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コーラス遺跡都市防略
第23話コーラル防略、②
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遺跡都市南西発掘街防壁上。
到着したドラゴ兵団は壁の上へ登り、ミレス軍の面々と顔を合わせていた。
「お、アメリナどん。遅かったじゃなかと、ないかあったとな?」
先に到達していたであろうジャックがアメリナに問う。アメリナはその問いに笑顔で答える。
「いえ、遅れて申し訳ないです。なにせ兵団本舎から来たものですから…ご容赦ください。」
アメリナは辺りを見回した。
壁の上から地上を見回す大隊兵士…一定の感覚で建建てられている側塔の上で何か話しているロビンと大隊長…城壁下にて待機して居る騎兵隊員達…アルドラ弓兵隊の姿がなかった。
アメリナはジャックに問った。
「ジャックさん、アルドラ弓兵隊の姿が見えないのですが…」
ジャックは答える。
「アルドラ弓兵隊であれば、大隊長ん指示でISSん連中と一緒に遺産省本庁ん守りにあてられちょいもすね。」
「ISSと?何で奴らがここに…ともかく、一度大隊長の方へ行って来ます。」
「わかった。」
アメリナはジャックの返答を聞くと背後に立つ兵団員の方へ振り返り口を開いた。
「総員ここで待機だ。いつ攻めてくるかもわからない、しっかりと休んでおけ!」
それを聞くと兵団員たちはゆっくりと、それぞれ小さな集まりを作りながら散りじりとなって行った。アメリナは踵を返して傾塔の上へ登り大隊長の元へ歩いて行く。
~~~
デイビッド達本隊メンバーも例外ではなく、本隊メンバーはそのまま塊となって傾塔の下で待機していた。
デイビッドは、レワイドに問う。
「あの、先輩。ISSって…?」
どうやら先程のジャック騎兵隊副隊長と団長の会話が聞こえてしまったらしい。
「ISSね。正式名称"国際警備警護局"。
金さえもらえれば大体何でも守る金にがめつい警備会社だな!」
"金にがめつい"と聞いて、ラーゴが思い出しようにレワイドに問う。
「…ISSは豪邸を買えるような大金でしか動かないはず___。戦時中で増税もされた、尚更余裕もないだろうに、どこからそんな金が…」
デイビッドは税と言う言葉を聞いて、突拍子もない事を喋る。
「もしかしたら、脱税してたり…?」
「「あ~!」」
レイワドとラーゴは口を揃えて、「確かに」と言うように何回も頷きながら肯定する。
「…この街は対戦前、遺産の輸出でかなり栄えていたと聞いたことがある。ここから発掘される遺産は貿易の切り札とも言えるほどに失われたその喪失した技術は魅力的だったのだろうな。だが、ミレス帝国の主な遺産の輸出先は不運なことにライカードだった。
そして衰退したんだ…遺産をセールで売るほどに…」
そう饒舌に語るラーゴにレワイドはからかうように言う。
「だから、まだのさばってられる金持ちは脱税なり何なりやって維持した財産で、ISSを雇ってるってわけだナッ!
気持ち悪いくらい詳しい説明だったぜ、遺産オタク!」
最後の一文を聞くと、また顔を赤らめながらレワイドの首を脇で抱えるように締める。
そんな2人を見てデイビッド達は、苦笑いをした。
「ドラゴ兵団総員集合、移動時と同じ隊列を組め!」
団長が傾塔の塀からそう叫んだ。
兵団員達は素早く、団長を前に本隊を先頭に隊列を組み始める。アメリナ団長はちゃんと指示が伝わるように近くで話すためにそのまま傾塔に巻きつけられるように作られた階段を降りて行く。そして、隊列が組み終わり団長もまた傾塔から降り終えていた。
アメリナ団長は言う。
「我々は、話し合いの結果、北西の壁を守る事となった。このまま南の壁を伝って移動する総員ついて来い!」
団長はそう言い再び傾塔を登っていく。
また団員もその指示に従い団長について行った。
道中、南の防壁。
レイワドはラーゴに相談するように話しかけた。
「なぁなぁ、ラーゴさんよ。」
「…何だ、レイワド」
レイワドの方へ向く。レイワドはラーゴを見ておらず、見ていたのは何かを探すように壁の外の地面を見つめるデイビッドとその横に俯きながら暗い顔で前に進んでいくハイミルナンとヨーストだった。
レイワドはそのまま、ラーゴを見る事なく言った。
「なーんかさ、デイビッド君明るすぎない?」
「…別に、悪い事じゃないだろう。」
デイビッドの明るさについて問題視するように言うレイワドにラーゴは当然の疑問をぶつけた。レイワドは視線をラーゴに移し、身振り手振りを交えながらその訳を話す。
「いやさぁ、新入りにしてはちょっと肝っ玉が座りすぎてるって言うか、なんか罪悪感を感じる表情の趣?って言うのが全くないんだよ。」
「…つまり"デイビッドは気狂いなりそうだ"、と言いたいのか?」
