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36 終話その2※
しおりを挟むあぁぁぁあああ!!
テイトの受けた衝撃は、これまでの虐待の痛みとは全く種類が違っていた。
ザクロを不安にさせないようにと我慢していた声が、余りの衝撃に叫びに変わってしまった。
「テイト! すまん、本当にごめん、止まらないんだ」
盛りのついたサルじゃあるまいし、とザクロは自分を自制しようとしてもテイトの中に入り込もうとする自分自身を制御することは出来なかった。
「ザ、クロ、あ、あん、いた、い」
テイトの訴えの中に甘い物が感じ取れた。
「テイト、動かずにじっとしているから」
ほんの少しだけ残っていた理性で、自分勝手に快楽を追いかけたいのを必死で堪えて、テイトの中で動かさないように頑張っていた。
「あ、あ、あ、や、ビクビク、してる」
テイトの体の中に隙間なく埋め込まれたザクロのペニスが、時折本人の意思とは関係なくビクビクと跳ねた。
動かないように必死で自分を止めているのに、言う事を聞かない下半身のザクロが勝手に跳ねていた。
「う、す、まん、テイト、愛してる」
「ん、ぁ、ザクロ、好き」
睦言すら拙いテイトに、庇護欲や独占欲、色欲もあらゆる欲がザクロの脳内を占めていた。
クチュ、ヂュ
動かずにいたはずが、少しずつ体が揺れザクロのペニスはテイトの体の中を侵食して行った。
まるで瓶に入った塩が揺らされてその嵩を馴染ませるように、少しずつ揺らされてテイトの内襞はゆっくりと。だが確実にその形を覚えさせ慣らされていっていた。
「あ、ん、あ? あ」
ほんの少しズレた動きをされ、テイトは感覚が変わるのが分かった。
中から出ようとするわずかな動きと、自分の中の何かの神経に触った感触。
それが快感なのだと分かるまで、あと少しだった。
「んんあ、あん」
鼻にかかった声を上げ始めるテイトが、その身体を開き始めたのを合図として少し大胆にザクロの腰が動いた・
「ああん!!」
「っ、痛む、か?」
息を懸命に吸いながら、ただただ、好きを繰り返すテイトの頬や髪、そして唇にキスをしながらその腰を動かした。
ザクロの腰が大胆に動く度、テイトはこれまでの声色とは違った媚びる様な喘ぎをあげ、その声を聴く度に腰は早さを増した。
「愛してる、テイト」
「うん、僕も、愛してる」
少しだけ目じりに涙をためながら、自分からザクロに腕を伸ばして抱きしめた。
「僕、ザクロの幸せだけを願ってたけど、僕も一緒じゃなきゃ嫌だよ」
「同じ幸せの中で生きて行こう」
「うん、幸せだよ」
ザクロの腰がひと際深く、そして早く動き愛するテイトの最奥で弾けた。
くすくす、きゃっきゃっ
ん、まぁ、あうぶ
テイトは夢の中で小さな赤ん坊の笑い声を聞いた。
同時にザクロもその声を聞いて、眠りの中で授かったのだと意識した。
「テイトの子供、凄いね」
「うん、すごいすごい」
風の子らがまだ形すら曖昧なはずのテイトの子を、祝福していた。
終わり
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