19 / 29
19 チョコレートパフェ
しおりを挟む
「……そっか、ついに。ご結婚おめでとーございまーす」
「いやいや。まだ何にも決まったわけじゃない。ていうか、お付き合いとかもしてないから」
「いやいやいや。それ明らか付き合う流れじゃん。まさかこのまま生殺しにするつもりー? 悪魔の王子様~」
「悪……まあそうだよな。最初に結婚匂わせておいてそりゃないよな……」
駿はアイスコーヒーの氷をストローで突きながら『別にいいんじゃね』とのたまった。さっきまでは付き合う流れだろうと主張していたくせに。どっちの味方をするのだお前は。
カチカチと生真面目に時を刻んでいた古い柱時計の鐘が鳴った。午後の二時。いつも新聞を読みながらコーヒーを飲む、おじいさんが来る頃合いだ。
駿は平日の水曜が休みだと聞いていたため、いつもの喫茶店で落ち合わないかと連絡すると即返信があり、今に至る。
「だって。その子が自分で言ったんじゃん。結婚のためじゃないです、自分を成長させるためですーって」
「でもさ、不安と不満が溜まっていくと思うんだよ。そんなときにやたら条件の良い見合いの話が来ちゃったら……いや、来るわけないか。今までずっと断ってきたし、身体も壊しちゃったから」
「ていうかそこだよ、そこ。お前一生独り身のつもりじゃなかった? わりと今更じゃね」
「自分でも自分がわからない。ビビってんのかな。友星の様子がおかしいから……他の人に逃げようとして……」
滅多にないのが普通であった友星からの連絡。ホテルに連れ込まれてから毎日のように、いや本当に毎日、何かしらの連絡が入るようになっていた。
今日の身体の調子はどうだ。食欲はあるのか。あまり沢山食べる方じゃないから心配だ。もし車が必要なのに、家族の誰も出せないときは言ってくれ。オレは営業だから、時間の調整が利きやすい。迷惑をかけたくないだろうが自分で運転するのは勧められない。運転中に何かあったら怖いだろう。必ずオレを呼んでくれ。深夜でもいいから。
「クッソ脈ありじゃん! 喜べし」
「もうそういう時期じゃない。一喜一憂してたあの感覚は学生のときに終わらせた……」
「枯れるの早。お前そんなもん、衣も下味もついた肉状態じゃん。あとはお前が家で揚げるだけ。簡単お手頃」
「精肉コーナーにあるやつな。お前んとこのは美味しいからって一時期ずっと夕飯がそれで……あーあ……」
「飽きるなよ。うちの社員が頑張って開発した肉料理を」
「肉の話じゃないから。駿がな……駿が女子だったらな……こんなにウダウダと悩まなかったのに……」
「やっべ。告られる流れ来た。あー残念、用事思い出したかもしんないわ」
「駿さあ、チョコレートパフェ食べたくない?」
「食べる」
「食べるのかよ。素直だな。あ、マスター。注文お願いしまーす」
店主のおじさんはにっこり笑顔で『アイス大盛り?』と尋ねてくれ、駿が『大盛りで!』と勝手に返事を投げていた。ここのアイスクリームは密度が濃く、ちょっとお高い味がする。楽しみだ。思いつきで注文してみたが、少し気分を上げることができた。
一度も混雑しているところに遭遇したことのない店内。経営的にどうなのかは不明だが、程よく静かで気に入っている。蔦の葉っぱをざくざくと編んだ籠の中で、まどろんでいるような心地良さがある。
「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ~」
「駿は結婚の予定とかないの?」
「結婚ってひとりじゃ出来ないらしーぞ。知ってた?」
「ふふ、マジ? 初耳なんだけど。プラチナの指輪すればいいんじゃないの」
「婚姻届ってのがあってー、二人分の署名がないとダメらしいわー」
「じゃあ俺の名前書いといて。式はうちでやろう。盛大に」
「やべー、うちの会社に超強力なバックがつくわけだ。超魅力的。全国展開も夢じゃなくなる」
「忙しくなっても夜は必ずうちに帰ってこなきゃ。俺と寝た子はさ、みーんなちょっとずつ幸せになるから」
「あ、それ知ってる。さすがに一等二等は無理だけど、宝くじが当たるようになるとか。信号で引っかかんないとか。やっべ、マムシドリンク常備だな」
「ちょ、宝くじのためにかよ……どした?」
