ガシャドクロの怪談

水雨杞憂

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オカルト研究会

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 打ち合わせも無事に終わり外がだいぶ暗くなった頃には僕らは帰路についていた。 
 もちろん、その間に紀糸の愚痴を聞かされ続けながら帰っていたわけだが明日のことはちゃんと受け入れているようで安心した。 
 口とかは乱暴で適当ではあるがやることはしっかりしているのも彼女のよい所である。 
 そんな紀糸に別れを告げ僕は家の扉を開ける。 
  
「ただいまー」 
  
 電気がついていない玄関のスイッチを押しながら母親に我が子の帰宅を伝えた。
  
「おかえりー」 
  
 台所の方から母さんの声が聞こえた。 
 僕は洗面所で手を洗った後にちょっと様子を見るため、台所に顔を出す。 
 台所には炊き上がったお米の香りや、嗅ぎなれたスパイスの匂いが漂っていた。 
 どうやら今夜はカレーライスのようだ。 
  
「あら、どうしたの?」 
  
 僕の気配に気が付いたのか母さんはこちらを振り向き口を微笑ました。 
 鼻頭まで延ばされた髪を揺らし、口元でめいっぱい表情を表す。 
 それが目が悪い母さんの表現方法だった。母さんは幼いころに目を怪我してほとんど見えなくなってしまっていた。その傷はあまりにも周りの気分を害するものらしく、こうして隠しているのは母なりの気遣いらしい。 
 そんな理由もあり、物の場所が分かるように家はしっかりと整頓されていた。ただ、僕の部屋を除いて整理されているということなので母さんが僕の入ることはめったにない。そもそも、どこに何が置いてあるか分からず怖くて入れないらしい。 
  
「あ、ちょっとおいしそうな匂がしたから」 
「ふふふ、今日はカレーですよ」 
「何か手伝おうか?」 
「心配しなくて大丈夫ですよ。着替えてゆっくりしてきなさい。ああ、そう言えば今日は遅かったですね。何か用事があったんですか?」 
「あー。今日から友達の頼みで部活に入ったんだよ」 
「あらあら、いいわね。学生のうちにいろいろやっておきなさい」
「うん」 
  
 母は基本的に放任主義であるため詮索は行わないタイプである。だからと言っても、相談したときには親身になって聞いてくれるような人であった。 
  
「わかった、二階行くね。あ、ちょっと横ごめん」 
  
 僕はそう言って干してあった電気ケトルを手に取ると、母さんの横から水を汲んだ。 
 この電気ケトルはガーシャのためにいちいちお湯を沸かしに来るのが面倒だったため先日買ったものだ。 
 ぼくは、ケトルに汲んだ水を溢さないよう慎重に二階に上がって行った。 
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