ヘビ女王の異世界建国記 ~子育てしながら魔王を目指すぞう! アレ!?~

E・S・O

文字の大きさ
18 / 22
第一章・生きるため

第15話 神無の月二十一日・エクロス君の覚悟 ①

しおりを挟む
 この数日間、次男のエクロス君がずっと『地形を確かめる』という言い訳で我と一緒の時間を回避していた。やはり、反抗期なの? 他の三人が全部我と親しい子だったのに! 何故彼だけがこうなったの?

 親子時間を増やせないと、気付かぬままに、彼があの無表情メガネ男に成れてしまったよ!! 

 見ってくれよ! お母さんの愛で、あなたをいい子に戻るよ!

「ごちそうさま!(御馳走でござる!)」

 ようし! 今日は絶対に逃がさないよ!!

「エクロス君……」

 話したとたんに、エクロス君が立ち上がった。まるで何かを気付いたそうだ! 落ち着けかつ無表情な顔に現していた。

「クリオ、今日の狩り、止めさせてくれ!」

「アレいい、オレは大丈夫だが。なんか用があるか?」

 クリオ君が横に見て、蓄えた肉を確かめていた。

 エクロス君が差し指で山根さんこんのどころに押していた。森の奥に眺めて、何か確かめているそうだ。

 でもよ! その動きは何よ! あなたはメガネをかけてなぇよ!! そして、絶対にメガネをかけさせないよ!!

「ぅて、オレを無視かよ!」

 エクロス君は怒りで地面を踏み付けていったクリオ君を無視して、溜息を吐いていた。

「リスティア、あなたもな。変な魔法開発を止めて置け」

「何よ!! エクロス兄様! あたしの魔法はどこがおかしいですか!?」

 リスティアちゃんの頬がリスのように膨らんで、一方的な口喧嘩していた。

 そうよ! 自分の妹にあんなひどいことを言うものなの!? 彼女はたまに魔法で地形を変わっただけよ。

 三人の喧嘩がまだ続いている。セルシアちゃんはその中に喧嘩を仲裁している。さすが一番安心できる子だ。お母さんが大好き!

 爽やかな空は急に黒雲が垂れこめていた。強い風が「ビュウ、ビュウ」と空に鳴いていた。この光景は、まるで何か悪いことの兆候だそうだ。

「あなたたち、喧嘩はそろそろ止めさせてくれ! お客さんが来たよ!」

 エクロス君の思いかけない発言によって、我らが愕然していた。

 お客さん? 敵なの? サポートシステムが何の反応もなかったよ! またランク4以上の魔物か? あの程度なら驚くにはあたらないよね! なのに…… 何故!?

【緊急警報!強敵接近中!人間族2人!】

 強敵! 人間! あの勇者か!? 確か子供たちは強くなっていたが。あの勇者なら、まだ敵わない相手であったよ! そして、子供たちは不死身じゃないよ! どうする!? みんなすぐ逃げるか!?

「サラ、サラ」と、男女二人の人間が森から出てきていた。男性が緑色の服と革で作った肩防具を装備している。金属で作った弓を持ち、背中に赤い矢羽の矢を差す矢筒を背負っている。もう一人が紺色長い髪の女性であった。金色の糸を付いている黒いローブを纏って、宝石を鏤めている金色の杖を持っている。

 そして、あの二人の顔が、決して忘れないよ!! あの勇者におもねっていたアーチャーと魔術師であった!

 しかし、この二人の服がボロボロにした。そして、顔と手が小さな傷だらけだった。木の枝に傷つけていたのか?

「ほら! ディラットよ! あたしの言った通りよね。ここは魔物があるよ! イヒヒヒヒ!!」

 女の魔術師が不気味な笑い声を出し、杖の先端でこっちに指していった。

「ホ~ さすがフェオラの第六感だな! こいつは勇者様が殺したラミアーじゃないがぃ? まだ生きてるかぃ?」

 ディラットという男性が我の姿を見って、気付いていた。

「そんなことどうでもいいよ! てめえら! 森のトラップがてめえらの仕業だよね!?」

 フェオラという魔術師がまた更なる下品な顔に表し、声を出した! 彼女のお母さんの顔が見て見たいよ!!

 って、『トラップ』なの? そんな覚えがなかったよ。 でも、頭の中に、犯人の正体が知っているようだ!

 わあ! エクロス君が顔を横になっていた!! やはりあなたか!!! 

 でもよ! 彼は自分なりのやり方で、家族を守っていたよね! やはり、うちには問題児がなかったよね!

「こら! オレたちを無視するな! 魔物くせに、人間様を怒らせた結末、ゆっくり味わってくれ!」

 ディラットが弓の弦に矢をあてがいて、射撃の構えを取っていた。

「オイオイ! ディラットよ! こいつらは全部レア種だよ! 生きのまま捕まえたら、あの方が大喜びよね!! イへへへ!!」

 やはり、戦うしかないか? でも、本当に勝てる相手なの? さらに、人間を殺すことができの? 

「あなたたち、私たちを捕まえたら、何をするつもりか」

 考えている間に、エクロス君が彼らに質問していた。

「ホ~ お前らを待っている運命に免じて、慈悲深くて教えよう!」

 ……

 彼らによると、勇者と一緒に召喚させていたある魔術師がいた。その人が生きのまま魔物を解剖して、様々な部位で新しい合成生物を創っていた。もちろん、我らもその『運命』を待っている。

 話で敵の情報を引き出そうしているのか。エクロス君が賢いな! それだけではなく、この二人を殺す理由も備えさせていた。生命を尊重しないなら、命を持つ権利がない!

「わかった。なら、抵抗させてもらうよ!」

 わあ! 無表情の息子がカッコイイよね! イヤ、今はそんなの場合ではないよ! 敵の実力がまた分からないので、予断は禁物だよ!

「はぁ? 抵抗? わざわざ生きるチャンスを放棄するつもりか! あのバンパイアたちと同じか!」

 あの女は何を…… バンパイアたち! クラウスさんのこと……か!! やはり、勇者たちの仕業だ!!!!

「お前らを…… 許さん!!! 殺す!!!」

 怒りで理性を失っていた我は、全身が暗いオーラに覆われていた。目が血のように真っ赤になっていた。まるで復讐するため、地獄から戻ってきた悪魔のようだ。

 急に誰が我の肩に手を置いていた。顔を横にして、エクロス君の無表情な顔が現れていた。

「お母さんは落ち着けないといけないよ! ここは私たちに任せてくれ」

 あぁ…… 我がさっき…… 子供の前に、冷静を失ってしまったよね…… 母として、失格だ…… エクロス君がいなかったら。彼らにあんな惨劇を見せってしまったよ!

「心配かけて、ごめんね。お母さんはもう大丈夫よ! 後はあなたたちに任せてお願い! 気を付けくれ!」

 我が正気に戻っていたことを見て、彼らの顔に表した心配な表情がなくなり、自信な笑みに表していた。

「あとはオレたちに任せてくれ!」

「母上を傷つけるモノ、拙者は決して許さぬ!」

「お母様、虫の片付けことは、あたしに任せてくださいよ!」

 クリオ君が手の甲に筋が浮き出るほど強く拳を握り締めっている。

 セルシアちゃんが剣の柄を握って、攻撃の構えを取り、満を持している。

 リスティアちゃんの手が既に燃えている炎に覆われている。目を細めて異様な笑顔に表していた。

「やれやれ…… 私もちょっと付き合いにしよう」

 エクロス君が緩めて空に浮かぶっていた。彼の口元が少しだけ動けていた。気のせいかな? 笑った…… の? 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...