「いや……なーんか見たことある気がして……ご本人様?」
「え? なにが?」
芸能人でも居るのかと思い、後ろを振り返ってみて驚いた。いつもの新聞を読むおじいさんが座っているはずの席に、友星の姿があったからだ。
難しそうな顔を肘枕に預け、何やらスマホを弄っている。やや狭めの店内である。こちらの席とは特別距離が開いているわけではない。俺がいることくらい気づくはず。
こちらの会話が途切れたこともわかるはずだ。コーヒーの香りも消え去るほど不自然な空気が店内を漂っている。どうしよう、と駿と目を合わせたその瞬間、駿が軽く上半身を伸ばし『あのー、藤嶋さんじゃないすか?』と友星に声をかけた。
「……ああ、すみません。お邪魔しちゃ悪いかなーと思って」
「いや別に。良ければ相席どーぞ」
「いえ、通りかかっただけなんで。コーヒー飲んだら出ようかと。あ、注文お願いします。本日のブレンドで」
「はーい、少々お待ちくださーい」
「そすか。じゃあごゆっくり。なあなあけーちゃん、養子縁組するって方法あんぞ」
「え…………えっ? なんの話?」
「つまりー、俺らが書類上の親子になるわけ。そうすっとー、保証人とか、手術の同意書にサインが要るときとか、いちいちお前の弟くんを呼び出さずに済むわけよ」
「ああ……それは考えた。そうなんだよな。もし中途半端に寿命が延びたら、そういうこともあるだろなって」
「人生百年時代だぞ。可能性あるじゃん。もしお前が先に動けなくなっても、俺が色々手続きしてやれるわけ」
「はは、その代わりに相続権も頂戴すると。その辺はまだわかんないからな? うちの一族は長生きだから。基本は死ぬまで相続できないし、寿命対抗試合になるな」
「えー、でも俺のほうが若いしさー」
「どうだかなー。うちのひい婆ちゃん、百歳だぞ。亡くなったとき」
「チッ。せっかく乗り気になったのにー」
「雰囲気がまるで台無しだろ。やり直してくれ」
「……一応、デメリットもありますよ」
「えっ?」
ドキッとした。たまたま通りかかっただけで、俺に会いにきたわけではない友星。このままさっさと帰るのだろうと思っていたのに、会話にすんなりと入ってきたからだ。
ついさっき相席に誘ったばかりで、断られた駿が不快な気分になったのではと思い様子を窺うと、よくわからぬニヤニヤ笑いを浮かべていた。……愛想笑いにしては、やや悪どい。
「へー、デメリットってなんすかね?」
「……法律上は夫婦じゃないから。どちらかが浮気したとしても、慰謝料の請求権が発生しない」
「しねーよ。なあ?」
「え? ああ、まあ……するようには見えないけどな。ていうか浮気って言い方——」
「けどな、ってなんだコラ。俺が一生幸せにしてやるからな。見てろよ、ぜってぇ養うぜ!」
「そんなキメ顔向けられましても……あ、ありがとうございます」
「はーい、お待たせしました。チョコレートパフェ二つね。てんこ盛りにしといたよ~」
「……解消する際においての財産分与請求権はないし、別居時にかかった婚姻費用の請求もできない。法的な保護が……あ、すみません」
「はーい、本日のブレンドです。砂糖とミルクはご自由にお使いくださいね~」
「そんなん余裕で大丈夫。俺は店長様、次期社長様。こいつのことは言うまでもない。互いに資産は持ってっから、そんな小銭のことは気にしないよな? な?」
「一生幸せにしてやる、って言ったばかりのその口で……」
「戸籍上、妻はいないが子がいることになり、優先順位第一位の子へ相続権は発生する。でもその前に、親族に訴えられる可能性がある」
「は? 何の罪で訴えられんの」
「親子なのに性交渉するのはおかしい。公序良俗に反する関係だ、養子縁組は無効であると主張されたら?」
友星の勤め先は保険会社などではなく、法律関係というわけでもない。そんな友星の口から次々と出てくる法律用語。俺はそれらを追いかけるのに精一杯だった。何も論じられることがなく、駿の口出しに茶々を入れることしか出来ていない。
親子がもし、夫婦のような営みを行っていたら。親族は当然激怒するだろう。酷く気分を害する仮定だが、実の親子が本当に関係していたら警察沙汰は免れず、刑事事件に発展する。果てには全国ニュースになるかもしれない。
