくれた。

ギュって抱きしめて、侑士に好きって言った。

お義父さんは優しく笑って、そっと口づけて、ゆっくり舌を舐る。

「ぁ、ん
 あ、あ、ん」

変な声が出る。

下半身が痛い。
寝起きだもん、勃ってるから!
おしっこ行きたい。

「んぅ、おトイレ行きたい!
 どいて~
 漏れちゃうから!」

「んー、どうしよっかなー」
侑士殴る!
マジで行きたいんだってば!

あのどうしようもない、尿意をどうにか気を逸らしつつ、蹴る!
スカッて外れると勢い余って出そう!
尿漏れパッドくださーい!

1人小芝居してる場合じゃ無かった。

「まじ!まじで!
 おしっこ!
 お義父さーん!助けてー!」

上から乗っかってる侑士を睨んで、隣にいるお義父さんに助けを求めた。

「わかった、お風呂行こっか」

「ちがう!トイレ!」

これ絶対違うやつ!

ドラ○もんを呼ぶしかない!
「海江田さーん!!!!」

「さとるくん!
 何があった?!」

本当に来てくれた!
涙目になりながら、海江田さにてを伸ばして、おしっこ行きたい、ともにょった。

分かってたけど!

盛大に笑われたよ!

仕方ないじゃん、離してくれなくて、漏れそうだったんだもん!

サッと2人から引き離してくれて、何故かそのまま抱っこでトイレに連れて行かれた。

扉の前で待っててもらう。

個室も怖くなってて、中からずっと声を掛けてた。

「海江田さん、いるー?」

いるぞーって返事が来ると安心する。

「海江田さん、ちゃんといるー?」

いるぞーっ

「海江田さん」

いるぞーっ

「かいえ」

いるぞーっ

リアル3枚のお札のようだった。



急いでパンツをあげて、急いで出た。
扉を勢いよく開けすぎて、海江田さんの背中にゴンって当たった。

「ごめん!大丈夫?」

「大丈夫だ、ちゃんといただろ?」

「うん、ありがとうございます。」

「だから、そんなに焦るな、な?」

厳つい笑顔もいいもんだなー。

トイレ問題をどうにかせねば。
毎回立っててもらうのは流石にね。
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