神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界家族

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こちらの時間で丸一日、向こうでは何日経っているんだろうか?

なかなか、神様が戻ってこない。

「タロー様、
 神様、遅すぎませんか?」

この時、俺達はまさか二人がくっつくとは思っていなかった。
アウィスの為だと思えたし、神様がラエヴの言葉を本気にするとは思えなかったから。

それに、アウィスが黙ってるはずがないと分かっていて、神様が受け入れるとは到底思えなかった。










前の様なタイムリミットは無いけど、迎えに行こうかと話していたら、二人が戻って来た。

しかも!
ラエヴが神様の腰を抱いて!!

「ち、ちょっと!
 なにこれ!!」

思わず、抱いてる手をビシッと叩き落としたよ。

「なんだ、予想に反して、くっつくのか」

タロー様がさも可笑しげに、肩を震わせた。

「タロー様!
 これダメでしょ!」

「アキ、二人の決断を聞こうじゃないか。」

俺を横に据えてその腰を抱きながら、さあ、言えと促した。

「私たちは伴侶になる事にした。」

神様の第一声がこれだった。
確かにもう態度で分かりきってるくらいだけど、それでもそれでもだ、アウィスはどうするんだ?

「俺は、神様が苦しむ様な事には反対です!
 アウィスからの嫌がらせとか、ラエヴのアウィスへの気持ちとか、その反対でアウィスからラエヴへの気持ちとか!
 泣かせる様な事は認め
られません!」

「アキ、まだ話は聞き終わってない。」

タロー様は冷静と言うより、冷酷な感じで俺を諫めた。

「続けろ」

その冷たさに、俺は一瞬ビクついた。

「ラエヴを失いたく無いから、私も人になろうと思う。」

え!?

「私たちはたとえ、伴侶になったとしても、真名を持たない人では、同じ時間枠で生きる事が出来ない。
 シムラクルムを遺して逝くわけにはいかない。」 

ラエヴが神様を人にして、同じ寿命の長さを生きると言った。
 
は?人になる?
何言ってんの?

俺の中の凶暴な何かが頭を持ち上げた。

「ふふん、それで?」

「私の後をライカスか双子に任せられないだろうか」

その時、初めて神様が震えていたのに気付いた。
ラエヴを失う事が怖いのだと。

「そんなに、そんなに、ラエヴが好きなの?」

「あぁ、ラエヴが消えてしまえば、心が壊れてしまう程に」

なんて綺麗に、そして誇らしげに笑って言うんだろう。

「シムラクルム、ラエヴの寿命がどうにかなればいいのだな?」

タロー様の言葉の真意が分からなくもないけど、寿命だけの話では無いと思う。

「タロー様、アウィスの承諾が先ではないですか?」

震える神様の肩を抱いてるラエヴをキツく見据えながら、アウィスの問題をどうするのか、と問うた。

「アウィスは、ラエヴを慕うあまりあの様な事になったが、此度はどうなる?
 思い余って、其方を刺し殺すかもしれんぞ?」

あの時は関係のない子まで巻き込んだ。
なりふり構わず、好きな人に向かっていく姿勢は嫌いじゃないけど、自分勝手に関係の無い人達にまで、巻き込まれた影響が出るのは許せなかった。

「アウィスは、私が話して分かってもらう様にする。
 シムラクルムを傷つけたりさせない」

ラエヴが俺達の顔をしっかり見て、そう力強く告げた。
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