でも元は他人同士であるから……駄目だ。養子縁組はそもそもの話、血が繋がっていない子供を産みの親と同等に養育するための制度である。悪用とまではいかないだろうが、転用のようなことをしている。
もしもうちの親族に、駿が訴えられてしまったら。かなり苦しいことになる。うちの親族には弁護士がいて、各々の知人友人にも何らかの肩書きを持った人が存在するからだ。大騒動になってしまう。
「んー……まあ、そのときはそのときで仕方ない。愛してたんだからしょうがないだろ、で乗り切るか! なあ!」
「なあ、っておま……それ、みんなの前で言えるのか? 俺に襲われたとか言い出すんじゃ……」
「……じゃあ問題はなさそうですね。お幸せに」
「ありがとうございます! 甘い家庭を築きます! このパフェのように!」
「アイスだし、キンキンに冷え切ってるけど……あ、え? 友星、もう帰るの?」
「うん。それじゃ」
スプーンをアイスに突き立て口へと運んだ駿のとろけそうな笑顔と、口の端だけで笑みを浮かべた友星の堅い表情が対照的だった。友星の仏頂面を見たことは数えるほどしかなかったため、未だに慣れない。いま食べているもののせいだろうか、胃が冷えたような感じがする。
────────────────────
こいつらほっとくと永久に喋るから、どこで会話を切るか悩む
イイネとエール、お気に入り登録お願いしまーす!
うぇーい('ω')ノ お嬢さん見てるー?
「いやいや。まだ何にも決まったわけじゃない。ていうか、お付き合いとかもしてないから」
「いやいやいや。それ明らか付き合う流れじゃん。まさかこのまま生殺しにするつもりー? 悪魔の王子様~」
「悪……まあそうだよな。最初に結婚匂わせておいてそりゃないよな……」
駿はアイスコーヒーの氷をストローで突きながら『別にいいんじゃね』とのたまった。さっきまでは付き合う流れだろうと主張していたくせに。どっちの味方をするのだお前は。
カチカチと生真面目に時を刻んでいた古い柱時計の鐘が鳴った。午後の二時。いつも新聞を読みながらコーヒーを飲む、おじいさんが来る頃合いだ。
駿は平日の水曜が休みだと聞いていたため、いつもの喫茶店で落ち合わないかと連絡すると即返信があり、今に至る。
「だって。その子が自分で言ったんじゃん。結婚のためじゃないです、自分を成長させるためですーって」
「でもさ、不安と不満が溜まっていくと思うんだよ。そんなときにやたら条件の良い見合いの話が来ちゃったら……いや、来るわけないか。今までずっと断ってきたし、身体も壊しちゃったから」
「ていうかそこだよ、そこ。お前一生独り身のつもりじゃなかった? わりと今更じゃね」
「自分でも自分がわからない。ビビってんのかな。友星の様子がおかしいから……他の人に逃げようとして……」
滅多にないのが普通であった友星からの連絡。ホテルに連れ込まれてから毎日のように、いや本当に毎日、何かしらの連絡が入るようになっていた。
今日の身体の調子はどうだ。食欲はあるのか。あまり沢山食べる方じゃないから心配だ。もし車が必要なのに、家族の誰も出せないときは言ってくれ。オレは営業だから、時間の調整が利きやすい。迷惑をかけたくないだろうが自分で運転するのは勧められない。運転中に何かあったら怖いだろう。必ずオレを呼んでくれ。深夜でもいいから。
「クッソ脈ありじゃん! 喜べし」
「もうそういう時期じゃない。一喜一憂してたあの感覚は学生のときに終わらせた……」
「枯れるの早。お前そんなもん、衣も下味もついた肉状態じゃん。あとはお前が家で揚げるだけ。簡単お手頃」
「精肉コーナーにあるやつな。お前んとこのは美味しいからって一時期ずっと夕飯がそれで……あーあ……」
「飽きるなよ。うちの社員が頑張って開発した肉料理を」
「肉の話じゃないから。駿がな……駿が女子だったらな……こんなにウダウダと悩まなかったのに……」
「やっべ。告られる流れ来た。あー残念、用事思い出したかもしんないわ」
「駿さあ、チョコレートパフェ食べたくない?」
「食べる」
「食べるのかよ。素直だな。あ、マスター。注文お願いしまーす」
