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コーラス遺跡都市防略
第28話コーラル防略、⑧/ドラゴ・ハーフ/素敵なお馬鹿
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「___取り消しましょうか。」
そう呟き拳を握りしめたドーベルは、右膝を地につけたアメリナに飛びかかる。
アメリナは突き立てた剣を地面に叩き、爆炎を起こしドーベルを寄せ付けまいとしたが、ドーベルは左にひらりと飛び、それを躱す。
そして、爆炎が晴れアメリナにストレートを叩き込もうと突っ込む。
顔が見えた。こちらを見て、左手をかざす。
何故かその顔は、ドス黒い笑みを浮かべていて
何故かその目は、どこまでも赤く、紅く___
___瞬間、炎が舞う。
アメリナのかざした左手の平から放たれる豪炎。ドーベルば即座に両腕を顔の前でクロスさせその炎から身を守ろうとした。だが、余りの火力にドーベルは徐々に後ろに押されて行く。
「クッ…二つのギフトを持つ者がいたとわッ…!」
ドーベルはそう呟きながら豪炎の火力と高さに戦慄した。
「残念、ギフトじゃぁ無いッ!」
アメリナは立ち上がり徐々に押されるドーベルに近づき、右手に握る爆ぜる赤きクレイモアを突き立てようと振り上げた時。
「!ッ」
後頭部に凄まじい衝撃が走った。
その衝撃をアメリナに与えたのは、あの木製の人形の、ジャブだった。アメリナはその強すぎる速打に思わずのろけ、炎は左手から出なくなってしまった。
豪炎で鎧と仮面がやや融解し、ハットがわずかに燃えるボロボロのドーベルはすかさずのろけたアメリナの腹部に左回し蹴りを叩き込む。
「妙なことを言うものですねッ!」
アメリナはありえないほどの衝撃を腹部に受け、そのまま弾丸のように飛びけたたましい轟音と共に防壁に叩き込まれ土埃が大きく舞う。
「ぐ…がっ…」
ドーベルはそれを見ると、ゆっくりとアメリナに歩み寄ろうと、足を防壁へゆっくりと進める。
「今の蹴りで生きてるとは。本当に人間ですか、貴方……っと?」
土埃が晴れる。
壁に叩きつけられ、頭から血を流すアメリナ。
カチューシャは蹴られた衝撃のあまり外れたのか頭の上から消えていた。
だが、そのカチューシャのトレードマークとも言える角だけはその頭の上に未だ存在していた。
「おや、本当に人間では無いようだ…。」
アメリナはゆっくりと、再度立ち上がる。
ドーベルはまたも身構えた。
「…あぁ、そうだ…私は…人間では、無い…」
そう弱々しく言いながらドーベルを睨みつける。ドーベルは首を傾げながら、その言葉の真意を問う。
「…であれば、何だと言うんです?」
アメリナは言葉を返した。
「___竜と人の"子"…半端者だ。」
~~~
北西防壁上、けたたましい轟音と共に壁が若干だが揺れた。
(何だ今のッ!)
目の前の人形の首を斬りつけながらそう考えるデイビッド。右手に握るロングソードは刃がほぼ全て欠け切っており、もはや使えるものとは思えない。使えたとしてもせいぜい後1体切り捨てられるかどうかと言った所。
デイビッドは先の轟音と揺れが気になり、防壁の下を見る。そこには鎧がやや融解したドーベルが、壁のすぐ下で力無く跪いているアメリナ団長へゆっくりと歩みを進めていた。
「そんなっ!」
デイビッドはアメリナ団長のその姿を見て嘆きながらも足元に転がっていた同じ兵団員の物であろう、やや刀身の分厚いグレイヴを拾い上げ背後にいる人形の頭へ振り返り様にフルスイング、頭部の上半分を両断しした。
「皆さん、この人形は頭が弱点です!頭を破壊してくださいッ!」
そう味方達に叫んだ。
味方はそれを聞くようにこちらを見る。
デイビッドの目に留まったのは…
「やるじゃないか、デイビッド君っ!」
小さな手斧を持つ、鎧に身を包んだアルチンゲールだった。
デイビッドはアルチンゲールに駆け寄り、下から掬い上げるように左脇に抱える。素早く抱えられたアルチンゲールは余りの唐突さに唖然としていた。そしてデイビッドは叫ぶ。
「すみません、ちょっと失礼します!」
デイビッドはそう言い叫びながら防壁の上から飛び降りた。
「えっちょっちょっ!」
アルチンゲールはそう詰まるような叫びを上げている。デイビッドすぐにグレイヴを右逆手に持ち直し防壁へ突き刺した。グレイヴは唸り声のような音と火花を上げ、壁を削りながら下って行く。
「おやおや、味方のためでしょうか。
素敵ですね」
ドーベルはその2人姿を見て感嘆する。
…"正確にはデイビッドを見て"なのだが。
「…!」
「あわわわわわわわわわわわわわッ!」
マヌに皺を寄せながら降るデイビッドに抱えられながら80mという巨壁を滑り落ちる事に対する恐怖からか絶叫するアルチンゲール。
アメリナは跪きながらもその2人を見てうすら笑みを浮かべながら呟いた。
「…全く、何やってるんだ。」
どちらに対する言葉かは、わからなかった。
__________________________________________________
ご愛読ありがとうございます。
