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天界よいとこ一度はおいで
悪徳
しおりを挟む矛盾だらけの話が、なんで通るんだよ?!
「ウリエル!
俺を見て、俺が誰にどうして刺されたか考えて!
話が矛盾してる!」
「あ、イズラエ、ル」
まるで何か催眠状態、いやマインドコントロールされてる様な感じから、やっと自分の頭で考え始めたような、そんな表情をした。
「よかった
ウリエル、俺がいるよ、側にいる」
背中が痛んだけど、酷く冷や汗をかいてしがみつくように抱きしめるウリエルの好きにさせておいた。
「イズラエル、イズラエル!」
「うん、ウリエル」
背中に腕を回して、俺が抱いてあげた。
「ハルカ、もう、ウリエルをお前の好きにはさせられない。
意味がわかるよな?」
歪んだ笑顔を作ったまま、興が削がれたと言いたげに、肩をすくめてみせた。
「お前さ何なの?
大体、辻褄があってないことにも
流されてしまう、ウリエル様が悪いだろ?」
また、おかしな事を。
これが、悪魔か。
「残念だけど、俺にはその会話術は効かないみたいだな。
と言うか、ハルカ自身が元々バカなのに、
お前みたいな小物の悪魔が入り込むからその程度なのさ。
つくづく、悪魔は馬鹿だなあ」
「な!
何言ってんの?
僕が悪魔な訳ないじゃん!
ちゃんと人間だよ!
高藤 泉水って名前もあるんだから!」
「は?!」
それ、あれじゃね?
最悪最低な遊び人の!
「ウリエル!
高藤 泉水ってあれだろ?
俺と間違えて、遊び人でってやつ!」
「そうだ、お前はハルカじゃないのか?!」
「ハルカはウリ専の時の源氏名だよ!
だから、人間なの!」
最悪、バカと悪魔がタッグ組んでたわ。
「えーっと、死してなお悪徳を尽くす者に
断罪をお与えください。
悪魔の所業により穢れた魂の救済を
かな?」
「イズラエル、ハルカの魂の救済は必要ないだろう
断罪と地獄へ還れ、悪魔め!」
ウリエルがやっと体勢を立て直して、その手には神から与えられた炎の剣で、ハルカの体を一刀両断した。
あらら、ハルカはばかだよな。
いいとこ取りしようとしたんだろうけど、天使は基本神に仕える、怖い生き物なんだから、自分の中の正義が崩れたら、悪しかのこらずに、そのまま消し去られるだけだって、まあ、気付く訳ないか。
炎でそのまま焼き尽くされたハルカの残りカスの中から、小さな悪魔の焼かれた残骸も見つかった。
サキュバス、淫魔のようだった。
「元々、人間界からサキュバスに取り憑かれていたのだろう。
高藤泉水と言う人間のデータを隠せるはずがないのだから。」
「惑わされてたから?
矛盾にみんな気付いてないって
やっぱりなんか、あった?」
そんな簡単に、惑わされるかよ?
ペロッとは、ないか。
手を出さないからやった的なこと言ってたしなあ
ふと、ウリエルの方を見ると、なんかすごく嬉しそうだった。
「イズラエル、私をウリエルと呼んでくれたな。」
「あ、咄嗟に
ごめんなさい。」
「嬉しかった。
イズラエルの声が、私を正気にもどしてくれた。」
「だって、それは
俺が恋人でしょ!」
ははは!と笑って俺に深くキスをした。
サキュバスごときに、ここまで振り回されるはずがない、と俺は警戒していた。
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