店主のおじさんはにっこり笑顔で『アイス大盛り?』と尋ねてくれ、駿が『大盛りで!』と勝手に返事を投げていた。ここのアイスクリームは密度が濃く、ちょっとお高い味がする。楽しみだ。思いつきで注文してみたが、少し気分を上げることができた。
一度も混雑しているところに遭遇したことのない店内。経営的にどうなのかは不明だが、程よく静かで気に入っている。蔦の葉っぱをざくざくと編んだ籠の中で、まどろんでいるような心地良さがある。
「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ~」
「駿は結婚の予定とかないの?」
「結婚ってひとりじゃ出来ないらしーぞ。知ってた?」
「ふふ、マジ? 初耳なんだけど。プラチナの指輪すればいいんじゃないの」
「婚姻届ってのがあってー、二人分の署名がないとダメらしいわー」
「じゃあ俺の名前書いといて。式はうちでやろう。盛大に」
「やべー、うちの会社に超強力なバックがつくわけだ。超魅力的。全国展開も夢じゃなくなる」
「忙しくなっても夜は必ずうちに帰ってこなきゃ。俺と寝た子はさ、みーんなちょっとずつ幸せになるから」
「あ、それ知ってる。さすがに一等二等は無理だけど、宝くじが当たるようになるとか。信号で引っかかんないとか。やっべ、マムシドリンク常備だな」
「ちょ、宝くじのためにかよ……どした?」
「いや……なーんか見たことある気がして……ご本人様?」
「え? なにが?」
芸能人でも居るのかと思い、後ろを振り返ってみて驚いた。いつもの新聞を読むおじいさんが座っているはずの席に、友星の姿があったからだ。
難しそうな顔を肘枕に預け、何やらスマホを弄っている。やや狭めの店内である。こちらの席とは特別距離が開いているわけではない。俺がいることくらい気づくはず。
こちらの会話が途切れたこともわかるはずだ。コーヒーの香りも消え去るほど不自然な空気が店内を漂っている。どうしよう、と駿と目を合わせたその瞬間、駿が軽く上半身を伸ばし『あのー、藤嶋さんじゃないすか?』と友星に声をかけた。
「……ああ、すみません。お邪魔しちゃ悪いかなーと思って」
「いや別に。良ければ相席どーぞ」
「いえ、通りかかっただけなんで。コーヒー飲んだら出ようかと。あ、注文お願いします。本日のブレンドで」
「はーい、少々お待ちくださーい」
「そすか。じゃあごゆっくり。なあなあけーちゃん、養子縁組するって方法あんぞ」
「え…………えっ? なんの話?」
「つまりー、俺らが書類上の親子になるわけ。そうすっとー、保証人とか、手術の同意書にサインが要るときとか、いちいちお前の弟くんを呼び出さずに済むわけよ」
「ああ……それは考えた。そうなんだよな。もし中途半端に寿命が延びたら、そういうこともあるだろなって」
「人生百年時代だぞ。可能性あるじゃん。もしお前が先に動けなくなっても、俺が色々手続きしてやれるわけ」
「はは、その代わりに相続権も頂戴すると。その辺はまだわかんないからな? うちの一族は長生きだから。基本は死ぬまで相続できないし、寿命対抗試合になるな」
「えー、でも俺のほうが若いしさー」
「どうだかなー。うちのひい婆ちゃん、百歳だぞ。亡くなったとき」
「チッ。せっかく乗り気になったのにー」
「雰囲気がまるで台無しだろ。やり直してくれ」
「……一応、デメリットもありますよ」
「えっ?」
ドキッとした。たまたま通りかかっただけで、俺に会いにきたわけではない友星。このままさっさと帰るのだろうと思っていたのに、会話にすんなりと入ってきたからだ。
ついさっき相席に誘ったばかりで、断られた駿が不快な気分になったのではと思い様子を窺うと、よくわからぬニヤニヤ笑いを浮かべていた。……愛想笑いにしては、やや悪どい。
「へー、デメリットってなんすかね?」
「……法律上は夫婦じゃないから。どちらかが浮気したとしても、慰謝料の請求権が発生しない」
「しねーよ。なあ?」
「え? ああ、まあ……するようには見えないけどな。ていうか浮気って言い方——」
「けどな、ってなんだコラ。俺が一生幸せにしてやるからな。見てろよ、ぜってぇ養うぜ!」
「そんなキメ顔向けられましても……あ、ありがとうございます」