とうとうこの作品、「探し戦」が9万文字を突破致しました。
黒縁は大歓喜狂気乱舞絶頂昇天しております。
これも皆様のおかげでございます。これからも何卒「探し戦」をよろしくお願いします。
そう呟き拳を握りしめたドーベルは、右膝を地につけたアメリナに飛びかかる。
アメリナは突き立てた剣を地面に叩き、爆炎を起こしドーベルを寄せ付けまいとしたが、ドーベルは左にひらりと飛び、それを躱す。
そして、爆炎が晴れアメリナにストレートを叩き込もうと突っ込む。
顔が見えた。こちらを見て、左手をかざす。
何故かその顔は、ドス黒い笑みを浮かべていて
何故かその目は、どこまでも赤く、紅く___
___瞬間、炎が舞う。
アメリナのかざした左手の平から放たれる豪炎。ドーベルば即座に両腕を顔の前でクロスさせその炎から身を守ろうとした。だが、余りの火力にドーベルは徐々に後ろに押されて行く。
「クッ…二つのギフトを持つ者がいたとわッ…!」
ドーベルはそう呟きながら豪炎の火力と高さに戦慄した。
「残念、ギフトじゃぁ無いッ!」
アメリナは立ち上がり徐々に押されるドーベルに近づき、右手に握る爆ぜる赤きクレイモアを突き立てようと振り上げた時。
「!ッ」
後頭部に凄まじい衝撃が走った。
その衝撃をアメリナに与えたのは、あの木製の人形の、ジャブだった。アメリナはその強すぎる速打に思わずのろけ、炎は左手から出なくなってしまった。
豪炎で鎧と仮面がやや融解し、ハットがわずかに燃えるボロボロのドーベルはすかさずのろけたアメリナの腹部に左回し蹴りを叩き込む。
「妙なことを言うものですねッ!」
アメリナはありえないほどの衝撃を腹部に受け、そのまま弾丸のように飛びけたたましい轟音と共に防壁に叩き込まれ土埃が大きく舞う。
「ぐ…がっ…」
ドーベルはそれを見ると、ゆっくりとアメリナに歩み寄ろうと、足を防壁へゆっくりと進める。
「今の蹴りで生きてるとは。本当に人間ですか、貴方……っと?」
土埃が晴れる。
壁に叩きつけられ、頭から血を流すアメリナ。
カチューシャは蹴られた衝撃のあまり外れたのか頭の上から消えていた。
だが、そのカチューシャのトレードマークとも言える角だけはその頭の上に未だ存在していた。
「おや、本当に人間では無いようだ…。」
アメリナはゆっくりと、再度立ち上がる。
ドーベルはまたも身構えた。
「…あぁ、そうだ…私は…人間では、無い…」
そう弱々しく言いながらドーベルを睨みつける。ドーベルは首を傾げながら、その言葉の真意を問う。
「…であれば、何だと言うんです?」
アメリナは言葉を返した。
「___竜と人の"子"…半端者だ。」
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北西防壁上、けたたましい轟音と共に壁が若干だが揺れた。
(何だ今のッ!)
目の前の人形の首を斬りつけながらそう考えるデイビッド。右手に握るロングソードは刃がほぼ全て欠け切っており、もはや使えるものとは思えない。使えたとしてもせいぜい後1体切り捨てられるかどうかと言った所。
デイビッドは先の轟音と揺れが気になり、防壁の下を見る。そこには鎧がやや融解したドーベルが、壁のすぐ下で力無く跪いているアメリナ団長へゆっくりと歩みを進めていた。
「そんなっ!」
デイビッドはアメリナ団長のその姿を見て嘆きながらも足元に転がっていた同じ兵団員の物であろう、やや刀身の分厚いグレイヴを拾い上げ背後にいる人形の頭へ振り返り様にフルスイング、頭部の上半分を両断しした。
「皆さん、この人形は頭が弱点です!頭を破壊してくださいッ!」
そう味方達に叫んだ。
味方はそれを聞くようにこちらを見る。
デイビッドの目に留まったのは…
「やるじゃないか、デイビッド君っ!」
小さな手斧を持つ、鎧に身を包んだアルチンゲールだった。
デイビッドはアルチンゲールに駆け寄り、下から掬い上げるように左脇に抱える。素早く抱えられたアルチンゲールは余りの唐突さに唖然としていた。そしてデイビッドは叫ぶ。
「すみません、ちょっと失礼します!」
デイビッドはそう言い叫びながら防壁の上から飛び降りた。
「えっちょっちょっ!」
アルチンゲールはそう詰まるような叫びを上げている。デイビッドすぐにグレイヴを右逆手に持ち直し防壁へ突き刺した。グレイヴは唸り声のような音と火花を上げ、壁を削りながら下って行く。
「おやおや、味方のためでしょうか。
素敵ですね」
ドーベルはその2人姿を見て感嘆する。
…"正確にはデイビッドを見て"なのだが。
「…!」
「あわわわわわわわわわわわわわッ!」
マヌに皺を寄せながら降るデイビッドに抱えられながら80mという巨壁を滑り落ちる事に対する恐怖からか絶叫するアルチンゲール。
アメリナは跪きながらもその2人を見てうすら笑みを浮かべながら呟いた。
「…全く、何やってるんだ。」
どちらに対する言葉かは、わからなかった。
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