レイワドは表情を変える___
「いや、限りなくそれに近いそれ以上のぉ…」
__その表情はひどい憎しみを持つ顔だった。
「…それ以上の大義名分で人を殺す人以下のゲスになるかもね、あれは。」
~~~
警備兵はハルバードの斧刃を袈裟斬りの要領でサムライへ斬りつけるがサムライはそれを左半身を引きながら笹傘を掠め斬る上半身へ向けられた斬撃を躱す。躱しきれない斬撃を刀を右手で逆手に持ち鍔元の刃で斧刃を受けた。
斧の破壊力を持つからかサムライの細いその刀の刃は僅かに欠ける。
「チっ、やはり峰じゃ折れますカ」
そう悪態を吐くサムライの喉元に向けてハルバードの細長い穂先を突き出す。サムライはそれを左手でそれを払いのけ、逆さで右手に持った刀で柄を右から左へ斬りあげハルバードの柄を切断する。警備兵は後ろに下がり切断されたハルバードの両端を捨てる。
「冗談じゃない、そのハルバードは全部鉄製だぞ!」
そう叫びながら腰に差したロングソードを右手引き抜こうとする警備兵に、サムライは首狙って刀を右に水平に構え突き出す。
たがそれはもう1人の警備兵がサムライの脇腹を狙った左からのハルバードの突きを回避したために阻止された。
「大丈夫か、レグ!」
もう1人の警備兵はそうロングソードの剣を持つ警備兵…レグにそう問いた。レグはロングソードを抜ききり、サムライに構えながら言う。
「あぁ、いけるぞ、ラグ!」
もう1人の警備兵…ラグはその力強いレグの答えを聞くと、それに応えるようにハルバード強く握り締めた。
「ハハ、まるで双子ですネッ!」
そう言い、ハルバードを持つラグに迫ろうと前に出るとラグとレグはそれぞれ左右に逃げる。
「「ご明察だな!」」
2人は声を被らせながらそう言う。
逃れた2人の間には、弓を引き絞りサムライに向けるアルドラの姿があった。
「死ね、ゴミカス!」
「まズッ!」
そう言い放たれた矢はサムライの顔へまっすぐと向かう。サムライは躱そうと左後ろに下がるが、矢はすでに顔の前にあった。
「うガッ」
そのまま躱しきれずサムライのその矢は笹傘にめり込んだ。
到着したドラゴ兵団は壁の上へ登り、ミレス軍の面々と顔を合わせていた。
「お、アメリナどん。遅かったじゃなかと、ないかあったとな?」
先に到達していたであろうジャックがアメリナに問う。アメリナはその問いに笑顔で答える。
「いえ、遅れて申し訳ないです。なにせ兵団本舎から来たものですから…ご容赦ください。」
アメリナは辺りを見回した。
壁の上から地上を見回す大隊兵士…一定の感覚で建建てられている側塔の上で何か話しているロビンと大隊長…城壁下にて待機して居る騎兵隊員達…アルドラ弓兵隊の姿がなかった。
アメリナはジャックに問った。
「ジャックさん、アルドラ弓兵隊の姿が見えないのですが…」
ジャックは答える。
「アルドラ弓兵隊であれば、大隊長ん指示でISSん連中と一緒に遺産省本庁ん守りにあてられちょいもすね。」
「ISSと?何で奴らがここに…ともかく、一度大隊長の方へ行って来ます。」
「わかった。」
アメリナはジャックの返答を聞くと背後に立つ兵団員の方へ振り返り口を開いた。
「総員ここで待機だ。いつ攻めてくるかもわからない、しっかりと休んでおけ!」
それを聞くと兵団員たちはゆっくりと、それぞれ小さな集まりを作りながら散りじりとなって行った。アメリナは踵を返して傾塔の上へ登り大隊長の元へ歩いて行く。
~~~
デイビッド達本隊メンバーも例外ではなく、本隊メンバーはそのまま塊となって傾塔の下で待機していた。
デイビッドは、レワイドに問う。
「あの、先輩。ISSって…?」
どうやら先程のジャック騎兵隊副隊長と団長の会話が聞こえてしまったらしい。
「ISSね。正式名称"国際警備警護局"。
金さえもらえれば大体何でも守る金にがめつい警備会社だな!」
"金にがめつい"と聞いて、ラーゴが思い出しようにレワイドに問う。
「…ISSは豪邸を買えるような大金でしか動かないはず___。戦時中で増税もされた、尚更余裕もないだろうに、どこからそんな金が…」
デイビッドは税と言う言葉を聞いて、突拍子もない事を喋る。
「もしかしたら、脱税してたり…?」
「「あ~!」」
レイワドとラーゴは口を揃えて、「確かに」と言うように何回も頷きながら肯定する。
「…この街は対戦前、遺産の輸出でかなり栄えていたと聞いたことがある。ここから発掘される遺産は貿易の切り札とも言えるほどに失われたその喪失した技術は魅力的だったのだろうな。だが、ミレス帝国の主な遺産の輸出先は不運なことにライカードだった。
そして衰退したんだ…遺産をセールで売るほどに…」
そう饒舌に語るラーゴにレワイドはからかうように言う。
「だから、まだのさばってられる金持ちは脱税なり何なりやって維持した財産で、ISSを雇ってるってわけだナッ!