「はーい、お待たせしました。チョコレートパフェ二つね。てんこ盛りにしといたよ~」
「……解消する際においての財産分与請求権はないし、別居時にかかった婚姻費用の請求もできない。法的な保護が……あ、すみません」
「はーい、本日のブレンドです。砂糖とミルクはご自由にお使いくださいね~」
「そんなん余裕で大丈夫。俺は店長様、次期社長様。こいつのことは言うまでもない。互いに資産は持ってっから、そんな小銭のことは気にしないよな? な?」
「一生幸せにしてやる、って言ったばかりのその口で……」
「戸籍上、妻はいないが子がいることになり、優先順位第一位の子へ相続権は発生する。でもその前に、親族に訴えられる可能性がある」
「は? 何の罪で訴えられんの」
「親子なのに性交渉するのはおかしい。公序良俗に反する関係だ、養子縁組は無効であると主張されたら?」
友星の勤め先は保険会社などではなく、法律関係というわけでもない。そんな友星の口から次々と出てくる法律用語。俺はそれらを追いかけるのに精一杯だった。何も論じられることがなく、駿の口出しに茶々を入れることしか出来ていない。
親子がもし、夫婦のような営みを行っていたら。親族は当然激怒するだろう。酷く気分を害する仮定だが、実の親子が本当に関係していたら警察沙汰は免れず、刑事事件に発展する。果てには全国ニュースになるかもしれない。
でも元は他人同士であるから……駄目だ。養子縁組はそもそもの話、血が繋がっていない子供を産みの親と同等に養育するための制度である。悪用とまではいかないだろうが、転用のようなことをしている。
もしもうちの親族に、駿が訴えられてしまったら。かなり苦しいことになる。うちの親族には弁護士がいて、各々の知人友人にも何らかの肩書きを持った人が存在するからだ。大騒動になってしまう。
「んー……まあ、そのときはそのときで仕方ない。愛してたんだからしょうがないだろ、で乗り切るか! なあ!」
「なあ、っておま……それ、みんなの前で言えるのか? 俺に襲われたとか言い出すんじゃ……」
「……じゃあ問題はなさそうですね。お幸せに」
「ありがとうございます! 甘い家庭を築きます! このパフェのように!」
「アイスだし、キンキンに冷え切ってるけど……あ、え? 友星、もう帰るの?」
「うん。それじゃ」
スプーンをアイスに突き立て口へと運んだ駿のとろけそうな笑顔と、口の端だけで笑みを浮かべた友星の堅い表情が対照的だった。友星の仏頂面を見たことは数えるほどしかなかったため、未だに慣れない。いま食べているもののせいだろうか、胃が冷えたような感じがする。
────────────────────
こいつらほっとくと永久に喋るから、どこで会話を切るか悩む
イイネとエール、お気に入り登録お願いしまーす!
うぇーい('ω')ノ お嬢さん見てるー?
11
あなたにおすすめの小説
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
龍の無垢、狼の執心~跡取り美少年は侠客の愛を知らない〜
中岡 始
BL
「辰巳会の次期跡取りは、俺の息子――辰巳悠真や」
大阪を拠点とする巨大極道組織・辰巳会。その跡取りとして名を告げられたのは、一見するとただの天然ボンボンにしか見えない、超絶美貌の若き御曹司だった。
しかも、現役大学生である。
「え、あの子で大丈夫なんか……?」
幹部たちの不安をよそに、悠真は「ふわふわ天然」な言動を繰り返しながらも、確実に辰巳会を掌握していく。
――誰もが気づかないうちに。
専属護衛として選ばれたのは、寡黙な武闘派No.1・久我陣。
「命に代えても、お守りします」
そう誓った陣だったが、悠真の"ただの跡取り"とは思えない鋭さに次第に気づき始める。
そして辰巳会の跡目争いが激化する中、敵対組織・六波羅会が悠真の命を狙い、抗争の火種が燻り始める――
「僕、舐められるの得意やねん」
敵の思惑をすべて見透かし、逆に追い詰める悠真の冷徹な手腕。
その圧倒的な"跡取り"としての覚醒を、誰よりも近くで見届けた陣は、次第に自分の心が揺れ動くのを感じていた。
それは忠誠か、それとも――
そして、悠真自身もまた「陣の存在が自分にとって何なのか」を考え始める。
