ヘビ女王の異世界建国記 ~子育てしながら魔王を目指すぞう! アレ!?~

E・S・O

文字の大きさ
13 / 22
第一章・生きるため

第10話 神滅の月十八日・新しい命の誕生 ②

しおりを挟む
 そう思っていた我が、本当にバカだ。

「お腹に…… お腹に何が動けている…… 動かないで…… 痛いよ!」

 暖かい魔力がお腹に集中した後、全身に循環していた。再びお腹に集めた。しかし、今回は暖かい感じじゃない! お腹が締め付けられるような陣痛が始まった!

 これが生産の痛みなのか!! 体の外観があんまり変わっていない。お腹もさっきと同じ平たいのに、子供はどこにいるよ!!

「また来るか!! 腰が…… 腰の骨が砕ける!!!」

 腰の上をドラゴンに踏まれたようだ。骨が粉々になったようだ。

 今まで、我が色んな死に方を体験していた。しかし、死のことは、生産の痛みと比べ物にならないよ!! 次元が違うよ!!

【魔物接近中!カエル3体です!】

 三匹のカエルが水からに飛びあがった。我の姿をじっと見ていた。

「何じろじろとこっちを見ているのよ!! 死にたいか!!」

 カエルたちがまるで恐怖なものを見たように、水に逃げちゃった。

 怒りが痛みを和らげたようだ。さっきよりちょっと軽くなっていた。

「まだか! まだ終わらないか!! だ…… 誰が…… こ…… 殺せ!!」

 陣痛の間隔がだんだんと短縮になっていた。歯を食いしばって、両手が拳を握って、渾身の力で叫んでいた。

「絶対! 絶対に耐えてみせろうううう!!!」

 ……

【魔力採集完了!今すぐタマゴを生成します】

 陣痛が止まっていた。腹部から四つの光が外に漂っていた。これは…… 生命力の鼓動が聞こえ出来た! 

 光が緩めて苔の上に落ちており、四つのタマゴに変わっていた。

「は…… は……」

 息が荒っている我が、四つの命を見って、笑っている。まるで先ほどの痛みを起こらなかったようだ。

 四つのタマゴは色違い。そして、上に異なる模様な紋章が付いている。

 すべてを飲み込む闇のような黒いタマゴに、コウモリ模様の紋章を付いている。

 夕焼けのような美しい琥珀色のタマゴに、ドラゴンとサクラという花の紋章が付着している。

 日輪のように情熱的な赤いタマゴの紋章は、すべてを燃え尽くす炎である。

 三つのタマゴは、別々にクラインさん、セツナさん、そして夏凛さんだよね。それじゃ、最後のタマゴは誰?

 輝いている銀色のタマゴに、三つの首が生えていた犬の紋章が付いている。

『本当に面白いヘビだ。もし生まれ変われるなら。あんたとひざを交えて話し合いたいな!』

 これは、血の地獄にいるケルベロスの遺言だった。

「そういうことか! なるほど! 我もあなたと会いたかったよ!」

 ……

 そうだ。サポートシステムで、子供たちの状態を見よう! 

【名前:なし 種族:? 性別:オス レベル:1 種族ランク:? 種族レベル:1 HP:? SP:? FP:0 攻撃力:? 精神力:? 防御力:? 魔法防御力:? 素早い:? 状態:孵化中 スキル:???】
【名前:なし 種族:? 性別:メス レベル:1 種族ランク:? 種族レベル:1 HP:? SP:? FP:0 攻撃力:? 精神力:? 防御力:? 魔法防御力:? 素早い:? 状態:孵化中 スキル:???】
【名前:なし 種族:? 性別:オス レベル:1 種族ランク:? 種族レベル:1 HP:? SP:? FP:0 攻撃力:? 精神力:? 防御力:? 魔法防御力:? 素早い:? 状態:孵化中 スキル:???】
【名前:なし 種族:? 性別:メス レベル:1 種族ランク:? 種族レベル:1 HP:? SP:? FP:0 攻撃力:? 精神力:? 防御力:? 魔法防御力:? 素早い:? 状態:孵化中 スキル:???】

 何故!? どうして全部不明なの?

【この世界に存在していなかった種族です】

 なにいいい!!! 我の子が、存在しない種族なの!? これはどの意味?

 まぁ! それはどうでもいいよ。可愛い子だもの。

 ところで、赤ちゃんが何を食べるの? 母乳なんて我がないよ!! ラミアーに進化したから、生肉を一度食べたこともなかった。

 でもよ、赤ちゃんに生肉を食べさせるなんて、できる母があんの? はやり、果物とかを探そう! マップ探索! 果物!

【地下迷宮には一致するモノがありません】

 ないか…… それじゃ、体力が少し回復したら、この子たちを連れて、外に行こう!

 これで、すべてが思う通りにしよう! 

 しかし、この時に、周りの水位が急に上がっていた。一瞬だけで天井までに水に充満していた。

 子供たちは!? 子供たちはどこ!!

 一瞬に起こったことにまったく反応出来なかった。気ついた時、タマゴは既に水で流されていた。

 その前に…… 岩!!! 早く助けないと!!!

 しかし、生産が終わったばかり我は、どうしても泳がない。タマゴと岩の距離があと僅かだった。

「我の子を…… 絶対に守る!!! 念力サイコキネシス!!!」

 念力サイコキネシスで自分を前に飛んで行った。

 あと少し…… あと少し…… !!

 やっと子供たちを胸に抱き締めて、守っていった。しかし、念力サイコキネシスの余勢で、左の肩が岩にぶつかってしまった。

「くっ…… !」

 痛みで左手は力が入らない。しかし、水の流れがどんどん早くなる。水流に流されてしまった。意識が失ってしまった。ただし、無意志的に、痛みを耐えて、必死で子供たちを守っていた。

 ……

「ここは…… 外?」

 目覚めた時。目に入ったのは、青い大空であった。周りが穏やかな川と見渡す限り果てしがない森だった。

 子供たちは!?

 胸で命の鼓動を聞こえ出来た。大丈夫よね…… 

 ほっとした我が、再び気絶してしまった。

 …………

「フンフン~ フンフンフン~ これでようし! 後は可愛い子たちの誕生を待つだけよ!」

 我が森の中に、木の枝と葉、そして果物を集めていた。ふわふわなベッドを作っていた。もちろん、二度と我の側を離れないため、集める時は念力サイコキネシスでタマゴを傍に漂わせっていたよ。。

 枝と葉で作られていたベッドに座って、タマゴをしっぽの上に載せている。急に風が起こる。赤い髪が風に靡いている。靡いている髪に沿って空を見る。

 僅か二日間の間に、傍の人が次々逝去した。そして、新しい命たちがもうすぐ生まれる。我が本当にいい母に成れるか? それはわからない。 でも、子供たちを守る気持ちが、永遠に変わらないよ!!

 何か、急に燃え上がっているようだ。こんな偉そうな言葉を喋るなんで…… 

 でも、世の中にいるお母さんたちにとって、これは極普通のことだよね。今は少しずつ母としての感じを見つけたよ!

「ポキー」とタマゴ次々とが割れていた。

 赤ちゃんたちが「わああ! わああ!」で泣き出した。

 これが、我の可愛い子供よね!!! あなたたちの成長を邪魔する奴、母は絶対に許さないよ!! 安心して、しっかりと成長しよう!

 子供が生まれた喜びに浸っていた我が、どんな辛い未来が待っているのか全然気づかなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...