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誘い道
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通学中に話を聞いて無く、紀糸に小突かれながらも学校に着いた。
特にあれ以来、不気味な出来事が起こらなかったのは幸いだ。
教室に着くと、今朝の出来事が嘘のように賑やかな教室であった。同級生が各々おしゃべりをしているいつもの光景だ。
「おっはよーっす!」
大きな男が僕の首に腕を巻き付ける。彼は『井崎能久』、デカい体格の割にいつもおちゃらけている。
「やめろよ、暑苦しい」
「いいじゃん、いいじゃん! おめぇらが熱々で登校するから邪魔してんだよ」
「うっ、なっ! そっそんなんじじゃないっ! 馬鹿じゃねぇの?」
紀糸は能久の言葉を全否定した。
「照れるな、照れるなって」
能久は引かずに茶化しながら僕を開放し、今度は紀糸の頭に肘を掛けて絡む。紀糸はその態勢まま手を上げ能久の顔に裏拳を食らわせていた。
「キイちゃん、どうどうどう…」
続けて教室に入ってきた黒髪の長髪の少女が、両手の手の平をかざしながら言っていた。あまり抑揚のない声で話している彼女の名は『宮奥七緒』、正直あまり表情が豊かではなく感情を外に出さないので彼女のことはよくわからない。
紀糸とはとても仲が良く、学校では大体いつも二人一緒にいる。
今も紀糸は七緒に羽交い絞めにされつつも、能久に対して犬のように唸り声を上げていた。この能久と紀糸の関係を喧嘩するほど仲がいいのか、犬猿の仲なのかはよく分からない。少なくとも能久は単純な紀糸を茶化すのは好きそうであるようだか。
僕は騒ぐ三人を横目に、呆れながら自席に移動し鞄の荷物を机に移した。
いつもの光景に飽き飽きする反面、今日も変わらない日常に安堵も感じていた。
先生が入ってくると先ほどのざわつきはピタッと止まり静まり返った。朝のホームルームだ。
覇気のない眼鏡の先生は低血圧そうなテンションでいつも通り、点呼を取り始めていた。
ホームルーム中は特にやることも無いので僕は今朝の通学路のことを落ち着いて考えていた。たぶん、見間違いだったのだろう。それか、寝不足による貧血だろう。以前、貧血になったときは視界が狭くなり黒い靄のようなもので何も見えなくなったことを思い出していた。
「笠原ぁ。金子ぉ、ん?金子は休みか……。株掛ぇ、おい、株掛。お前はいるだろ?」
紀糸は朝から騒ぎすぎたのか精も根も尽き果てたかのように机に突っ伏したままやる気のない返事をしていた。七緒も味方のふりをしているが紀糸をいじるのが好きなようで、能久と二人して紀糸で遊んでいたのだろう。
「上切ぃ」
僕はこの時間の唯一の仕事である点呼の返事を行いまた思索に戻ったが、正直結論なんて出るような物ではない。早々に忘れてしまおう。それが、一番の良策であろう。
また、僕は帰ったら一応ガーシャに相談して見ようとも考えていた。怪奇は怪奇の事情にきっと詳しいだろうと勝手に思いこんでいたのかもしれない。
特にあれ以来、不気味な出来事が起こらなかったのは幸いだ。
教室に着くと、今朝の出来事が嘘のように賑やかな教室であった。同級生が各々おしゃべりをしているいつもの光景だ。
「おっはよーっす!」
大きな男が僕の首に腕を巻き付ける。彼は『井崎能久』、デカい体格の割にいつもおちゃらけている。
「やめろよ、暑苦しい」
「いいじゃん、いいじゃん! おめぇらが熱々で登校するから邪魔してんだよ」
「うっ、なっ! そっそんなんじじゃないっ! 馬鹿じゃねぇの?」
紀糸は能久の言葉を全否定した。
「照れるな、照れるなって」
能久は引かずに茶化しながら僕を開放し、今度は紀糸の頭に肘を掛けて絡む。紀糸はその態勢まま手を上げ能久の顔に裏拳を食らわせていた。
「キイちゃん、どうどうどう…」
続けて教室に入ってきた黒髪の長髪の少女が、両手の手の平をかざしながら言っていた。あまり抑揚のない声で話している彼女の名は『宮奥七緒』、正直あまり表情が豊かではなく感情を外に出さないので彼女のことはよくわからない。
紀糸とはとても仲が良く、学校では大体いつも二人一緒にいる。
今も紀糸は七緒に羽交い絞めにされつつも、能久に対して犬のように唸り声を上げていた。この能久と紀糸の関係を喧嘩するほど仲がいいのか、犬猿の仲なのかはよく分からない。少なくとも能久は単純な紀糸を茶化すのは好きそうであるようだか。
僕は騒ぐ三人を横目に、呆れながら自席に移動し鞄の荷物を机に移した。
いつもの光景に飽き飽きする反面、今日も変わらない日常に安堵も感じていた。
先生が入ってくると先ほどのざわつきはピタッと止まり静まり返った。朝のホームルームだ。
覇気のない眼鏡の先生は低血圧そうなテンションでいつも通り、点呼を取り始めていた。
ホームルーム中は特にやることも無いので僕は今朝の通学路のことを落ち着いて考えていた。たぶん、見間違いだったのだろう。それか、寝不足による貧血だろう。以前、貧血になったときは視界が狭くなり黒い靄のようなもので何も見えなくなったことを思い出していた。
「笠原ぁ。金子ぉ、ん?金子は休みか……。株掛ぇ、おい、株掛。お前はいるだろ?」
紀糸は朝から騒ぎすぎたのか精も根も尽き果てたかのように机に突っ伏したままやる気のない返事をしていた。七緒も味方のふりをしているが紀糸をいじるのが好きなようで、能久と二人して紀糸で遊んでいたのだろう。
「上切ぃ」
僕はこの時間の唯一の仕事である点呼の返事を行いまた思索に戻ったが、正直結論なんて出るような物ではない。早々に忘れてしまおう。それが、一番の良策であろう。
また、僕は帰ったら一応ガーシャに相談して見ようとも考えていた。怪奇は怪奇の事情にきっと詳しいだろうと勝手に思いこんでいたのかもしれない。
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