「僕、陣さんおらんと困る。それって、好きってことちゃう?」
最強の天然跡取り × 一途な忠誠心を貫く武闘派護衛。
極道の世界で交差する、戦いと策謀、そして"特別"な感情。
これは、跡取りが"覚醒"し、そして"恋を知る"物語。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
神様は僕に笑ってくれない
一片澪
BL
――高宮 恭一は手料理が食べられない。
それは、幸せだった頃の記憶と直結するからだ。
過去のトラウマから地元を切り捨て、一人で暮らしていた恭一はある日体調を崩し道端でしゃがみ込んだ所を喫茶店のオーナー李壱に助けられる。
その事をきっかけに二人は知り合い、李壱の持つ独特の空気感に恭一はゆっくりと自覚無く惹かれ優しく癒されていく。
初期愛情度は見せていないだけで攻め→→→(←?)受けです。
※元外資系エリート現喫茶店オーナーの口調だけオネェ攻め×過去のトラウマから手料理が食べられなくなったちょっと卑屈な受けの恋から愛になるお話。
※最初だけシリアスぶっていますが必ずハッピーエンドになります。
※基本的に穏やかな流れでゆっくりと進む平和なお話です。
【完結】ベイビーダーリン ~スパダリ俳優は、僕の前でだけ赤ちゃん返りする~
粗々木くうね
BL
「……おやすみ。僕の、かわいいレン」
人気俳優の朝比奈(あさひな)レンは、幼馴染で恋人の小鳥遊 椋(たかなし むく) の前でだけ赤ちゃんに戻る。
癒しと愛で満たす、ふたりだけの夜のルーティン。
※本作品に出てくる心の病気の表現は、想像上のものです。ご了承ください。
小鳥遊 椋(たかなし むく)
・5月25日生まれ 24歳
・短期大学卒業後、保育士に。天職と感じていたが、レンのために仕事を辞めた。現在はレンの所属する芸能事務所の託児所で働きながらレンを支える。
・身長168cm
・髪型:エアリーなミディアムショート+やわらかミルクティーブラウンカラー
・目元:たれ目+感情が顔に出やすい
・雰囲気:柔らかくて包み込むけど、芯があって相手をちゃんと見守れる
朝比奈レン(あさひな れん)
・11月2日生まれ 24歳
・シングルマザーの母親に育てられて、将来は母を楽させたいと思っていた。
母に迷惑かけたくなくて無意識のうちに大人びた子に。
・高校在籍時モデルとしてスカウトされ、母のためにも受けることに→芸能界デビュー
・俳優として転身し、どんな役も消化する「カメレオン俳優」に。注目の若手俳優。
・身長180cm
・猫や犬など動物好き
・髪型:黒髪の短髪
・目元:切れ長の目元
・雰囲気:硬派。口数は少ないが真面目で礼儀正しい。
・母の力になりたいと身の回りの家事はできる。
王子様と一緒。
紫紺
BL
田中明夫は作家を目指して10年、全く目が出ない男だ。
ある日、書店の前で金髪青い目の青年が突然話しかけてきた。最初は胡散臭く思っていたのだが……。
南の国の第2王子アスラン、その護衛トーゴー、田中が住むアパートの大家や住人の奨励会員などなど。
様々な人間模様と恋模様が織りなすBL多めのラブコメ開幕です!
海のそばの音楽少年~あの日のキミ
夏目奈緖
BL
☆久田悠人(18)は大学1年生。そそかっしい自分の性格が前向きになれればと思い、ロックバンドのギタリストをしている。会社員の早瀬裕理(30)と恋人同士になり、同棲生活をスタートさせた。別居生活の長い両親が巻き起こす出来事に心が揺さぶられ、早瀬から優しく包み込まれる。
次第に悠人は早瀬が無理に自分のことを笑わせてくれているのではないかと気づき始める。子供の頃から『いい子』であろうとした早瀬に寄り添い、彼の心を開く。また、早瀬の幼馴染み兼元恋人でミュージシャンの佐久弥に会い、心が揺れる。そして、バンドコンテストに参加する。甘々な二人が永遠の誓いを立てるストーリー。眠れる森の星空少年~あの日のキミの続編です。
<作品時系列>「眠れる森の星空少年~あの日のキミ」→本作「海のそばの音楽少年~あの日のキミ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる