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第一章
【13.ナオ 痴漢④】
しおりを挟むじわり、じわり、指が這ってくる。
割れ目を目指して、そしてお尻のずっと下側へ。
ぼくは額から汗が流れる。
祈るような気持ちで。
あとどのくらい耐えたら、終わるんだろう。って。
目的の駅に着くまで、それかそいつが降りる駅までに
これ以上大変な目に遭いませんように。って。
誰か、誰か気づいてないのかな。
変なことをしてる人がいるって。
ぼくはまた目を開いて視線を巡らせる。
でも、
誰もが誰にも注意を払ってない。
目を瞑っていたり、携帯を弄っていたり。
狭いのに折りたたんだ新聞を読んでいたり。
ねぇ、ねぇ!ここに、変な人がいるんです!
ああ、指が。指が這ってる。もぞ、もぞ、指が止まってくれない。
あっ
とうとう指の一本が割れ目に届いた。
ぼくはわかってるのに、わからせようと少し指に力が入る。
ぼくはきゅっとひっこめる。
でも指は離れない。
他の、下を目指す動きに合わせて、割れ目を下がってく。
割れ目の溝を進んでるといわんばかりに、その指はそのラインから外れない。
けどそこをまっすぐ進まれたらー
ぼくは女子じゃないから
でも
それでもそんなとこー
ふいに割れ目を這う指が二本に増えた。
二本の指が直列につながって溝を這う。
残りのパンツのないところを這う指は、
皮膚の上に薄い制服の生地だけだから感触が生々しい。
熱い温度が伝わる。
上からは冷房の風が吹いてきてるのに、
そいつの指は手は熱い。
ズボンはぴっちりしたものじゃないから、
本当はお尻の割れ目なんかはっきりしない。
陸上やってるときの食い込ませたパンツみたいに
割れ目がハッキリしてるわけじゃない。
それでもそいつの指は、
薄い生地を押して割れ目をくっきりさせていく。
時間をかけてぼくの制服のズボンを食い込ませていくみたいな。
もうすぐ穴んとこで、緊張する。
まさかそんなとこ、触らないと思うけど。
器官があるとこに近づくと、緊張する。
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