神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界来ちゃったのかな?

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髪を梳かれる気持ち良さが、眠気を誘った。

お母さんもこんな風に優しいといいなぁって思いながら、眠りに落ちた。





真っ暗な闇の中で、叫び声が聞こえた。

怖い、怖い、その場から動けなくて、その叫び声を聞くのが怖くて、耳を塞いで大きな声で歌った。
元気が出る歌。
俺が小さい頃、みんなは旅行で1人置いていかれた夜に、一生懸命に歌った歌。
歌なんて誰も教えてくれなかったから自作自演だけど、大事な歌を歌った。

かみさまがたすけにくるんだ
だからがんばるんだ
かみさまがつよいひとをつれてきて
たすけてくれるんだ
がんばーる

そんな歌を繰り返し呪文のように歌った。
メロディなんてなくて、ほんとに笑っちゃうんだけど、俺には強い歌だから。


歌い続けてたら、いつの間にか叫び声が聞こえなくなってた。

そっと目を開けて周りを見ると、薄ら明るい中に、泣いてる人がいた。
歩いて近づくうちに、何故か子猫の姿になっっていた。


「ねぇ、大丈夫?」

泣いてるのは女の人で、凄く綺麗な人だった。

「あら、可愛い猫ちゃんのぼくは迷子なの?」
「ううん、迷子じゃないよ。
 神様のとこに帰れるから
 お姉さん、迷子なの?」

綺麗な人はふふふって笑うと
「お姉さんじゃないの、お母さんだから。
 おばちゃんね。」

「!」

お母さんって言おうとして目が覚めた。

あの人は、俺のお母さんかな?
お母さんだったらいいなぁ、お母さん…泣いてた。
あんな寂しくて怖いところから出してあげないと。

柔らかなベッドの中で目が覚めた。

「お、かあさん」
声に出して見ると、すごくあったかい気持ちになった。
俺、今こんな姿だから、分かってもらえなくて怖がらせちゃうかも。

でも、亜希じゃなかったら、黙ってたら怖がらないかな?

ベッドでゴロンゴロンしてたら、神様が来た。

「アキ、新しい精霊王が決まったよ。
 おいで」

「え?!」

神様に手を繋がれて連れていかれた部屋に、ラザル、ラバル、ラシルがいた。

「戻ってきたの!?」

神様を見上げるとにっこり笑いながら、頷いた。


「アキ様!」
「アキ様」
「アキ様!!」

「三人とも精霊王に戻れたんだね!!」

「はい、みな戻れました。
 アキ様には、本当に申し訳なく、この命賭しても、必ずお守りすると誓います。」

光の精霊王ラザルが仰々しく頭を垂れた。

「ラザル、嬉しいです。」

「アキ様、私の全ての力を貴方と共にお使いください。
 永遠の愛を貴方に違います。」

水の精霊王ラバルが中世的な癒し系から綺麗系の美丈夫になって跪いた。

「ラバル、よろしくお願いします。」

「アキ様、精霊王として次代の候補を連れてきました。
 もし、私が逝くような事があれば、その瞬間からこの者が次代の精霊王となります。
 最期の一瞬まで貴方と共に。」

風の精霊王ラシルが次代の王をって何それ?

ラシルの後ろにいたのは、まさか!
兄貴の友達で、俺が好きだった人。
イラつくくらい、嫌いだと言った人がいた。

ガクガクと震えながら、立っていられなくて、神様の袖を掴んだ。

「神獣って、こんなに綺麗なんだ。」

「控えないか!フィル!」

やっぱり、やっぱりだ!
神様を見上げるとニコッと笑って、大丈夫と伝えて来た。



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