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治癒☆抱擁

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パサッと服が床に落ち、透韻の綺麗な身体が3人の目に映った。ところどころに痣はあるが大きな傷はなく肌の白さと身体の線美が目立つ。


「恥じらいもなくなったか」
「っ……見せろって言ったのは黎槐だろ……」
「そんな素直になっていたとは思わなかった。こういう状でお前の身体を見る事になるとはな」
「なら、満足か?それとも、このままベッドまで行くか?」
「あぁ──そうだな」


黎槐はスッと透韻に歩み寄り、そのまま床に押し倒した。


「痛ってぇ……」 
「誰にでも脚を開くようになったか。呆れたな」
「うるせぇな!ヤルならさっさとやれよ」
「悪いが、今のお前には何の魅力も感じない。このまま喰っても不味いだけだ」
「……なら何で押し倒した」
「その気にさせてくれるかと思ったんだがな。どうやら私はお前を買い被り過ぎていたらしい」
「あぁ、そう。悪かったな、腐ってて」
「欲求不満なら緋音にでも抱いて貰え」


いきなり名を出された青年はピクッと反応した。


「俺がヤッてもいいの?」
「好きにしろ」
「なら、遠慮なく」 


緋音は気分上場で透韻をヒョイッと抱き上げるとそのままベッドへと直行した。


「いいの?」
「緋音に任せる。愛姫、お前もまだ休んだ方がいい」
「……うん」


あの時のダメージが大きかったのか、愛姫はまだ身体が怠そうで惚けていることが多い。黎槐は愛姫を連れて違う部屋へと移動した。



どんっと乱暴にベッドに下ろされ、透韻は状況判断する間もなく身体に触れられビクンと反応した。


「まさか天使を抱けるとは思わなかったなぁ。ラッキー」 


緋音は慣れた手つきで透韻の身体を触っていく。


「っ……」 
「声出しなよ。その方が感じてるのか分かる」
「……嫌、だ……」
「ヤクザにも散々弄ばれたんだろー?可哀想に。俺が全部忘れさせてやるよ」
「んっ……」


乳首を舐められながら片方の手でアナルを弄られ、淫らに良がってしまう。


「カワイイね。抱き甲斐あるなぁ」
「……指……やだ……」
「なんで?感じない?」
「焦れったい……」
「なら、もう挿入れちゃうよ。準備OK?」
「えっ……」
「大分解れてるし、痛くないと思うよ」 


緋音に流されるままに透韻は身体を委ねてしまっていた。


「ぁ、んっ……」
「痛い?奥まで入ってるけど」
「……っ」
「感想言ってくんないとワカンナイんだけどなぁ」
「ぅあっ……!お、く……やめ……」
「もっと奥まで突いちゃうからさぁ。喘ぎなよ。声聴かせてほしいなぁ」
「んっ……」


グリグリと中まで遠慮なく突かれ、気持ちよさより圧迫感の方が強かった。


「気持ちいい?」 
「……苦し…… 」
「イマイチって感じか」
「……あっ」


緋音は不意にペニスを抜き、透韻の脚を広げながらアナルに舌を伸ばした。


「ぇ……あ、やだ……」
「こっちの方が気持ちよくない?あんた、ここもキレーなんだな」
「それやだ……やめ……」
「身体ってのは正直なもんだなぁ。ピクピクしてんじゃん」
「やぁあ……そ……舐めな……で……」
「うん。イッちゃいそうだね」
「やだ…………っ」
「指でイカしてやるからな」
「ムリ……だめ……っ」


2本指で高速に責められ、透韻はすぐに射精してしまった。


「出すと気持ちいいだろ?もっと出させてヤルからさ」
「っ……」
「抵抗もしないって事は続けていいんだよね?天使チャン」 
「……好きにしろよ……」
「うん。声枯れるまで抱き潰してあげるから。カクゴしてね」


耳元で囁かれ、腰が疼く。
その後も緋音は満足するまでたっぷりと透韻を抱き続けた。





夜。
緋音にぶっ通しで抱かれていた透韻は漸く身体が落ち着きお風呂に入っていた。次第に快感を覚えていく身体に自分でも恐ろしく感じる。早く創葉を探しに行きたいのに一人ではもう無理だった。


「身体、大丈夫……?」


浴室から出ると心配そうな表情で愛姫が聞いてきた。


「なんとかな……。あいつ、やるだけやって放置とか最悪だ」
「今、黎槐と買い物に行った。暫くは帰ってこない」
「……そう」
「透韻。咲音と会わなかった?」
「咲音どころかお前らに会うまで誰とも会ってねーよ。お前は咲音と一緒だったのか?」
「うん……。でも……はぐれて……」
「そっか」
「透韻は……?何があったの?」
「……クソみてぇな話だぞ?それでも聞きてぇか?」
「話すの嫌ならいい」
「サンキュ。疲れたし話すの怠いわ」
「ベッドあるよ」
「あぁ……」


愛姫に案内され、透韻はベッドにダイブした。ふかふかな柔らかさにすぐ眠れそうだ。


「愛姫。おいで」


手招きすると愛姫は嬉しそうに笑みを浮かべ、透韻の元に駆け寄った。


「ちゃんと寝れてんのか?」
「……うん」
「黎槐は添い寝もしてくれねぇのか」
「……だって……黎槐には希澄がいるから。他の仲間には手は出さないよ」 
「希澄か。ずっと黎槐の事見てたもんな」
「みんながバラバラになって、輩に絡まれてた希澄を黎槐が助けたって。この前話してくれた」


透韻と向き合いながら横になり、愛姫は淡々と語った。


「あんだけうちにアピールしてきたクセに、希澄を選んだのかよ。美人なら誰でもいいんじゃねぇか」
「希澄はそれを承知で黎槐と一緒にいたって。黎槐、ちゃんと希澄の気持ち理解してた。ただの強欲だけなら透韻にだって手を出したかもしれないのに。さっきはそうしなかった。希澄のことを本気で好きだからだと思う」
「……あぁ、そう」
「愛姫は羨ましいって思った。凄いなって」
「そんな尊ぶ話か?」
「羨望……。愛姫は透韻の事も好き」
「そりゃどうも」
「こうしてまた会えて、嬉しい」


無邪気に微笑む愛姫に透韻は意外性を感じた。以前は大人しくてよくわからない奴だと思っていたが、こんな素直に感情を出せる子だったとは思わなかった。


「愛姫は可愛いな」
「頭、撫で撫でしてくれる?」
「いいよ」


甘え方まで染み付いている。一緒に寝る事も多々あったから今こうして隣にいるのが不思議だ。


「愛姫達は咲音と希澄を探してる。透韻も一緒に探して欲しい」
「うちも創葉を探してたから。協力する」
「……黎槐とも……喧嘩して欲しくない……」
「あいつの態度次第だけど。愛姫を怒らせる訳にはいかねぇからな。我慢するよ」
「ありがとう、透韻」


憤怒の死神は怒ったら何をしでかすかわからない。以前に一度、他人が愛姫をからかってえらい目に遭っていた。仲間内でも愛姫の怒りには触れないように意識している。穏やかな奴程怒ると手が付けられない。創葉も同じだ。


「おやすみ、愛姫」 
「透韻も」


その日は泥のように眠った。
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