気持ち悪いくらい詳しい説明だったぜ、遺産オタク!」
最後の一文を聞くと、また顔を赤らめながらレワイドの首を脇で抱えるように締める。
そんな2人を見てデイビッド達は、苦笑いをした。
「ドラゴ兵団総員集合、移動時と同じ隊列を組め!」
団長が傾塔の塀からそう叫んだ。
兵団員達は素早く、団長を前に本隊を先頭に隊列を組み始める。アメリナ団長はちゃんと指示が伝わるように近くで話すためにそのまま傾塔に巻きつけられるように作られた階段を降りて行く。そして、隊列が組み終わり団長もまた傾塔から降り終えていた。
アメリナ団長は言う。
「我々は、話し合いの結果、北西の壁を守る事となった。このまま南の壁を伝って移動する総員ついて来い!」
団長はそう言い再び傾塔を登っていく。
また団員もその指示に従い団長について行った。
道中、南の防壁。
レイワドはラーゴに相談するように話しかけた。
「なぁなぁ、ラーゴさんよ。」
「…何だ、レイワド」
レイワドの方へ向く。レイワドはラーゴを見ておらず、見ていたのは何かを探すように壁の外の地面を見つめるデイビッドとその横に俯きながら暗い顔で前に進んでいくハイミルナンとヨーストだった。
レイワドはそのまま、ラーゴを見る事なく言った。
「なーんかさ、デイビッド君明るすぎない?」
「…別に、悪い事じゃないだろう。」
デイビッドの明るさについて問題視するように言うレイワドにラーゴは当然の疑問をぶつけた。レイワドは視線をラーゴに移し、身振り手振りを交えながらその訳を話す。
「いやさぁ、新入りにしてはちょっと肝っ玉が座りすぎてるって言うか、なんか罪悪感を感じる表情の趣?って言うのが全くないんだよ。」
「…つまり"デイビッドは気狂いなりそうだ"、と言いたいのか?」
レイワドは表情を変える___
「いや、限りなくそれに近いそれ以上のぉ…」
__その表情はひどい憎しみを持つ顔だった。
「…それ以上の大義名分で人を殺す人以下のゲスになるかもね、あれは。」
~~~
警備兵はハルバードの斧刃を袈裟斬りの要領でサムライへ斬りつけるがサムライはそれを左半身を引きながら笹傘を掠め斬る上半身へ向けられた斬撃を躱す。躱しきれない斬撃を刀を右手で逆手に持ち鍔元の刃で斧刃を受けた。
斧の破壊力を持つからかサムライの細いその刀の刃は僅かに欠ける。
「チっ、やはり峰じゃ折れますカ」
そう悪態を吐くサムライの喉元に向けてハルバードの細長い穂先を突き出す。サムライはそれを左手でそれを払いのけ、逆さで右手に持った刀で柄を右から左へ斬りあげハルバードの柄を切断する。警備兵は後ろに下がり切断されたハルバードの両端を捨てる。
「冗談じゃない、そのハルバードは全部鉄製だぞ!」
そう叫びながら腰に差したロングソードを右手引き抜こうとする警備兵に、サムライは首狙って刀を右に水平に構え突き出す。
たがそれはもう1人の警備兵がサムライの脇腹を狙った左からのハルバードの突きを回避したために阻止された。
「大丈夫か、レグ!」
もう1人の警備兵はそうロングソードの剣を持つ警備兵…レグにそう問いた。レグはロングソードを抜ききり、サムライに構えながら言う。
「あぁ、いけるぞ、ラグ!」
もう1人の警備兵…ラグはその力強いレグの答えを聞くと、それに応えるようにハルバード強く握り締めた。
「ハハ、まるで双子ですネッ!」
そう言い、ハルバードを持つラグに迫ろうと前に出るとラグとレグはそれぞれ左右に逃げる。
「「ご明察だな!」」
2人は声を被らせながらそう言う。
逃れた2人の間には、弓を引き絞りサムライに向けるアルドラの姿があった。
「死ね、ゴミカス!」
「まズッ!」
そう言い放たれた矢はサムライの顔へまっすぐと向かう。サムライは躱そうと左後ろに下がるが、矢はすでに顔の前にあった。
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