【R18】空っぽ姫と鋼の王子様

福永涼弥

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7.初めて(☆)

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「……お手柔らかにおねがいします」
「頑張る」

 逆に不安になるようなことを言ったイノセンシオがリリアナの唇を奪う。唇が触れるだけの口づけ、舌を絡める口づけ。本で読んで存在は知っていたそれは、実際に体験してみると甘さというより息苦しさを強く感じた。
 長い口づけの後にふたりして同じ温度の吐息を漏らし、また同じように互いの唇や舌に触れていく。繰り返すうちに息苦しさの中に潜む甘さを感じ取れるようになってきて、リリアナは鼻にかかった声を上げながらイノセンシオに身体を、豊かな胸を押しつける。

「直接触らせて」

 リリアナの返事を聞かないままイノセンシオが寝間着を脱がせにかかる。ぷるん、と揺れながら姿を見せたそれにイノセンシオは嬉しそうに頬ずりをしてから唇を寄せた。
 はじめての刺激にリリアナの身体が小さく震える。

「気持ちいいことしかしないから大丈夫。……これからおっぱいたくさん触って、もっと大きくするつもりだから覚悟しておいて」

 『大丈夫』と『覚悟して』って、矛盾してない?

 リリアナの小さな疑問は吸われる刺激に塗りつぶされて言葉にならなかった。イノセンシオは唇で、舌で、指で、手のひらで、時々歯も使ってリリアナの両方の胸を好きにする。
 顔を上げたイノセンシオが胸の谷間を指で辿る。触られる前は慎ましくしていた頂は、散々構われた結果ぷっくりと膨れあがっていた。

「本当は痕つけたいけど、さすがに今日はまずいな」
「ダメなのですか?」

 リリアナは聞き返す。所有の証や独占欲の発露として痕をつける、という行動は恋愛小説の定番で、イノセンシオにそんなことをされてみたいと密かに願っていたことのひとつだった。
 イノセンシオが目を剥いた。

「ダメに決まってるだろ。っていうかリリアナ、この状況がもう色々ダメって認識ある?」
「……少しは」

 王子の寝所に侵入、『真の姿をさらけだす薬』もとい自白薬を盛り、寝落ちしたせいで清いままとはいえ一夜を共にし、そして朝から婚前交渉に挑もうとしている。どこからどう見ても色々ダメすぎるのに、痕という形の証拠まで残すわけにはいかないとイノセンシオは言いたいのだろう。

「……我慢します」
「そうして。結婚式終わったらたくさんつけるから」

 今日はこれで我慢して、と言いながらイノセンシオが触れるだけの口づけを身体のあちこちにする。触れた場所が一瞬だけあたたかくなって離れる感覚がもどかしい。
 大きな手がリリアナの下穿きを取り去り、リリアナの真の姿がイノセンシオにさらされた。

「かわいい。予想通りだけど予想以上にかわいい」

 よくわからないことを言いながらイノセンシオはリリアナの胸に顔と指先を埋める。

「このふわっふわのおっぱいも」

 唇と指が頂に触れ、離れる。

「かわいいおへそも」

 くすぐるように触れられてリリアナは身をよじる。その手がするりと滑り、腰の下の丸みを撫でた。

「ぷりんぷりんのおしりも。全部予想通りの大きさと形だったけど予想以上にかわいい」

 イノセンシオの手が動き、つい先程まで下穿きに守られていた秘所に指が添えられる。

「ここだけは予想できなかったから、見るのすごく楽しみ。……見てもいい?」
「……はい」

 頷くだけでなく、言葉でもリリアナは同意を示す。そうされるのが自分の望みなのだと、イノセンシオに伝えるために。
 指が合わせを割り、湿った音が鳴ったのがリリアナにもわかった。

「おっぱい、気持ちよかった?」

 顔を真っ赤にしながらリリアナはこくり、と頷く。イノセンシオがとろけた笑みを浮かべ、もう片方の手で慈しむように胸を撫でる。

「おっきくてやらかくて感度いい最高のおっぱいが俺のリリアナについてるとか……あー、なんか泣きそう。生きててよかった」

 泣きそう、と言う割にものすごく嬉しそうな声だった。
 公爵家の娘やその取り巻きに大きな胸を嗤われたことからリリアナは自分のそれをあまり好きだと思えないけれど、イノセンシオがここまで喜んでくれるのならば案外悪くないのかもしれない。

「おっぱいだけじゃなくて、ここでも気持ちよくしてあげたい」

 イノセンシオの指が動き始める。じわりと湧いてくる潤みを塗り広げるような控えめな動きが、やがてリリアナの小さな芽へと向けられる。

「ひゃ」
「ここ、自分で触ったことある?」
「ないで、す」
「わかった。気持ちいい触り方、一緒に探そう」
「イノセンシオ様は、その、こういうこと」

 経験はどの程度、という率直すぎる質問はさすがにダメだろうと思ってリリアナはぎりぎりのところで言葉を飲み込む。
 イノセンシオの指の動きが止まり、真剣な目がリリアナに据えられた。

「閨教育の指南書は頭に叩きこんだ。リリアナ以外としたくないから実技は拒否してる。信じられないなら自白薬使ってくれても構わない」

 きっぱりと言われてリリアナの頬が緩む。イノセンシオの純粋な、ちょっぴり重い決意が嬉しかった。

「そこ笑うところじゃないんだけど」
「笑ってません。……嬉しいだけ」
「ほんっとに、リリアナはかわいいなぁ」

 もっとかわいいところ見せて、と言ったイノセンシオが再び指を動かす。優しく優しく芽に触れられる度にリリアナは震えて吐息を漏らす。
 吐息が甘い声に変わる頃には、そこを責めるものは指ではなく舌になっていた。

「や、だめ」

 熱に浮かされたリリアナの制止はもちろんイノセンシオには届かない。それどころかより熱心にそこを責めるようになってきて、リリアナはついに。

「――っ!」

 身体だけでなく爪先まで丸めて、生まれて初めての快感を受け入れた。
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