神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界は続くよどこまでも

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姫を抑えたロークの息子が見た光景はグロテスクとしか言いようがなかった。

ロークの息子が姫を拘束した時、まだまだ臨月ですらなかった腹が、見る見るうちに膨れ上がり、中のモノが凄い勢いで成長していくのが分かった。

「なんだ、これ
 トリスタンが中にいるって聞いてたけど」

「浅ましいバケモノですね、これは」

神とライカスが姫の腹を食い破って出てくるバケモノを眺めていた。

「く、そ、
 おまえ、ら
 おれの、おじうえを、よこどり、しやがって」

姫の腹から血塗れで這い出て来たのは、トリスタンの面影すらなかった。
と言うより、完全な形ですらなかったからだ。

腹を食い破られた姫は既に絶命していたが、その肉体を残しておくのは違う気がしたライカスが、その体を燃やし尽くし霧散させた。

「君さ、色々計画が穴だらけで
 軌道修正ばっかりしたみたいだけど、
 なんで?」

神がトリスタンであろうバケモノに問うた。

「おれ、は
 おじうえ、が、すきだった
 だから、はんりょは、おれのはずだったんだ
 なのに、あきが、あらわれて
 おれ、を、じゃまに、しはじめた
 だきしめて、くれて、いたのに」

「あー、これ、親父が悪い奴だな
 ほんと、ドクズだな、オヤジは」

ライカスが不愉快極まりない表情で吐き捨てた。

「確かに、ね。
 アキは何も知らないまま、オプスクリタスに嫁したようなもんだからな。」

「でも、トリスタン、お前は子供としてしかみてはもらえていなかった、それだけは確かだ。
 親父が優しくて惚れるのも分かるけどな、アイツは無意識にフェロモンをばら撒いてるアホなんだよ。
 子供のワガママで通るうちで諦めときゃいいのに。」

ライカスが燃やそうと炎を出したとこで、アキとオプスクリタスが到着した。





「全ては、親父が招いた結果だ。
 抱きしめられるたびに、トリスタンは愛されてると思ったんだよ。」

塊の様なバケモノになってしまった、トリスタンの傍に膝をついて、タロー様が眺めた。

「そうか、だから?
 ライカス、私が選んだのはお前の母であるアキ、ただ1人だ。
 子供の独占欲か、横恋慕だか知らんが
 その責任は我には無いな。
 全ては本人だろう?
 辛いから?可哀想だから?
 ならば、ライカスは好意を寄せた全員が納得する答えをもっておるのか?
 違うだろう?
 誰かの犠牲や、涙の上に立つのは当たり前だろうよ。」

「くっ、」

「誰かのせいにできる程度の愛情なら、その辺の石ころとでもまぐわっておれ
 愛しい息子よ」

「タロー様、石とはなんですか、
 ライカスも無理に大人になる必要はありませんよ。
 まだまだ、赤ちゃんでいいの、ね?」

取り敢えず、とタロー様がトリスタンに慈悲は無い事を告げた。

「さようなら」

俺はもっと自分の口から、罵詈雑言が出るかとおもっていたけど、一言だけの別れの言葉だった。
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